変身! アサガオからラブレター

えもーしょん 小学生篇 #22

変身! アサガオからラブレター

2003〜2010/カイト・小学生

Contributed by Kaito Fukui

People / mar.24.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#22 「変身! アサガオからラブレター」
(2003〜2010/カイト・小学生)

「うわぁ、なんかいきなり天気が良く感じる」

こんな、猛暑日の日に

そんなはずは、ない。

けれど

そう、思ったのは

同じクラスのさやちゃんが

行き場のない、アサガオを

もらってくれたからだ。

ポケットにしまった

ピンク色の封筒。

さやちゃんは

「家に着いたら開けてね」

そう、言っていた。

けど、当然

家まで開けないはずがない。

ポケットから

ピンク色の封筒を取り出す。

「海東くんへ」

と、表に書かれている。

え、さやちゃん漢字書けるの。

すげー!!!

かいとってこんな漢字なのか!

と、そこであらためて知った。

封筒から、綺麗に折られた

手紙を広げると

そこには、また沢山の漢字が書いてあった。

なんとか、読もうと頑張る

「海東くんの〜しい〜や、いつも〜っている〜が〜きです」

と、小一のボクには

さっぱり、わからない。

この時、初めて

ちゃんと学校に通えばよかったと

初めて、後悔を感じた。

家に帰り

アサガオ事件のことや

さやちゃんの事を話すと

ママは、さやちゃんのお家へ

電話をしていた。

「さやちゃんのお家、どうだった?」

電話を終えたママが、ボクのところにやってきた。

「すげーデカかった」

と、ボク

「よかったね」

と、ママ

「あ、そういえばさ〜」

と、さやちゃんにもらった

手紙を広げ

これさ、なんて書いてあるの?

と、ママに見せた。

すると、クスクス笑い

「これは、自分で頑張りなさい」

と、ボクに告げ

漢字ドリルを渡された。

「この中に答えが書いてある」

それから、1ページずつ

めくっては、手紙に書かれた

漢字を見つけ、振り仮名を振っていく。

夜になり、手紙の内容が

やっと分かった。

「海東くんの優しい所や、いつも笑っている顔が大好きです。」

と、書かれていた。

※時は経ち、2020年3月

最後の、「大好きです」は

記憶を美化している可能性があるが

それは、人生で初めての告白であり

「好きです」と書かれていたことは確かだ。

実家の、引き出しを探せば

ママが、ラミネート加工した

さやちゃんのラブレターがあるはずだ。

それ以降、手紙で告白もされていない。

そう、そして

リビングへ戻ると

「手紙わかった〜?」

と、料理をしながら

ママが言った。

「わかったよ〜もう漢字むりぃぃぃ」

と、疲れきったボクは

ママにそう伝え

ラブレターをテーブルの上に置いた。

すると、ママは

確認するかのようにラブレターを

読み返し

棚の下から

ラミネート機を取り出して

ラブレターを文字通り

永久保存するかのように

ラミネート加工して

ボクの部屋の壁に

画鋲で飾った。

「お返事書きなさいよ〜」

と、言っていたが

14年経った今でも、お返事は

渡せずにいる。

さやちゃんが、もしこれを見ていたら

ラミネート加工済みの

お返事を渡したい。

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