グリーンランドノート

グリーンランドノート

Photos, essay by T.T.Tanaka

Local / aug.24.2020



グリーンランドはデンマークの自治領で世界最大の島。217万平方キロあるので、フランスの約4倍、日本の約5.8倍もある。北緯59度50分から83度37分と縦に長く、殆どが北極圏に入っている。冬至前後と夏至前後はそれぞれ太陽がでない極夜と太陽が沈まない白夜となる。

アクセスは、アイスランド、レイキャビク空港経由。レイキャビクで乗り換え前泊必要だけど、レイキャビクからグリーンランドのイルリサット(Ilulissat)まで直行便は3時間フライトで便利。(夏は人気ですぐ売り切れる) レイキャビク(Reykjavik)までは世界のいろいろな主要都市から直行が飛んでいる。残念ながら東京からはない。
僕はコペンハーゲン経由でレイキャビクに。直行便は取れなかったのでグリーンランド首都Nuuk経由で6時間でin。レイキャビクからのフライトチケットは日本にあるアイスランドの大手旅行代理店のHPとtelできちんと購入できました。



グリーンランド全体は、雪がたくさん積もっていて、その厚さは海岸近くは1.5km!、内陸では3km!もある。雪がないとしたときの地形は十分にはわかっていないようで最近になってアメリカのグランドキャニオンの何倍もの大渓谷があるらしい。地図でグリーンランド全体が真っ白だったりするのは地形の凸凹が明確でないためらしい。ちなみに海岸線はくねくねしていてその長さはのべ3.9万kmもあって赤道の長さ!に匹敵する。え……!

人口は約56, 000人。人口の90%くらいがカラーリットといわれる民族で残りはデンマーク人。ほとんどが西海岸に住んでいる。人口密度は1平方キロあたり0.14人!!
西海岸の南にある首都Nuuk(ヌーク)は2万人ぐらいで世界最少人口の首都。公用語はグリーンランド語。第三の都市が西海岸の真ん中あたりにあるイルサリットで漁業や観光が盛んな町となり今回訪問したところです。北緯69度。

歴史的には結構昔から人々が住んできていて、紀元前2400年頃からアメリカ先住民に近い人たちが、そのあと、アイスランドのヴァイキングが、そしてカラーリットたちが入植。その後デンマークの所有となっている。入植を進めるにあたり、アイスランドが名前で抵抗があったとのことでこの地はグリーンランドと命名したという説がある。

産業は、漁業関係が輸出の90%を占めている。その半分以上はエビで日本にも多く入ってきている。観光業は有望とされているんだけど、季節的には7~9月半ばくらいに限定されるハンディがある。温暖化で覆われていた雪がとけて、鉱物資源、特に大量の原油埋蔵にアクセスできるようになってきている。鉱物の他、レアメタルもビジネスになっている。国際的にもこれらを狙う問題が生じてきている。



いたるところに氷河があるが、なんと公式に名前のついたものだけで733もある。観光対象となる大きなものが8つばかり。その中で最大のものがIlulissat氷河(Sermeq Kujalleq)で今回訪問したところ。UNESCO世界遺産登録となっているもの。ここから流れ出した大氷山がぶつかって沈没したのがタイタニック号。



グリーンランドの内陸の氷は北半球で唯一残る氷河時代!の氷床。一番厚いところで3.2㎞!もある。それらが氷河となって海に向かって流れていて、その大きな一つがイルリサット氷河。氷は途中で一部とけたり雪をかぶったりしながら渓谷を降りていくときにぎゅうぎゅうと圧縮されてかたまり下流に移動していく(スピード;数キロメートル/年)んだけど、河口近くは深さ200mくらいしかなく、おしくらまんじゅう状態できた雪のかたまりはここで盛り上がってそして耐えられなくなって海に放り出されて氷山になってゆく。(ようです) 途中で色んなプロセスがあり力もかかって氷山には模様が入っている。また陸地のミネラルも含んでいる。温暖化の影響が大きいと言われていて、氷河の後退は激しく、80年の間に30キロメートル以上後退。氷河の中に入り込むには許可されたヘリコプターツアーに申し込む。

このあたりの北極海では氷河に含まれた栄養分でプランクトン、エビ、ズワイカニといった甲殻類が豊富で、巨大ヒラメのようなオヒョウ(halibut)、シシャモ、タラ、サメなどが沢山いる。濃厚な味でとってもおいしい。甘えびは ほぼすべてが日本向けに、オヒョウも回転ずしの「えんがわ」用としてこれまた日本に輸出されている。 アザラシとクジラも沢山いる。

陸上では野生の哺乳類はすめる場所がかなり少なく、氷河の氷の間のギャップにキツネやウサギがいる。トナカイやジャコウジカは南部に限定的にいるだけ、また、ホッキョクグマも殆ど見られない。

植物は、高い木がなく、ハイマツのような低いカバノキ、Crowberry, ビルベリーや160種くらいの草花や地衣類が育っています。

鳥さんたちは結構色々見られて、水鳥では、ミツユビカモメ、アイスランドカモメ、フルマカモメ、鵜など。陸ではユキホオジロ、ラップランドホオジロ、小型フィンチ、wheatear、ワタリガラス、真雁、ハヤブサ、シロハヤブサ、ライチョウ、red-throated diver、great northern diver、カナダガン、マガモ、コオリガモ、ウミアイサ、アカエリヒレアシシギ、紫イソシギ、そのほかに渡り鳥たちも色々。

何といっても地球の北、北極圏。がらっと見たことのない景色。
氷河、氷山、いろいろな生き物や人々。食べ物。
毎分変わる景色、朝と夜の変化、毎日の変化。そして太古、いやずっと前からの時の流れ。様々な時間を実感できる素敵で貴重なところです。
世界遺産のあるイルリサットは自然を守るようにまた、観光のためにも国籍を超えてわかりやすく安全に体験できるように整備されています。三ツ星を含めて快適なホテルもいくつかあるので、欧米などからだけでなく日本からも是非生きている間に行かれることをおすすめしますよ~。



by T.T.Tanaka

イラスト/ロゴデザイン by 瀧口希望


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