茅ヶ崎のキッズはなんか格好よかった

えもーしょん 小学生篇 #38

茅ヶ崎のキッズはなんか格好よかった

2003〜2010/カイト・小学生

Contributed by Kaito Fukui

People / jun.17.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#38
「茅ヶ崎のキッズはなんか格好よかった」
(2003〜2010/カイト・小学生)

23歳を目前に

過去の、話を書いている。

どうしても、思い出せない

友達や、顔はわかるが

名前が…なんて友達が

小学生編の原稿となると

ちらほら、出てくる。

最近、夢にハッと出てきた

記憶。

あれは、ハーレーのTシャツに

ボルコムのデニムを履いていたので

小学5年生だと思う。

うん、恐らく

小学5年生の夏休み

なんかのサーフムービーで

真夏でも、デニムを履いている

ロブ・マチャドを目にした。

それから、クソ暑い

真夏でも、ボクは

ハーレーのTシャツにその時

唯一、履けたボルコムのデニムを履いて

夏休みを過ごしていた。

よく遊んでいた

同級生のサーファーの友達が

ボクと同じような、格好をしていて

2人で、公園に行き

スケートをしたり、スカイサイクルで

ラブラブしたのを覚えている。

なぜ、そんなに覚えているかって

彼の、デニムは

スキニーデニムだったからだ。

正確には、ブラックデニムのスキニーだ。

ブラックデニムのスキニーを履いて

いつも、VANSのsk8-hiを履いていた。

しかも、チェッカーフラッグのやつ。

ボクは、ストレートのブルーデニム

スニーカーはいつもスリッポンだった。

そんなある日。

「小学5年生なのに、スリッポン?」

彼の、この一言が忘れられない。

「ダメなの?」

今でも、そう思っている。

彼は、茅ヶ崎の人間だった。

ボクは、辻堂。

茅ヶ崎の、キッズ達は当時

どこか、大人でロックに見えた。

あれは、文化なのか?

今思うと、本当にそう思う。

彼は、いつもかっこよかった。

メッシュのキャップが似合う

小学生は、彼以外見た事がなかった。

スキニーは、膝に穴が開いているけれど

どこか、ロックな感じの彼は

いつも、格好よかったのだ。

そんな、彼にスリッポンは

少し、子供っぽいね。

なんて、言われたボクは

酷く、落ち込んだのを覚えている。

そんなことを気にした事がなかった。

家に帰り、自分の持っている

スニーカーを見て

また、酷く落ち込んだ。

10足中、8足が

スリッポンだったからだ。

残りの2つは、スパイダーマンとNIKEのもの。

もう一つは、スウェードのDCのもの。

スパイダーマンのものは、大切だから

箱にしまっているので、履くことはない。

DCは、ゴツくなくて

お気に入りだけど、つい先日

着衣水泳で、使ってしまって

ずっと、乾かないので

まだまだ、履けそうになかった。

「スリッポンは子供っぽいから、紐がいい」

素直に、こう言えばいいのに

パパとママを目の前にすると

いつも、言えず

今日も、ママが

バナナの総柄のスリッポンを

ネットでポチっている…。


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