このままで、いいのか。

えもーしょん 大人篇 #8

このままで、いいのか。

2016~/カイト・大人

Contributed by Kaito Fukui

People / jan.22.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#8
「このままで、いいのか」
(2016~/カイト・大人)

「このままで、いいのか」

専門学校への入学が決まってからの

1ヶ月間、ボクは思う存分

休みを満喫した。

やりたい事はすべてやったし

食べたいものも全部食べた。

例えば

大手コンビニ5社のアルバイトを全制覇。

農家のアルバイトや(主にキャベツ)

漁師のアルバイト。

1番思い出に残っているのは

真冬に広大な畑をショベルカーで耕して

ベチョベチョの沼状態にし

その後、何トンも大きな石を入れて、沈め

次に、細かい石をまた何トンも入れ、沈め

ガラスファイバーを撒き散らし

最後にコンクリートを流し込む。

という、畑をコンクリートにする

1日¥20.000のアルバイトが

1番、思い出深い。

色んな意味で経験になった…。

そんな休みを過していた、ある日

ふと、広げた雑誌があった。

「仕事とは何か?」そんな事を

特集していて、色々な職業の色々な人が

紹介されていて、経歴や年収が載っていた

ボクは、そこで初めて

職人の凄さに触れた。

今まで、職人が身近に沢山居たから

環境に慣れてしまって、見えていなかった

部分が、次から次へと見えてきた。

休みの間に、もっとみんなの仕事を知りたくなり

毎日、色々な人のオフィスや

工場へ行って、ボードを削っているところや

デザインしているところを

見せてもらっては

お昼時を狙って行ったから

毎日、みんなとランチを食べ

話を聞ける事が出来た。

好きを極めた人や、生きる為に仕事を選んだ人。

理由は様々だけど

話を聞いていて

共通していた部分が1つあった。

それは

みんな魂を削って物作りをしていた。

1つの仕事に本気になって

作っているから、目の色が変わる瞬間を

幾度となく見る事が出来たし

仕事を始める前から、終わるまで居たから

終わった後の、疲労困憊度が

人間ではなかった。

空っぽになって、タバコを吸っている

姿は、どこか

かっこよかった。

そして、何日か経ち

ついに、入学式の日がやって来た。

よく眠れず、なんだか悶々としていた

何故だか

ボクの直感的に、このまま

進学してはいけない気がした。

進学すれば、今よりも

道は開けるかもしれないけれど

進学しないほうが、ボクはもっと

ボクになれる気がする。

そう、思った。

続く。

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