メンヘラ・カウンセラー

えもーしょん 中学生篇 #53

メンヘラ・カウンセラー

2010〜2013/カイト・中学生

Contributed by Kaito Fukui

People / sep.30.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#53
「メンヘラ・カウンセラー」
(2010〜2013/カイト・中学生)

漫画禁止令が発令されてから1ヶ月

ボクは負けることはなかった。

密かに続けているチャクラを手のひらで練る修行は

だんだんと成果を出し始めていた。

集中して、チャクラを練り

ハッ!!!!!!!と

押し出せば、なんか出たような気がするほどに。

堤防からダイブした

「かいとが狂った事件」

あれ以来、堤防には「飛び込み禁止令、遊泳禁止」

と、看板が立てられた。

この噂は学校にも広がり、担任の先生にも

こっ酷く叱られた。

「でも、でも」を連呼していると

バン!「でもじゃない!」と体育の先生、学年主任の先生までやってきて

ここで初めて、「ちょっとやばいかも?」と自覚した

それから、2週間に1回学校にやってくる

カウンセラーの先生に会うことになった。

ちょい美人の先生は、保健室にいた。

薬品臭い保健室が似合う先生は、この人以外

今までにも見たことがない。

が、残念なことに先生もオタクだった。

どうやら、先生はメンヘラらしい

そして闇が深いから、漫画の世界に逃げてしまう。とボクにいった

だから、ボクの辛いと思うことを話し合おう。

そういう、作戦らしいが

「先生、本当にすみません。何も辛くないです」

「そんなことないでしょう?なんでもいいのよ?」

先生はしつこい

「本当に何もないんだけどなぁ」

「本当にないの?」

「うーん、なんかあるかなぁ」

そう言って、真剣に悩んでいると

鼻水をすする音が聞こえた

顔を上げると、先生は泣いていた。

「先生!大丈夫ですか!?」

「どうしよう、涙が止まらないの。」

「め、メンヘラが爆発したんですか!?」

「そんなこと言わないで!私はメンヘラじゃない!ワーーーーン!」

と泣き始めた

「え、でもさっき自分でメンヘラって言ったじゃやないですか!」

「そんなこと言ってない!ワーーーーン!」

「もうめんどくさくなったので帰ります!」

と、先生に伝えると

「待って!!!行かないで!」

と、鼻水をを垂らしながら追いかけてくる

その姿はまるで、ゾンビと山姥のよう

「ぎゃあああああああああああああああ!」

ボクは校内を走り回った

廊下を走り、階段を駆け上り、そして走った

校庭まで走った、もうここまで来たら大丈夫だろ。

安心して、後ろを振り向くと

こちらに向かってまだ追いかけてくる

「もう、もう無理いいいいいいいい!」

そう叫んでいたら、いつも大っ嫌いな

体育の先生がカウンセラーの先生にタックル!

「福井いいいい!大丈夫かぁ!!!」

「は、はい!」

あんなにかっこいい大人の背中をボクは初めて見た

いつも、BーBOYのような格好をしている先生に

「ダサい」と言ったことを初めて後悔した。

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