SHIBUYA SOUTH MAP #1

少し大人な靴との付き合い方

UNION WORKS SHIBUYA

Contributed by anna magazine

Local / 2018.06.27

こんにちは、「Container」編集部の渡来です。
本日はSHIBUYA SOUTH MAP第一弾、よろしくお願いします!

渋谷というとハチ公口。そんなイメージが強いと思います。ただ、渋谷駅くらい大きな駅だと、いつもと違う出口を出るだけで見える景色も違うし、意外なお店や素敵な場所を発見することもあります。僕たちが勝手に名付けたSHIBUYA SOUTHエリアは、ちょっとした路地に小さなお店があったり、地元の人しか知らないような、ホッと一息つける場所があったり、散策していて飽きません。

今回ご紹介するのは「UNION WORKS渋谷店」。靴の修理と販売を行う靴の専門店です。渋谷駅の南口を出て、桜ヶ丘の坂道を登りきった先の脇道を右へ。渋谷駅から編集部への通勤路を色々と試す中で偶然見かけてからずっと気になっていました。



建物の玄関にはロックがかかっていて、張り紙の番号を押して呼び出すと鍵が開きます。



この秘密基地というか、隠れ家感がたまりません。
お店は地下1階なので、階段を下ります。もうここから革靴独特のいい匂いが。



そして初めての入店。店長の山田岳人さんが出迎えてくださいました。綺麗に並べられた靴の数々、洗練された店内の雰囲気に期待が高まると共に少し背筋が伸びます。







1994年に世田谷区の靴の修理工房からスタートしたUNION WORKS。その後桜ヶ丘に移転。初めての店舗として、ここ渋谷店がオープンしました。現在は都内に4店舗、川崎に系列店があります。靴の修理と販売がメインですが、シューケア用品はもちろん、こだわりのセレクトによる服や雑貨も取り扱っています。

店長の山田さんに少しお話を伺いました。

--こちらの渋谷店が最初にできた店舗なんですよね?
そうですね、UNION WORKSという名前ではここが初めての店舗です。

--山田さんは何年くらい前からいらっしゃるんですか?
僕は6年目ですね。もともと靴の学校を出て、靴のメーカーで働いて、作る方を学んでいて。ただ、もっといろんな靴を見たいと思い始めて。修理だったらレディース、メンズ問わず色々な靴を見られるので。良い靴が集まる場所、いろんな靴を見られる場所としてこの店を選びました。

--どういうお客さんが多いんですか?
店舗によっても違いますが、渋谷は本当に靴が大好きな人、マニアックな方が多いですね。

--靴好きというと年齢層は高めですか?
そうですね。ただ渋谷店に関しては、ここが1号店ということを知って来店される若い人も多いですね。まずは始まりの場所を見てみようといった感じで。

--若い人でも靴のリペアに興味を持つんですね。
最近は靴をメンテナンスや修理をして履くというスタイルがだんだんと浸透してきていますからね。その中でも口コミで来てくださる方が多いですね。そうじゃないと見つけられないというのもありますが(笑)

--こちらのお店のウリはどんなところですか?
靴の修理だけではなく、服や雑貨などを置くことでお客様に楽しんでもらっています。それも会話のきっかけになりますし。うちのスタッフがいいと思ったものを置いて、徐々に増えていっていますね。

--他ブランドとのコラボもされているんですか?
そうですね、別注という形で。例えば、歴史ある英国ブランド、Tricker’sの革靴は別注が多いんですけど。通常売られているものよりワイズが細いんですよ。プレーンなデザインなので、よりスッキリさせたくて、うちで無理を言って作ってもらいました。ちょっとしたこだわりがありますね。

--ここでしか買えないものなんですね。
そうですね。なかには違いがわかりにくいものもあるんですが、ちょっとした所にこだわっています。見た目はもちろんですけど、せっかく修理屋が売ってるので、メンテナンスのことも考えて作っています。

--シューケア用品にもこだわりはあるんですか?
うちのスタッフが一回使ってみて、いいと思ったものだけを置いています。自信を持ってオススメできるよう、価格と使用感を大切にしています。種類がいろいろあるので相談していただきたいです。



--デニムまであるんですね。
これは日本のブランドで「BONCOURA」と言います。今実際に履いています。自分で履いているとオススメする際にも説得力があるので。



--お仕事のやりがいはなんですか?
靴の修理を受けて直してお渡しまで、お客様とお話ししたり接する機会が多いのは楽しいですね。お客様とより近くなれるのが魅力です。

話せば話すほど本当に靴が好きで仕方ないという山田さんのまっすぐな気持ちがとても伝わってきました。
せっかくの機会なので、今日は入社直前に少し奮発して買った、自前のパラブーツを磨いてもらうことに。革靴のリペアや磨き方の知識が皆無な僕。「革靴 磨き方」とググるのも今日で終わりにできそうです。

まずはていねいに乾拭き。これだけでもかなり汚れは落ちるそうです。そして無色のクリームを使って古いクリームを落とします。こんな工程があるとは全然知らなかったです。シューツリーを使って形を使うと、より磨きやすくなります。



--磨く頻度はどれくらいが適切なんですか?
3回履いたら1回くらいですかね。そんなに念入りにやる必要はないです。面倒になってやらなくなるのが一番良くないので。あとは色を塗りこむよりも表面のクリームを拭き取る方が大切ですね。

そして出来上がりがこちらです。

(before)


(after)


(before)


(after)


(before)


(after)


自分でも少しは磨いていたので、写真では分かりづらいかもしれませんが、いつも履いている自分としてはその仕上がりの違いに驚きました。
つま先の毛羽立ちも綺麗になり、ボディの光沢も蘇って、傷や汚れも目立ちません。

綺麗になったことはもちろん、なんとも言えない良い雰囲気に仕上がって大満足でした。メンテナンスって奥が深い、あらためてそう感じます。かっこいいスニーカーの汚れ、程よいデニムの色落ち、ただ汚れているわけじゃなくて味がある、経年変化の魅力は、好みやモノによってその度合いも変わります。なかでも革靴のメンテナンスは手間がかかる。ただ、大切に履いて自分らしい味が出て来た時に初めて、その靴は“自分の靴”になる。なんてことを思いました。

特別なデートの日、重要な仕事の日、なんとなくよそ行きの気分の日。履きなれないピカピカな靴より、味のある“自分の靴”の方が良いと思いませんか?
そんな靴との少し大人な付き合い方をいつでも相談できるUNION WORKS。長く付き合っていきたい、魅力的なお店でした。

さて、靴も綺麗になって気分が良いので、もう少し渋谷を歩いてみようと思います。素敵なものに巡り会えるような、そんな気がしてきました。



UNION WORKS SHIBUYA
〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町22-20
シャトーポレール渋谷B1-1
TEL. 03-5458-2484 FAX. 03-3770-0917
営業時間. 12:00~20:00 水曜定休日


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