Contributed by Kaoru

People / 2019.04.23

anna magazineが注目しているフードスタイリストの薫さんと、彼女の友人でマルチメディアコンテンツModels.that.eatのクリエイターPOJOさんがなんだか楽しそうな活動を始めようとしているらしい。

詳しく聞いてみたら、
ちょうど私たちが2019年から始動する、“自分たちらしく生きる女の子たち”を応援する「Girls Go West Project」と相通じるものがあった。「それならぜひ一緒にイベントをしようよ!」ということになったのが昨年10月のこと。

しばらくは日本とNYの間でLINEや電話で話し合って準備を進めていたけれど、2月に入ると薫さんがNYへ出発!イベントに向けて大きく動き始めた。この連載ではイベントまでの2人のアーティストを追っていく。


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2019/2/28

 

撮影4日目。POJOと過ごす時間が積み重なっていき、色々と彼女のフレンドグループ(友達の輪)のテンションが分かってきた。(なんとか、ついていけてると思う)



彼女たちの世代でどんな音楽やファッションがポピュラーで、どんなアプリが流行っていて…ご飯を食べながらインタビューするだけでなく、一緒に街を散歩したり、ふらっとお店に入り、洋服をみんなで試着したり、「これはスーパーキュート」、「これはいまいち」、「この音楽めっちゃ流行ってるやつ!」と急に道で踊ったり、インスタをみんなで見てわいわいガールチャット。彼女たちにとっての日常を共にする中で、世界の最先端が集まるこの街の若者がどんな過ごし方をしているのか、体感することができた。



さて、そんな中今日はDJouliet (ジュリエット) との撮影。彼女は今回インタビューした10人の女の子の話の中でクリエイティブ面で最もインスパイアされたかもれない。というのは、彼女がかなりオープンに自分と食べ物との関係性について話してくれただけでなく、今その苦しみを乗り越え出会えた新たな自分が大好きで、仕事もすごく楽しい。という話をしてくれたから。



ジュリエットと会ったのは、NY初日に友達カップルに呼んでもらったlua Bar。 ジュリエットは、「私はなんでも食べるから2人(Pojoとわたし)がおすすめのところに行きたい!」と言ってくれたので、密かにお店の雰囲気と音楽がとても好みだな、と次に行く機会を楽しみにしていたBrooklynのLua Barで集まることにした。

ジュリエットはとにかく目が綺麗で、きらきらとした表情とスムーズで心地の良い声が印象的な子だった。



テーブルに座って落ち着いたところで、早速自分のことを話してくれた。

彼女は元々NYの有名バレーカンパニーのダンサーで、カンパニーにとっての期待の星だった。踊ることがただただ大好きで、人一倍の努力を重ねてこのカンパニーに入ることができたのだけれど、「あなたはもっと体重を落とす必要がある」と強くカンパニーから言われ、練習の傍ら必死で食事制限し、ジムにも足繁く通ってダイエットするようになった。



痩せれば痩せるほどカンパニーは喜んでくれ、元々ルックスも美しい彼女は痩せる毎に「本当に綺麗だね」「美しい」と褒められていった。そんなある時、もうこれ以上痩せられない。というほどガリガリになった彼女に、カンパニーの最高責任者がとても高価なドレスをプレゼントしてくれたそうだ。その時、「嬉しさなんて全くなくて自分が惨めで仕方なくて、もう崩れ落ちるような気持ちだった」とジュリエット。

でも認められるにはもっと痩せ続けなければいけない。そう思って一層ジム通いに励み、やがて何よりも愛していたバレーのレッスンをさぼってまでしてジムに通うようになってしまった。その異常な行動をしている自分に気づいた時、彼女は「もう私にとって大事なのはダンスじゃなくなっている」とはっとしたそうだ。



それが彼女の人生の大きな転機となった。「こんな異常な暮らし方をして自分の身体を傷つけるようなことをするのは間違っている。考え方を180度変えて、食べたいものはいつ、どれだけでも食べていいんだ」と思うようにしたそうだ。そう意識を変えた瞬間に、生きるのが楽になった。食べちゃだめだ、と思うから食べることを考えるのが苦痛になる。でも、なんでも食べていい。と思うと意外とそんなに異常な食べ方をしなくなる。

自由に食べるようになった彼女は、もちろん体重がみるみる増え(それでも一般の人からしたら痩せている)、やがてカンパニーから解雇されてしまう。驚ろかなかった。むしろ肩の荷が降りてやっと自由の身になれた。

そして彼女は今「モデルとしてのダンサー」のカテゴリーで実は以前にも増して活躍している。


数々の広告やCMにモデルダンサーとして起用され、振り付けも担当することがある。彼女は生き生きとした表情で、「今は商業としてのダンスをやっているの。この商品を売るにはどういう動きをしてどんな表情でどんな表現をしたら、消費者に訴えかけられるか。って考えることは、本当にクリエイティブで楽しい!今までのバレエダンサーとしての表現とは全く別ものなの」と言う。

その180度違う経験をこの若さで実感し、フルに楽しめている彼女が、すごく凛としていて綺麗だと思った。


一時は、立っているのもやっとなほどガリガリだったにも関わらず撮影の時「セットに行くには太りすぎている」と思い込む様になり、撮影に足を運べなかったこともあった彼女が、今はセットにマフィンが用意されていたら、「この体型でこの外見のわたしを起用するとブランド側が決めてくれたんだから、このままの私でいいんだって思えるようになったの、だから気にせずに朝ごはんを食べてる!」と楽しそうに言っていたのも印象的だった。



もっともっとみなさんとシェアしたいお話しがいっぱいあるのですが、今回はこんなところでPOJOと私のコラボレーション企画「FOOD ON A MODEL」のメイキングブログ締めくくりとなります!xブログを書くことを通じて、私自身今回のコラボレーションを振り返り、出会ったたくさんの人との時間を消化することができました。そして展示でみなさんと共有できる時間も、一層楽しみになりました! 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。





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【POJO】
フィービー ジョセフ(通称POJO) はModels That Eatのクリエイター。
11歳の時にNYでモデルとしてスカウトされ、13歳の時にNYのモデルエイジェントと契約した。
学業とモデル業を両立し多忙に過ごした5年後、業界を離れ、ボディーイメージやモデル業界での食べ物への考え方などを話し合う、マルチプラットフォームのModels That Eatを始めた。
現在、19歳のPOJOはNYのクリエイティブエイジェンシーで働きながら、モデルたちと日常的に食事している。


Models that eat

フィービー(POJO)によるマスチメディアプラットフォーム。フードのビデオブログやモッパン風のインタビュー、そしてモデルやロールモデル(お手本になるような人)とのリラックスしたコンテンツで、馴染みのあるSNSに新たな一面を加えるような内容になっている。

HP: https://www.modelsthateat.com/

Instagram:@models.that.eat

YouTube https://www.youtube.com/channel/UCNx3ENkOieKfOebVAMkK5KA/about

Food On A Photograph
フードスタイリスト薫によるパーソナルプロジェクト。写真の上に食べ物や料理などを乗せ、その写真を再度撮影する、というアナログかつシンプルな手法で3年半ほど制作し続けている。

2017年に東京渋谷のAbout life coffee で初個展「Food On A Photograph」、2018年にはニューヨークSOHOのCafe Integralで個展を開催。

Food On A Photographとして初めて作成したzine 「Audrey」はNYのMcNally Jacksonはじめ、LA、東京、京都など多くの有名書店で取り扱いされています。

Instagram: @foodonaphotograph


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