ありがとう2023<br>こんにちは2024

the UNKNOWN #4

ありがとう2023
こんにちは2024

Contributed by Miyu Fukada

People / 2024.01.03

心の片隅でずっと恋焦がれていた場所、南米。その地に惹かれ続けた理由を確かめるべく、写真家Miyu Fukadaさんが再び当てもない旅に出た。はじめて訪れる地で過ごす、まだ誰も予測できない出来事をリアルタイムでお届け。

#4


12/25



今日はクリスマス 
昨日のローストチキンの残りで腹ごしらえをした。

ポカポカと暖かい。
天気がいいので(毎日いいけど)
近くの丘モンジュイックまでお散歩することにした。
行く途中にコーヒーと甘いものを買って。

クリスマスだけあって街は静か。
家族で歩いている人が多い。
お店はだいたい閉まっている。

さて2人で太陽を感じ 途中途中 
彼のスポットチェック(スケートの)に付き合いながら
カタルーニャ美術館の方まで上がってきた。

バルセロナオリンピック用に建てられたスタジアムがある。
FCバルセロナのホームであるカンプノウはリフォーム中らしく
どうやら代わりにここで試合をしているらしい。

その奥に不思議な形の電波塔みたいのがあって
2人でどっちが良い写真が撮れるかコンテストをすることにした。
光と影が良い感じになっているので今回はモノクロ写真のみ。
この勝手に2人でフォトコンテストはかれこれ第3回目の開催。

そうこうしているうちに大きな満月を発見。
月を追いかけながら丘を下って家へ帰った。





12/26



朝起きた。時間は9時すぎだっただろうか。
翻訳の残りの仕事を終わらせるべく作業に取り掛かる。
ポーカーのルールがわかってくると翻訳の元の動画を見ていても
なるほど〜と流れがわかって面白い。
それにしてもみんなポーカーフェイス。
すぐ表情が顔に出てしまう私にはやっぱ向いてないのかも(笑)。

彼がアップルパイを食べたいと数日呟いていたのでりんごとパイ生地をゲットしに
夕方外へでた。
なんかやけに静かだな。なんと今日まで祝日でスーパーもどこも全部しまっていた。
手提げ袋は家を出た時と同じまま何も買えずに帰ってきた。



12/27



クリスマスに向けて色々献立を考えていたせいか
起きたけど何を作りたいかさっぱりわからない。
月、火とスーパーが休みだったので今日こそはスーパーにいって
そこでアイデアを考えよう。

いつもの道を歩く。
なんか違う。
そうか、クリスマスが終わってポインセチアとかクリスマス商品が
軒先に並ばなくなったからだ。
クリスマスキャンペーンみたいな札はなくなって
クリスマスようにパッケージされた食べ物などがセールに出されている。

イルミネーションなどの装飾はそのままだけど。

結局スーパーに行っても作りたいもののアイデアが浮かばなくて
オーブンに入れればいいだけの野菜とソーセージを買って
帰ってきた。

そのあとすぐ家を後にして向かう先はバルセロナで毎回お世話になってる
写真屋さん
撮り終わったネガを現像に出しに向かった。
その場所までは徒歩49分。
街を観察しながら歩けばいいと思った。
でもポカポカ暑くて若干登りの道のりを行くのがめんどくさくなってしまって
3/1くらいのところで電車に乗ることにした。
駅に着いて10回分の回数券を買おうと券売機にカードを差し込み
待つこと数分。何も出てこない。画面は何も押せない。
別のことで券売機へきた駅員のおばちゃんは
おかしいわね
と言いながらリセットをトライしてみたが
うんともすんとも言わない。
これで何もならなかったら現金を返さなきゃね
とおばちゃん。
今度はどこかに電話、そして機械自体をシャットダウンしてもらったみたいだ。

結局最後に
処理がうまくいかなかったっていう報告はしたから
現金は返せないからそのうちカードにお金が戻るはず。

と、もう一枚回数券を買うことに。まあ、いいか。

写真屋さんに到着。

久しぶりにあう写真屋のおばちゃん。
現像したいフィルムを渡すと
封筒にフィルムを入れ名前を書きながら
「Miyu」よね?
と。
名前を覚えててくれたおばちゃん。このおばちゃんは本当に感じのいい人で
帰国が近いから急いでるんだけどどうしてもここの現像が良くてと伝えると
帰国日に間に合わせてくれたりと優しいのだ。

どうやらスキャナーが壊れているらしく
いつもより時間かかるけど大丈夫かしら? と聞かれ
今回は急いでないから大丈夫だよと伝えた。

そのまま今度は歩いてボルネまでお散歩。
彼のスケート姿を久しぶりに見に行ってみた。

今日の献立は鶏肉ときのこのクリームパスタ。





12/28



曇り。
バルセロナは本当に雨が少なくて曇りも少ない。
でも今日はどんぐもり。
空は灰色模様

朝起きるとあのブラジル人の友達 マリアナから連絡があった。
数日の間撮影をしようと話をしていたのだが、
昨日は昨日で急遽仕事に早くいかないといけなくなったらしく
ドタキャンの連絡があった。
今日は
やるよね?! との連絡だった。
外を見ると曇り。

うーーーん
曇りかあ。
あんなに毎日晴れていたのに
やろうという日になると曇り。
やる やらない やる? 明日にしよう
やっぱやろう やっぱやめよう
とか何回も行ったり来たりして今日やることになった。

今日やりたかったのはもう来週は来年だし
ブラジルまであと1週間ちょっとで
最後の週の予定はなるべく空けときたく
このプロジェクトは一旦終わりにしたかったというのもある。

たまに出てくる太陽を頼りに無事撮影は終了。
さあ、どんな写真かはお楽しみ。

撮影終わって家にいると
昨日現像に出した写真がメールで送られてきた。

壊れてるから5日くらいかかるって言ってたのに
早い!

送られてきた写真をみて嬉しくなった。

この感覚が好きなんだ。

そして今夜は
彼がここ数週間一緒に撮影していたフランス人の友達Maxのビデオの試写会の日。

夜21時に指定の場所へ行った。
10分前なのにあたりはスケーターだらけ
時間守れるんだ! と驚き。


最近 彼が
全然起きないなあと言っている先の
連絡をなかなか返さない友達がmaxで
自分でさえ10時くらいまで余裕で寝てるのにそれより上をいく強者がいて
13:30くらいにやっと起きるスケーターだった。
彼にMaxの話を聞くと試写会である今日の3日前に
この会場の映画館を確保したらしい。

1時間だけ借りれる映画館。
素敵。
自分で作った映像をこんな大画面でみんなで鑑賞するなんて
素敵。

私も
ギャラリーとか
みんなが自分の作品や何かを
展示する場所を作りたい
いつしか頭の片隅に忘れていた夢を思い出した夜だった。
10年以内に実現したいな。

また新しい目標ができた!





12/29



ラフランスを初めて自分の口に紹介したのは
記憶の限りでは今年の11月10日に彼の実家へ初訪問した時だった。
何の話の流れだったかは忘れたが、
おばあちゃんが私は年寄りだからもう用無しなのというと
彼のお母さんが 
あ、そうだ 洋梨あるの忘れてた!
と、言って大爆笑してしまった。
という前置きはおいといて、洋梨ことラフランスの味を知ったのは
その時だった。
なしは硬いイメージがあったのに洋梨ときたら
口の中でとろけていく。

そういう初対面をしたんだけど
日本だと洋梨は高いのでなかなか買えないなとか思っていた。

そうだバルセロナにあるからあっちで買おうと
思って買ったのは確か先週。
買ったのが初めてで食べごろも何も選ぶポイントも
調べずに買ってまだ緑すぎて違うなと思いながら5日前くらいに
食べごろを調べて布団の中で温めたりとかしながら
熟すのを待ってみた。もうそろそろいいだろうと
我慢できなくなってやく1ヶ月ぶりの再会を果たした今日。
食べるとチュルッっと入っていき
じゅわ〜と溶けて消えていく。
皮を剥くのもりんごよりニュルっとすぐ剥けるし
なんと言っても水分が多くてとろける食感が最高。

りんご推しの彼にもラフランスを紹介。
実家に行った時には食べてなかったらしく
今日が初対面。

「ええええ!!!」

食べた瞬間驚愕の声

「ほら 言ったじゃん!」

と私

しばらく洋梨に用ありそう。



12/30



2日ぶりに晴れた。
9時すぎには起きて洗濯機を回す。
まだ日の出は8:20ごろで9時でもまだやっと明るくなったくらいだ。

今日は以前から行ってみたかった
市場での朝ごはん。
バルセロナにはエリアそれぞれに大きな市場が存在してそこで
朝ごはんを食べる。
これはインドネシアとかカンボジアで経験したようなことと同じ
食べ物ともちろん市場の見た目は全く違うけど。
8時からやってる市場で買い物のついでに
コーヒーを飲んで軽く食べたりできるようになっている。
でもお客さんはもっぱら地元のおじいちゃん、おばあちゃんで
若い人はなかなか見かけない。

10時すぎに市場についた。
満席。
年末ということもありNEW YEARのための
買い出しのおじいちゃんおばあちゃんで大賑わい。
とりあえず先に
いつも魚介を買う魚屋さんの番号札をゲットした。
もらった番号は73番 
現在の順番はまだ45
これなら朝ごはんを食べてからで大丈夫そうだ。
クリスマスの頃から店頭に並ぶ海老が多いなと思ってたけど
正月前になるとさらに海老の種類と量が増えていた。
魚屋の前は赤い海老でいっぱい。
ザリガニみたいなのもあるし、伊勢海老もあるし
みたことのない海老もある。

さて朝ごはん屋さんのメニューに目をやると
全部カタラン語でなんとなーくわかるくらいだった。
彼は朝からガッツリ食べるので色々のってそうなプレートと
私はTortilla de patatas (スペイン風オムレツ)
そしてコーヒー

Tortillaが運ばれてきてその大きさにびっくり。
なんならpan con tomate (パンにトマトをギャッっと塗ってオリーブオイルをかけたやつ)
も一緒に乗ってきてそれはそれでボリューミー

お腹いっぱいになって行きつけの魚屋に戻るとそろそろ順番
結果2時間くらい滞在して家へ帰ってきた。
そうだった。洗濯機回してたのすっかり忘れてた。
部屋と洗面所、キッチンの掃除をすると
ナチャから連絡があった。

「今晩みんなで集まろうよ!」

いわゆる女子会
ということで夜ご飯はパス。
スケート帰りの彼の1人夜ご飯、
あの家の近くのドミニカ料理屋へ行くのに付き合った。
Empanada を1/2食べてビールを2杯

その後ナチャとコティと合流した。

手始めにCavaで乾杯をして注文した。

食べたのは
ピンチョスと
オリーブ
(緑色のオリーブがナッツベースのトマトの入ったオレンジ色のソースに絡められて美味しかった)
きのこと目玉焼きののったフライドポテトXL
なんとデザートまで
りんご丸ごとをラムで
煮た後にオーブンで焼いた感じのやつ(クリーム付き)
全部うーーーまかったーーー

コティはグルテンフリーのケーキ屋さんを妹とやっているんだけど
グラシアにお店をオープンすることが決まって
それをみんなで祝うための集まりだったらしい。(現地で聞かされた(笑))
そしてお決まりの恋バナ
今年コティは5年ほど付き合っていた彼と別れ
それのおかげで色々うまく進むようになったと

とりあえず 私たち3人の人生が良い方向に向いていることに
幸せを感じながら久しぶりの女子会

楽しかったーーーー!





12/31



大晦日
午前中から家の掃除
モップをかけて綺麗さっぱり 

そしてまたモンジュイックまで山散歩 
2時間くらいあるいたかな

バルセロナはなんて住みやすい街なんだろうと
2人で話す。

海 山 全部あって電車もあって車がなくても特に不便なく生活できて 
食材も色々揃うし

そんなバルセロナに何度も訪れることができて幸せだ


モンジュイックからの帰り道
綺麗な空を見上げながら
やりたいことしかやってこなかった今
本当に良い年だったなと自分の頭の中で今年一年の
出来事を思い出しながら
幸せを噛み締めた。
家に帰って大晦日のディナーの準備
今晩は、
ムール貝のワイン蒸し
ブラタ
ししとう

どれも簡単だけどお店で食べたら40€はするだろう。

ムール貝は残りの出汁でリゾットにしてしめ

23:45になると外で花火の音
テラスに出て花火を眺める。

日本にはない綺麗な紫色の花火があって可愛かった


特に何もなく無事に時計は0:00を過ぎた。

明けましておめでとうございます!


さて
来週はブラジルだ!!





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