出版社の日常-#2

魅力あふれる名書店3選

Photo & Text: TWO VIRGINS

People / 2018.07.27

“皆さまのライフスタイルにちょこっと混ぜていただきたい出版社”トゥーヴァージンズが、出版社ならではの視点で切り取った本のこと、書店のこと、出版業界のことをあれこれと綴るこの連載。
第二回は全国にある魅力的な書店をご紹介。

出版不況と言われ早10年以上…全国46都道府県の内420の自治体で、地域に1店舗も書店がないという状況になっています。人口減やネット書店など様々な理由はあるにせよ、出版社、出版業界にとって書店が減るということは喜ばしいことではありません。

あまりにも一般的になりすぎて普段は気になっていない方も多いと思いますが、街の書店で本を買う時、その本は日本全国どこで買っても同じ値段ではないでしょうか? それは他の業界や小売業ではありえない、出版業界特有のものなんです。実はメーカーである出版社が定めた販売価格を守らなければならないルール、「再販売価格維持制度」です。
隣の新しい書店はオープニングセールで雑誌が安いとか、2冊買うと10%OFFとか、そんなことは基本的にはできない決まりになっています。

文化の発信である本や雑誌は、地域格差をなくして読者が均等に本に触れる機会をつくるため、そして出版社の自由な活動が守られ多種多様な出版物が供給されるために「再販売価格維持制度」が認められています。

全国どこでも同じ値段だからこそ、自分の好みとマッチしたり、居心地のよい書店を見つけて本を買ってほしい、というのが我々の願いのひとつです。
そこで今回は、全国にたくさんある魅力的な書店のうち特におすすめの3店舗をご紹介。
(一つは閉店してしまっていますが、あまりにも魅力的なのでそれでも紹介させていただきます!)

①東京都町田市「久美堂本町田店」
(写真提供:久美堂本町田店)

日本で唯一「マガジンドライブスルー」がある本屋さん。
雨の日は車の中から漫画『ワンピース』の新刊が買えてしまいます。
アメリカンでまさに“Containerライク”な書店です。

②京都府京都市「ミシマ社の本屋さん」

住宅街の砂利道を越えるとあるミシマ社の本屋さん

京都は丸太町神宮の路地裏に佇むおしゃれ出版社・ミシマ社が運営する本屋さん。これぞ地産地消。
原則、毎週金曜日限定で開店。
同社の本に限らず、Tシャツやバッグなどの雑貨も揃っている。


ミシマ社の本屋さんの前でポーズをとるミシマ社のWさん

③栃木県小山市「進駸堂中久喜本店」(2017年7月に閉店)

小山市の伝説的な本屋さん。

SF、アメコミ、アウトドア、人文社会に造詣が深く、まさに読者を育てる棚づくり。
2017年7月2日に惜しまれつつも閉店…。

フェアがいつも楽しかった進駸堂中久喜本店さん


閉店の際は全国のアメコミファンが嘆いた「アメコミコーナー」


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