グッバイ

えもーしょん 中学生篇 #70

グッバイ

2010〜2013/カイト・中学生

Contributed by Kaito Fukui

People / 2020.12.18

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#70
「グッバイ」
(2010〜2013/カイト・中学生)

えもーしょん 中学生編いかがでしたか?

ボクの中学時代は本当につまらなくて、毎日が沼のように重く

早く終わればいいのに、そればかり思っていました。

高校生になったら、大学生になったら、大人になったら

いつか来る日だけが楽しみで、あんまり行きたくない。

サーフィンの大会に行ってはやる気を振り絞り

先輩のウエットスーツを洗う日々。

中学生になって、初めて彼女ができました。

放課後お気に入りの服を着て千円札をポケットに入れて

彼女の家に迎えに行き

駄菓子屋さんでお菓子を買って、図書館へ行き

ビデオを見たり漫画を読んだりしたけど

ボクはそんなことよりも、チューがしたかったので

なにを読んだかなんて全然覚えていません。

「もうそろそろ5時だね」

なぜか彼女はそう言って、ボクを誘ってくれました(多分)。

それで本棚の間でチューして

「あ、ごめん」なんて言いつつ笑ってしまって

あ、やばい笑っちゃった! と思うと余計に笑いが止まらなくて

2人で笑ったのを覚えています。

これが1番中学時代エモかったことです。

その後、告白にハマりとりあえず気になった女の子に「好きです」と言っていたら

「なんかやばいやつ」ってキャラが学校中に広まってしまい

本当に好きな女の子とは付き合えず…涙。

部活は、美術部に所属していたのに

卒業アルバムの写真撮影で初めて参加したのが最初で最後。

本当にもったいないことをしてしまった。

一回でもいいから、行けばよかったと今思うと少し後悔。

もっと友達とも遊んでいたら、絵描きじゃなくて

普通に大学へ行って就職していたかもしれない。

そう思うと、ボクがこんなにもグレ始めたのは

中学校からなのかぁ、小学生の頃はみんながなにを考えて

どう思っていたのかなんて考えたこともなかったけど

中学生になると、他人からの見られ方が気になり

みんなのことを考えるようになりました。

なにを考えて、どう思っているの?

ボクとの違いはなんだろう

みんなにあって、ボクにないものはなんだろう。

そんな無駄なことばかり気になって考えて

意味のない3年間を過ごしてしまった。

そのおかげで、今があるんだけど…。

もがいて、もがいて、自分を見つけようと走った。

中学生編 最後まで読んでくれてありがとう。


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