コンビニ 完全制覇 中

えもーしょん 大人篇 #17

コンビニ 完全制覇 中

2016~/カイト・大人

Contributed by Kaito Fukui

People / mar.18.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#17
「コンビニ 完全制覇 中」
(2016~/カイト・大人)

中学校卒業間近のある日

ボクは、1番の理解者である

学年主年の先生に呼び出された。

そして、いつもの

床が綺麗なのに、ベトベトの

ラーメン屋さんへ、行くことに。

「それでな」

と、先生

「うん」

と、水を飲むボク

「かいと、高校はどうするんだ?」

「うーん、行かなくてもいいかなぁ」

「うん、それもいいんだが。先生的には行って欲しいんだ」

「今みたいに、たまーに行くでもいいからさ」

「そんなこと、出来るの?」

「まぁ、なんとかなるよ。かいとなら」

「うーん、でも今から受験勉強って…」

「それは、大丈夫。面接だけでいいってさ」

「だから、どうだ?行かないか?」

と、ずいぶんボクの将来を

心配した、先生がどうやら

色々と、根回しをしてくれていたようだ。

田舎あるあるなのだろうか。

ペト、ペト、とおばちゃんが

唐揚げ定食を持ってやってくる。

「はい、唐揚げ定食です。」

と、唐揚げの乗ったお皿

ご飯、お味噌汁

を1つずつ置いていく

「あ」

と、ものすごく小さな声が

聞こえた。

ボクは、必死に笑いを堪えるので

精一杯だった。

そう、おばちゃんの指が

お味噌汁をテーブルに置く際に

入ってしまっていたのだ。

かわいそうに…

何も、気にせず

おばちゃんが戻り

今度は、ボクのレバニラ定食を持って

こちらにやってくる

どこからか

「入れ!入れ!」

と、聞こえた気がした。

「はーい、おまちどうさま〜」

と、レバニラが乗ったお皿

ご飯、お味噌汁の順に

テーブルに置く。

ふぅ〜

おばちゃんの震える指先は

ギリ、ギリ、お味噌汁に

入ることはなかった。

ボクは、クスっと笑い

お味噌汁を飲んでこう言った

「行くよ、高校。」

「彼女出来るかな。」

と。

「彼女なんて、いつでも出来るよ」

と、先生がお味噌汁を飲んで言った

「でも、高校に入っても目標がないから辞めてしまいそうだ。」

と、ボク

少し、沈黙して

「じゃあ、コンビニ完全制覇。はどうだ?」

と、先生が言った。

「え?なにそれ」

「先生の、高校入学当初の夢だった、コンビニ完全制覇。」

「大手のコンビニ全てでアルバイトするんだよ。」

と、なんだが自慢げに話してくるが

全く、面白くない。

と、言うよりも

意味がわからない。

しかし、なんだが

ずいぶん、楽しそうに

話してくれるものだから

つい、聞き入ってしまい

店を出る頃には

約束までしてしまった。

まったく。

続く


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