17回告白の恋。出会い編

えもーしょん 高校生篇 #3

17回告白の恋。出会い編

2013〜2016/カイト・高校生

Contributed by Kaito Fukui

People / dec.18.2019

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#3
「17回告白の恋。出会い篇」
(2013〜2016/カイト・高校生)

あぁ、なんかちょっと…。

朝7:00

目がさめると、何かが違う

素直に、起き上がる事が出来ない。

気のせいか、羞恥心を感じて…。

いつも以上に
ボクのボクが元気だ。

このまま、ベッドから出るか…

治るまで待つか…

深呼吸。

……………。

ダメだな。

窓の外は、いい天気。

太陽の光が、差し込み

ボクの股間を照らす。

どこまでも高い、青い、空。

高く、高く、高く、続く、青い空と
ともに…。

ようやく、治り

朝シャンへ向かう。

お風呂いっぱいに広がる湯気。

曇った、鏡越しにボクのボクが見える。

なんだか、少し大人になった。

肩にシャワーを当てながら

ただ、1点を見つめていた。

のぼせ始めたところで

お風呂からあがる。

まだ少し寝ぼけた頭と
この出来事を誰かに話したくなり

珍しく学校へ行きたくなった。

埃まみれの、制服に着替え

ボク「ちょっと、学校行ってくる〜」

と、玄関からリビングへ

「え!!!!!!!!!???」

リビングから、びっくりした声が聞こえる。

ふふっと、ドヤ顔で玄関を出る。

愛車のモペッドにまたがり
一応、通学だからと気を使い
法定速度を守って学校へ向かう。

学校へバイクで行くのは
ボクか、3年生のクソヤンキーだけだ。

ボクのバイクが可愛いから
あまり先生から文句を言われない。

学校に到着すると
そこは、やはり
なんとも言えない、暗い雰囲気の建物だ。

空は青く、これでもかと言うほどに
晴れているのに。

教室に入ると、みんな顔が死んでいる。

やっすい、チョークの匂い

ヤンキーのダサい香水の匂い

今にも
鼻も心も折れそうだ。

自分の席に座り

渡された
プリントを後ろに回す…。

その時!!! 一瞬、見えた。

この、くすんだ空間の中に
映画のようにスローに何よりも光っていた。

すかさず、二度見をする。

次は、普通だ。

彼女の名前はアンナちゃん。

背が高く、小さい顔、色白で、足も細い。

何より、顔がタイプだ。

チューしたい。

焦る気持ちを抑え

休み時間

ボク「ごめん、突然だけど彼氏いる?」

教室で絶対聞かないであろう
言葉に、周りがざわつく。

遠くで、こうやが爆笑している。

少し、びっくりした様子のアンナ。

かわいい。

アンナ「いないよ……」

ボク「今日、終わったら映画見に行かない?」

アンナ「今日は、部活なの」

ボク「なに部なの?」

アンナ「美術部」

ボク「おけ、ボク今日美術部入るから一緒に絵を描こう」

突然の入部希望者に笑うアンナ。

すぐに、美術室へ連れて行ってもらう。

2人で廊下を歩き向かう。

アンナの揺れるポニーテール。

イソップのハンドクリームの香り。

多分、気を使って
たまにボクを見てにこりと笑う。

この瞬間がボクは幸せだ。

階段を上る。

「どうか、パンツ見えてくれ!!!!!」

と心で願うも

バレバレなボク。

「先に上って」とアンナ。

そうだよね。

美術室に着くと

スキンヘッドに長い髭の

今にも倒れそうな程に痩せた

おじさんが居た。

彼の名は森。

普段は画家として活動している
美術の授業の日だけ来る教員だ。

森「やっと、会えたねかいとくん」

どうやら、ボクを知っているらしい。

ボク「綺麗な頭ですね」

森「入部してくれるって聞いたよ。急にどうしたの?」

ボク「恋をしました」

笑う、森とアンナ

無事、入部をキメて

教室に戻る。

ボクは、我慢出来ず

階段の踊り場でついに告白する。

ボク「アンナ、ボクとお付き合いしてください」

アンナ「まだ、早くない?!」

ボク「そっか。ごめん」

こうして、史上最高、17回告白の恋が始まった。

続く。

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