“Travel is ENCOUNTERS” (フロリダ篇) #2
Photos, essay by T. T. Tanaka
Local / 2018.04.02
“そんなにジロジロ見るわけ?”
そんなにおいらのこと、珍しいのかい? どこから来たんだい? 年取ると白髪も増えるんだよ。
濡れた羽根をちょい乾かしがてらお昼寝するとこ。。
目赤いのはね、二日酔いじゃなくて、眠いのに朝早くから働いたからなの。。
Cedar Key, FL, USA; by T. T. Tanaka
“滑空”
滑空というか、空より海に近いんですけど。。
重いのは食べすぎなんじゃなくて、もともとなの。こんなに滑るように飛んでいてもしっかり海の中のお魚は探知しているよ。
遠くに見えているのは小さい島(key)。日が暮れるとそこに巣があるから帰るんだよ。
うーん。頭がでかいね。。 あら。二頭身くらいしかないじゃん。。
Cedar Key, FL, USA; by T. T. Tanaka
“ハリケーン”
メキシコ湾では台風みたいにハリケーンが暑いときに発生する。湾に接しているフロリダ半島にも時々上陸する。フィッシング小屋がそのたびにつぶれてしまう。。 この前行ったときにはこの小屋はなくなってしまっていた。。少し寂しかった。ペリカンやカモメたちはこんなふうにが休憩していたんだけど。。
彼らの向こうにはときおりイルカも泳いでくるし、夜、雷が来ると海上は花火のように稲妻が走って綺麗なんだ。
月明りも素敵だよ。
Flamingo, FL, USA; by T. T. Tanaka
“ペリカンさ~ん!”
ペリカンは人懐っこくて、ぷかぷか海の上に浮かんで泳いでもやってくる。
子供たちの人気ものだね。あ、もうちょっとで届くんだけど。。そう。目がつぶらでかわいいんだ。おいでよ~。
お、お父さんはビールの方が好きかも。。
Cedar Key, FL, USA; by T. T. Tanaka
“メキシコ湾”
「これがメキシコ湾?」
「そうさ。さっき魚がジャンプしていたぜ」
「どうしてジャンプするの?」
「うう。。美味しいお魚の証拠だって聞いたことあるぜ。別の大きな魚が食べようとしてつっついているから嫌がって飛ぶんだってよ。。。」
「本当?」
「うう。。 お腹すいたからレストランに早く行こうぜ」
ペリカンちゃん。
宅配便のキャラクターで鳥であるのは知ってるけど、リアルには日本人には馴染みがないよね。スズメやカラス、ヒヨやウグイス、メジロぐらいならちょっとは知ってるけど。。でもペリカンはユーラシア大陸にも、アフリカにも、オセアニアにも、南北アメリカ大陸にも棲んでいる。日本人は少数派ってことね。僕にとって初めての出会いはフロリダに住んだとき。フロリダ半島の東の大西洋でも、西のメキシコ湾でも、半島南の海岸沿いや、道路で海上をゆくフロリダキーズFlorida keysでも頻繁に出会えるんだ。
最初の出会いは、車からだった。“おー、お、大きな鳥が飛んでる~~!”と思わず叫んでしまった。シルエットがとにかく大きい。橋の欄干で休んでいたり、釣りをしてたりするとすぐそばまできてお友達するのよね。 地元の人達はこころえていて、バーベキューには使えないちっちゃなお魚をプレゼントしてあげるんだ。
重そうに空のあまり高くないところをゆさゆさはばたき、すーっと滑空。これを繰り返す。時々、不器用(ごめんなさい。。)に海面のちょい上まではばたいたと思ったら急降下して大きなくちばしで海をすくう。海に浮かびながら大きなくちばしでぶるぶるとふるいながらお魚を飲み込んでいく。不器用さについ親近感が沸いちゃうんだよね。
また、目がつぶらで可愛い。お昼寝しているときに時々あく目は本当に眠そう。
フロリダに多いのはブラウンペリカン。ところどころ白く素敵な毛がまじっている。お年寄りペリカンの頭は白いんだよ。
サンシャインを感じつつ、海を見ながら、時々、ペリカンたちと目を合わせながら、釣り人達の歓声ににっこりしてしまう。ワンちゃんもそこにいるしね。この空気を吸いたいからまたフロリダに来ちゃうのかも。。あ、そうそうキャラクターじやない君たちにも会いたいからだよ。
渋い歌声とギターが海上レストランから聞こえてきた。 シーフードプラターを食べにいこうっと。ストーンクラブ(石蟹)とグルーパー(はた)が味わい深くて好きなんだ。オイスターチャウダーもね。カップで。クラッカー崩して食べよう。ソルトは自分でふりかけたいんだけど。。
フォト、エッセイ by T. T. Tanaka
イラスト、ロゴデザイン by 瀧口希望
フロリダに関することはこちらのフロリダノートをチェック。
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T.T.Tanaka
のっぽの体形からつけられたニックネーム、トーキョータワータナカ。出身は兵庫県。フォトグラファー/エッセイスト。今までに30ヶ国以上を旅してきている。アメリカではフロリダ州などに在住経験あり。マーケティングの世界に身を置きながら同時にフォトグラファーとして国内外で活動してきている。国内外各地の風景、街、人、いきものたちのお茶目なサプライズを自由に切り取って写真制作および展示、スライドショーを展開してきている。写真集ENCOUNTERSシリーズ(Ⅰ,II,Ⅲ,Ⅳ,V,VI,VII;日本カメラ社)は幅広いファンから愛されている。最新刊ENCOUNTERS in Pakistan (みつばち文庫)は子供たちのピュアな笑いがいっぱい。