上質な部屋着のような<br>エプロンが出来たワケ

ワークウェアレーベル〈GIN NORPA〉

上質な部屋着のような
エプロンが出来たワケ

Contributed by anna magazine

Local / 2022.06.03

ジャパンメイドのワークウェアレーベルの『GIA NORPA』を立ち上げた松下沙花さんと上山浩征さんのお二人に、ブランドの誕生秘話を伺いました! 何がきっかけでエプロンを作ろうと思ったのか、エプロンから生まれるこの先の展望まで…。2人の熱い想いと一緒に紐解きます。





ブランドを立ち上げたきっかけを教えてください。

松下:もともと私たちは友人同士で、私が料理が趣味なことに加えて、アトリエで絵を書くときもエプロンを使うんです。でも気に入るエプロンがなかったので、上山さんに「エプロンを作って欲しい」と相談していたんですよ。

上山:コンセプトや作る意義はしっかり考えようと思っていたのですが、いざ作るとき具現化するのに苦労しました。


お互いのエプロンに対する想いやコンセプトを教えはどんなものがありましたか?

松下:上山さんは「松下さんが欲しいと思えるエプロンを作ろう」と言ってくれました。松下さんと同じようなことを感じている方に届くようなエプロンを作るべきじゃない?」と言ってくれて。

上山:同じように考えている人は必ずいるだろうと思っていたので、とにかく価値観を形にしたかったんです。松下さんが友人たちに料理を振る舞う会があるのですが、そこではこだわりの器を使っていて、料理と器の組み合わせもよく考えられているんですよ。その延長上にエプロンがあっても良いんじゃないかなと。




松下さんはどんなエプロンにしたかったのですか?

松下:料理のときだけでなく、絵を描くときにも着用できるエプロンですね。絵を描くときは割烹着、つなぎ、サロペットなど色々試しましたが、どれもしっくり来なくて。でもロンドンで購入した着物のような形のシルクコットンのナイトガウンは、とても気に入っていて継ぎ当てをして10年以上着ているんです。包まれているような感覚で、心地いい。自分の生活に欠かせないアイテムになっています。そんな風に、作業服としてだけではなく、ベッドルームのガウンとしても使えて、外出時にも着用できるようなものが欲しいと思っていました。

松下さんのリクエストを聞いて、上山さんはどう思いましたか?

上山:友人同士でライフスタイルに理解もあったので、具現化するのはそこまで大変ではないだろうと。外出や料理、絵を描くとき、それぞれの境界線を越えるプロダクトを作るということにワクワクしましたね。
サンプル完成からリリースまで1年くらい寝かせました。洋服の場合は、半年に一度発表会があるのですが、エプロンに関してはもっと自由でいいのかもと感じていましたね。

松下:洋服と合わせて着ることのできるものが理想でした。でもあくまでもワークウェアということにはこだわりました。ワークウェアは実際にはマルチな洋服といえるのですが、どうしても日本だと仕事着というイメージが定着していますよね。

上山:「多様性」、「サステナビリティ」はライフスタイルにとって当たり前という基準で考えて。そういったカルチャーが生活に溶け込んでいる方々に向けて作りました。

ブランドの一番の魅力は何でしょうか?

松下:仕事、プライベート、誰にでも色々な「顔」がありますよね。私たちはどんなシーンにもフィットするアイテムが作りたかった。私は作家活動とプロデュース業を並行してやっているので「本当にあなたがやりたいことはどっち?」と聞かれることもありますが、私は両方やりたいんです。エプロンを通しても、そんな自由な余白の素晴らしさを伝えながら、パートナー的な感覚で着ていただければと思っています。



上山:私は「自由を掴み取ろう」というメッセージを伝えたいですね。松下さんがおっしゃっていたように、多様性を打ち出すにはブレない自分が大事で、「自分に自信を持つことで自由を掴み取ろう」という壮大なテーマです。ものづくりの根底はそこにあると信じています。


ブランド名〈GIN NORPA〉の由来を教えてください。

上山:最初はエプロン(APRON)の逆で〈NORPA〉でいいかもと話していましたね。どことなく人の名前っぽいし、覚えやすいなと。でも素晴らしい価値観を持った人物像を作ってシェアできたらいいなと思って〈GIA〉という女性の名前を掛け合わせて〈GIA NORPA〉が生まれました。



実際に完成したエプロンを手にしたとき、どう思いましたか?

松下:すごく嬉しかったですよ。最初に思ったのは「わあ!本当にできた!」と。構想していたものができ上がったので、愛着もひとしおでしたね。

上山:私も本当に良かったなって。長く着用するとどんな風合いになるのか早く知りたいですね。

松下:エプロンを着ていると「松下さんっぽいね」と言われることがとても嬉です。何より「エプロンというより、洋服みたいに見える」と言われたのが一番嬉しかった。鉄製のフライパンと一緒で、使っていくうちに味わい深さが出てくるんです。



松下:私はアイロンがけが苦手なので、いつもくしゃくしゃっとして着ています。きちんとアイロンをかけても、印象が変わりますし。生地のクセも変わりますよね。


今後どんな展開を考えていますか?

上山:イベント形式でわかりやすく、集まってくれた方に直接紹介できればと思っています。実際に先日「GIA NORPA MARCHE」を開催しました。

松下:「GIA NORPA MARCHE」を開催したきっかけには「エプロンを売りたい」というのももちろんありますが、コミュニティを広げていくことがとても大事だと考えていたからです。同じような考え方のブランドの方と話したり、考え方を共有していくことによって、お互いのブランドを盛り上げていけるような。横の繋がりで共有し合いながら、新たなカルチャーを広めていければ良いなと思っています。

上山:僕は「GIA NORPA MARCHE」を開催させてくれた「Studio Kitchen」さんにとても感謝しています。仕事として成立させることはもちろんですが、参加者の皆さんが、新しい繋がりで何かを始めるきっかけにしようとする気持ちが感じられたことがとても嬉しかったんです。できることなら、定期的に開催して、皆で考えを共有したり、コミュニティを広げて、盛り上がる機会を作っていければと思っています。

GIN NORPA取扱店舗
MOOD MARK BY ISETAN

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GIA NORPA
GIA NORPAは、ジャパンメイドのワークウエアレーベルです。
ミニマムなデザインと、使うごとにライフスタイルに合わせてエイジングしてゆく、多様化する現代に適したエプロンを提案していきます。
エプロンは、「ワークウエア」英語のワークウエアという単語は、日本語では作業着と訳されることが多いですが、「ワーク」とは作業の他に、仕事、勉強、研究、機能する、効く、上手くいくといった意味合いもあります。ワークウエアは、生活の様々なシーンで着られるマルチなガーメント(服)なのです。 わたしたちには、たくさんの顔があります。それは、家庭や社会の中での役割だけではありません。自分だけの時間の中でも、個々に少しずつ違います。GIA NORPAも同じように、たくさんのシーンに溶け込み、「顔」の一部として存在していきます。

自分だけの表情を生み出し、深い愛着の湧くエプロンになるように、
素材選びから丁寧な選択をしていきます。
生活のパートナーとなる一枚を見つけてみてください。

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