えもーしょん 高校生篇 #50
アートが好きだ
2013〜2016/カイト・高校生
Contributed by Kaito Fukui
People / 2020.09.11
小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!
#50
「アートが好きだ」
(2013〜2016/カイト・高校生)
自分の、画力にガッカリして
枕を濡らしたって
もう、しょうがないから出来るだけ前を向いて歩いて行くことにした。
みんなが描けるミッキーもドラえもんも。
ボクはまったく描けないし
タイポグラフィ1つ仕上げる忍耐力もない。
というか、1時間も椅子に座っているのが難しい。
それでも、ボクは
アートが好きだから、作り続けるしかない。
なにかを作っている時。
なにかを作ろうと考えている時。
なにか光が差し込んで閃いた時。
ボクが、1番ボクらしいと思える瞬間だからだ。
自分の本当の笑顔は自分しか知らない。
自分らしさを自分自身で理解することは
とっても難しい。
環境が変わると、変化に対応して
自分らしさも少しずつ変化していくから。
それでも、どんな時でも
どんな場面でも環境でも
自分らしさと変わらず出会えるのが
ボクにとっては、アートだった。
ボクにとって、アートは
サーフィンも中に入っている。
ボクが、アウトへパドルする姿はきっと
誰よりもボクだ。
うねりを抜け、海を動かして
テイクオフしたその瞬間から、ボクの
クリエイティブが始まる。
メンツルの三角の波はどうラインを描こうか
横に張ったのならば、カービングもいい
ひたすらに走り抜けるのもいい。
テイクオフまでの本の0.1秒
ボトムからトップまで上がる本の一瞬のクリエイティブがあるからだ。
イラストレーションは、不思議。
ボクには出来ることとできないことがあるはずなのに
タブレットがやってきたことによって
キャンバスの上では決してできないことが可能になった。
しかし、ここにはとてつもない葛藤がある。
それは、あまりにも
殺伐としているということ。
キャンバスに描いたボクの絵は
例えボクが死んだとしても
大災害によって、流されたとしても
燃えない限りきっと、その存在は
確かにこの世界に存在し続けることができるが
デジタルの物は、どうだろう
水に濡れて、ログインできなくなったら
ハッキングされ、削除されたら。
なにが残るだろうか。
タブレットで作る
一瞬のグラデーションは、ボクにとって
技術といえるだろうか。
こうして心の中の自分と会話を出来るから
ボクは、アートが好きだ。
絶対絶えることのない文化と
尽きることのない知識に技法があるから。
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Kaito Fukui
1997年 東京都出身 幼少期から波と戯れ、サーフィン、スケートボード、恋に青春。 あの時、あの頃の機微を紡ぐように幾層ものレイヤー重ね描き、未来を視る。 美化されたり、湾曲、誇張される記憶を優しく繊細な浮遊感で!