わかったつもり

Miyu Fukadaのわくわく脳内日記 #63

わかったつもり

Contributed by Miyu Fukada

People / 2023.02.06

バルセロナから帰国し自身のアーカイブを目の当たりにして、次へのステップがフツフツと湧いてきた写真家Miyu Fukadaさん。納得の行く選択をし人生を選ぶ、彼女の脳内日記をお届け。

#63

最近養老先生がテレビに出ていてテレビなんて滅多にみないのだけど
それは流石にみてしまった。

人間が都会に住んで土や虫と離れて暮らしているということはとても不自然だと言っていた。

確かに私が展示のアイデアが浮かぶ場所は
海の上だったり
山の中だったり
星空を眺めながらだったりと
自然に身を置いてなにも考えてない時に降ってきたりする。


撮影の合間①


太陽を浴びて気持ちが良いと感じている時に
フッと
湧いてくるもの。

都会の雑踏にもまれている時には浮かばないのだ。

仕事の現場に向かう時に朝早い電車に
たまに乗ることがあるんだけど

電車に乗っている人の9割は
眉間にしわがよっている。

そしてぶつかった人や
自分の気に食わないことをしてきた人をにらみつける。

鏡をぶら下げて電車に乗ってみようかなと
思うほどみんなすごい険悪な顔をしている。

電車の空気が悪い。

なので電車ではだいたい本を読むようにしている。

そんな世界からほんの少しだけ 
本の世界に現実逃避するんだ。


撮影の合間②


中学か高校の時から本の存在は知っていたけど読もうと思わなかった養老先生の
「バカの壁」

大人になって読んでみると話がすんなり入ってくる。


先生が本に書いていたように
私はみんな「わかった」気でいる。


20歳くらいから旅を繰り返してきて思うのは
世界は広いということ。
どんなにSNSが世界を狭く感じさせてくれても
世界は前も今もこれからもずっと広い。

そして旅は毎回違う。


旅は、私にとって
旅を「わかった」つもりでいる自分を
旅につきものなハプニングを通して
全部を「わかる」ことなんてないんだ
思い知らされることと、それでいて
それに大きな動揺なくなんなくこなす自分がいるのを
確認できるもの。

また早くワクワクする旅に出たいな!


撮影の合間③




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