ベリーローーール!!!

えもーしょん 中学生篇 #6

ベリーローーール!!!

2010〜2013/カイト・中学生

Contributed by Kaito Fukui

People / jan.06.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#6 「ベリーローーール!!!」
(2010〜2013/カイト・中学生)

ミーンミーンミンミーン

揺れるヤシの木に止まり
静かに懸命にセミが鳴く。

その奥からは

はーい!はーい!



テニス部の声。

ボクは、灼熱の中

扇風機の前に陣取り

家の窓から

アイスを片手に
テニスコートを見下ろしていた。

キラキラと輝く汗が

彼女たちの首をしたたる…。

ボク「やっば」

あの、汗になりたい…。

たった一瞬の汗の動きが

映画のワンシーンのよう、スローに

そして

妙に、キラキラと見える。

まるで、スポーツドリンクの広告のようだ。

汗で、体操服が体に張り付き

サーブと同時に乳が揺れる。

ボク「ご馳走さまです」

と、静かに呟く。

テニス部の鬼顧問が

可愛い女の子を呼び出した。

ボクは、2人の会話風景を見下ろしながら

アフレコで会話をつける。

「おい!お前ちょっと来い!」

「はいっ!」

「ちょっと、乳揺れすぎじゃないか?」

「ち、乳ですか?」

「おぅ。何カップだ」

「び、BよりのCです」

「いや、嘘だろぅ!」

「Bだろぅ」

「ち、違います!!!!!」

「BよりのCです!」

「ちょっと、見せてみろ」

「ちょ、ちょっと、ちょっ、ちょっ」

「せ、先生…!」

「もっと、優しくしてくださいっ(照)」

「こ、こうか?」

「こ、こうですっ(照)」

「お、おうっ」

鬼顧問は、女の子に何かを伝え

女の子はお辞儀をして

乳を揺らしながら足早にコートへ戻る…。

ボク「はぁ、部活っていいなぁ」

小学校では、体操服がなかった。

中学校に入り

初めて、名前が刺繍された体操服を手にした。

マンモス校では、刺繍された体操服が役に立つ。

夏休み前のある日

あと3日で夏休みかぁ〜!!!

え〜!最高〜!!!

教室の端、ロッカーの前でたむろする。

ヤンキー達が、そんなことを言っていた。

次の体育の授業に備え

さっと、体操服に着替える。

今日は、走り高跳びをやるらしい。

ちょっと、卑猥な事を想像しながら

教室を出る。

廊下を歩いていると

向こうから、少しハーフ顔のすらっとした

タイプの女の子が歩いてくる。

すれ違いざまに

胸の、刺繍された名前を見ながら

大きく鼻で息を吸う

スゥゥゥゥゥゥゥ。

ハァァァァァァァァァ。

いい匂い…!

「おっぱい、やばっ」

体操服にはMOEと刺繍されていた。

モエちゃんか………。

いい思い出ないな。

この前、同じ名前の子に振られたからだ。

そんな事を考えながら

階段を下りる。

下駄箱の前でモエちゃんが

靴を履こうとしていた。

ジャージから透ける

パンツのラインが、なんとも言えない

ちょうどいい場所だ。

ボク「ありがとうございますっ」

と、心から感謝を伝え

ボクも靴を履き替える。

校庭に出ると、高跳びが用意されていた。

1人ずつ、飛んでいく

背面跳びか、はさみ跳びか、ベリーロールか

順番を待ちながら

みんなのことを見て考える…。

バイ〜ン!

ベリーロールでおっぱいが当たるモエちゃん。

やばい……。

ボクの番が来た。

高さは、140cm

楽勝だろ。と軽い気持ちで

助走をつけ、いざ!

飛ぼうとした瞬間

ベリーロールでおっぱいが当たる。

モエちゃんを思い出す!!!

え、いま!!!???

ボクは

背面跳びか、はさみ跳びか

よくわからなくなり

結局、ふつうに

ダイブ……。


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