緊急事態宣言中のボクのリリック

えもーしょん 大人篇 #34

緊急事態宣言中のボクのリリック

2016~/カイト・大人

Contributed by Kaito Fukui

People / 2020.06.11

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#34
「緊急事態宣言中のボクのリリック」
(2016~/カイト・大人)

締め切りが迫っていると言うのに

彼女が、ジェラートと

シュークリーム買ってきてくれた。

2人で食べながら、インスタグラムを

開いてしまい。

うっかり、時間が過ぎた。

時刻は、15:50。

締め切りまで、3時間10分だ。

原稿が残り2話分。

イラスト、5枚

4コマ5話分。

うーん。

もしかしたら、もしかしたら…

間に合…う…のか?

そんな事を思いながら

ポチポチ、原稿を書いている。

さて、ステイホームとか

ウイルスとか、もう散々。

テレビがない事が不幸中の幸い。

ワイドショーに惑わされる事なく

自分が集めた情報を

自分のフィルターを通して見つめて

行動が出来た。

それを誰かに押し付けることはなく

自分自身で判断して、責任を持って

行動が出来たはずだ。

緊急事態宣言中は

とにかく、周りの状況やら

この先のこととか、自分の事とか

とにかく、考える時間と

見つめ直す時間と、勉強する時間があった。

今日は、そんな日々の中で

ボクが、ふとメモに残した

特に意味のない言葉や、出来事や、考え事を

みんなには見せたいと思う。

では、どうぞ!

1.マジックアワーってなんですか? 好きな人と、ベッドで眠る瞬間、ボクは好きな人の顔やおでこをずっと見て、可愛いなぁって思いながら眠るんです。先に寝ないように、でも話すと起こしちゃうから、お互い、気を使ってなにも話さないんです。2人の呼吸だけが聞こえて、ボクが先に寝たか、君が先に寝たか、わからない、あの一瞬がマジックアワーです。

1.擦り切れるほど見たVHS、破けるほど読んだ本。

1.なにも考えず坂道を降りたいのに、ブレーキに手を掛ける自分がいる。

1.言わなくていいこと、すぐに、些細な事で、綺麗だね、足りないこともあるけど、君を連れて、苦しいね、壊れそうだね、淡々と過ぎていく、不安なまま、素直になれない、あの波はどこへ行くのか、そのままでいいよ、好きって言ってよ、抱きしめて、オーシャンビューのあの部屋で、シャワーに濡れる君、また会えるって言って、虹を見て、離れたくない、〜をゆこう、〜だから、何度でも、今までだってそうだったでしょう?、バスに飛び乗った、どこでもいい、こんなボクを、待てないよ、連れて行って、夢の中へ、そうでしょう?、そうだね、好きだよ、わたしも、ボクも、あわい、裸足で、夏へ、酔って、視線の先に、大丈夫、

1.いつだって、世界を救うのはメンヘラです。

1.7インチでしか聴けなかったあの人の声。

1.光化学スモッグ。

1.えもーしょんってもしかしたら、揺るがないものなのかもしれない。

1.今まで、どんどんどんどん、前へ前へ進んで追付け追い越せだったけど、今回で有名も無名も、お金持ちも貧乏も、みんなが一度止まったから、よおおおおおく、周りが見渡せることができた。そして、隙間を見つけたり、足りない物や見落としているものを見つけることができた、こんな大きな波は二度とない、自分がどうあるべきかとか、自分がこの世界でなにができて、必要なものはなにかとか、見つけるいい時間だった。これから、自分の中で疑問を生んで、自分の中で答えを出して、答え合わせだったり、正義とか悪とか、自分で判断して行くことが大切なんだと思った。世の中がどうとか、誰かが決めた正解とか、もうそういうのに従っている方が逆におかしいし、それだと、先に進めない。気がする。

1.自分の大切なものが、好きな人の大切なもので、君もそうだったの? うん、ボクもそうだよ。これが、幸せな世界かな。

いつになったら、サーフィン出来るかな。


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