えもーしょん 大人篇 #44
夏へ行ってきます
2016~/カイト・大人
Contributed by Kaito Fukui
People / 2020.07.16
小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!
#44
「夏へ行ってきます」
(2016~/カイト・大人)
ハッ!と目が覚めてしまった。
ディズニーランドへ行く前日のドキドキ感。
いつぶりだろうか。
自粛、自粛で引きこもりのせいか。
どうした。
自分でもびっくりしている。
ボッーっと空を見ると
薄ら明るい。
何時? 4:00
「嘘だろう」
流石に早すぎる…。
荷物の準備はもう終わっているし
シャワーを浴びて飛び出すだけなのに…。
「朝ごはんでも買いに行くか」
寝ぼけたまま、靴を履いて
外へ出る。
まだ、少し寒い。
Tシャツにノーパンのパジャマのパンツ。
二の腕あたりが、特に冷たい。
コンビニに着くと
メロンパンと、おにぎりを手にした。
レジに並んでいる。
隣の棚の冷気がやはり冷たい。
これは、無理だ。
7月というのに、横にある
HOTコーナーから
冬によく飲む暖かいお茶のペットボトルを取った。
ボクの袋の中には
メロンパンと、おにぎり。
それから、暖かいお茶のペットボトル。
これだけ見れば、普通の冬の光景だ。
家に帰って、時計を見る。
あれ、結構時間経ったな。
時刻は5:00。
あと2時間もすれば予定の起床時間。
念の為と思い、メロンパンを片手に
バッグの中を広げる。
なにも変わらない、が
沖縄と思うとなにか足りないような
「うーん…」
座り込み悩む。
メロンパンはとうに食べ終わり
おにぎりも、あと一口くらい。
「いや、最低限はあるな」
「うん、大丈夫!」
と、自分に言い聞かせ
何事もなかったようにバッグへ戻した。
6:30
もういいだろう! そんな気がした。
少し早いがシャワーを浴びて
洋服に着替えて、バッグを持って飛び出す。
高速バスのバス停までは
電車に乗って向かう。
そっと、優しい風が吹く。
やっばり、少し冷たい。
駅に向かう道。
冷たい風に押されながら
遠くに見える。
椰子の木、ハイビスカス、真っ青な海。
夏へ、行ってきます。
続く
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Kaito Fukui
1997年 東京都出身 幼少期から波と戯れ、サーフィン、スケートボード、恋に青春。 あの時、あの頃の機微を紡ぐように幾層ものレイヤー重ね描き、未来を視る。 美化されたり、湾曲、誇張される記憶を優しく繊細な浮遊感で!