deepest ocean #2
Container Graphic Galleryでの展示
Photo & Text: Kyogo Hidaka
Local / 2023.01.31
#2
東京に戻って、少し時は経ち秋頃、夏の北海道の写真を展示することが決まった。
僕自身、ギャラリーでの展示は初めてで何もない空間からどう世界観を作っていくのかすごく悩んでいたと思う。
結果、前回お話しした焚き火の時間がこの旅で1番濃く残っていたので、その環境を展示で再現したいと考え、木枠の額縁や流木を使って写真をみせたり、よく聴いていた音から近いジャンルのプレイリストを友人に作ってもらうことで、あの時の自分と同じ感覚になれるような空間を試みた。
Zineも作成した。
僕の写真はsnapがベースにあると思っていて、今回の旅もスナップに向いたカメラだけを持ってランドスケープを撮影した。普段に比べると圧倒的に長く感じてはいたけれど、それでもまだ流れの中で瞬間を捉えている気がしていて、その空気感を表現するとメモノートのようなジンを作ることができた。
会期中は多くの人が観に来てくださり、知り合いの方や新しく出会った人たちからたくさんの言葉をいただくことができた。
人によって感じ方は様々で、感想を聴くのが面白かったし、新しい発見もあった。
1番強く覚えているのは、僕の写真は夢の続きのようで心地よいと言ってくれたことだ。寝ている時に観る夢の中のような、少し曖昧ではっきりはしていなくて、色と色の境がにじむような感じ、その人と夢の価値観が近いのも同時に嬉しかった。
これから先も旅はすると思う。
旅にはその時の自分の状況や考えで目につくものや感じ方の変わる面白さがあるため、写真を通して、またそれが人と共有できる場所を作りたいと思っている。
Tag
Writer
-
Kyogo Hidaka
大阪生まれ。photographer。写真学科の高校で暗室にハマり、専門学校では家具の製作を学ぶ。卒業後は東京で写真の仕事を始め、23歳の時に渡独。ベルリンの街、人、音楽、歴史に興味を持ち日々の生活を記録し、その頃の色褪せない濃い記憶をここに綴る。現在は東京に戻りフリーランスで活動中。 好きなものは写真、家具、植物、音楽。