北と南が繋がる旅

Miyu Fukadaのわくわく脳内日記 #13

北と南が繋がる旅

Contributed by Miyu Fukada

People / 2022.01.17

バルセロナから帰国し自身のアーカイブを目の当たりにして、次へのステップがフツフツと湧いてきた写真家Miyu Fukadaさん。納得の行く選択をし人生を選ぶ、彼女の脳内日記をお届け。

#13

火曜の昼過ぎ私は沖縄にいた。



同じ場所に半年いるとやっぱり外に出たくなってしまう。

環境が同じところにずっといてもアイデアが湧いてこないし
スッキリしない。

やっぱり旅が好きみたいだ。

住んでる逗子は別に何も悪くない。

ただただ
見たことのない景色や
会ったことのない人
何か新しい発見が欲しい

ただそれだけ。

サーフィンをするつもりはなかったんだけど、
と言うのも展示の準備から考えると2ヶ月駆け巡って
本当にぼーっとゆっくりしようと
かなり田舎の今帰仁へ行った。

結局水曜、木曜と友達のいる南部まで往復160キロほど運転して波乗りに行った。

遠くに見える波の筋。あそこまでパドルして波に乗る。



水は全然冷たくなくて天国だった!
やっぱり海に浮かんでる時が本当に癒される。

頭の中でぐるぐるしていたこともいつしか忘れ
この地球を全身で感じる至福の時間だった。

どんよりな沖縄が続いた。



金曜日の夕方帰るはずだった。
でも、peachから連絡があり飛行機が2時間遅延していると言う。
これで帰ると成田からの終電に間に合わない。

延泊することにした。

逗子から沖縄に移住した家族が営む波羅蜜。今まで食べたショートケーキで一番美味しかった。



金曜は今帰仁周辺、北部を色々回ることにした。



フィンとマスクを持ってきたけど、気温がそこまで上がらないしピーカンにはならなかったのでシュノーケルはオアヅケ。

土曜日の朝、やっっと晴れた!



晴れるとヴィラの中からはこんな景色。



20代前半によく東京で一緒に遊んだり飲んだりしていた友達が友達夫婦が経営しているヴィラ。
ぜひ泊ってみて欲しい!

https://www.shinminka-villa.com

朝起きてパンツ一丁で
大好きなパッションフルーツとバナナを入れて(氷がなかったのでまだ食べていなかったパルムの外側のチョコをお湯で溶かしてバニラアイスを入れたw)
スムージーを作った。
ヨガをして
コーヒー豆を引いて、コーヒーを淹れて
帰る前のゆっくりな時間。

大好きなパッションフルーツ。



一息。



沖縄にリフレッシュしにきたと言うのに
頭はズーーーっと
色んなことがぐるぐるしていて
イライラしたり、悲しかったり寂しかったり
いろんな感情がこれでもかと言うくらい自分に襲いかかってきて
毎日毎日コロコロ変わるのでいい加減自分に疲れていた。笑

そんな気を紛らわすために読書をしたくて、
たまたま波羅蜜で手に取った本を、読み終わらなかったので
また7月に来ますと約束して、借りることにした。

最終日、波羅蜜に行くと入り口で挨拶したカフェの猫がいつの間にか膝の上に乗ってきた。



根本キコさんの作る美味しいカレー。初めて食べる味。思わずレシピ本を買った。



帰りの飛行機の2時間あまり、その本をズーーーーーっと読んでいた。

星野道夫が日刊朝日に連載していたコラムをまとめたアラスカの日々の本だった。

アラスカがアメリカの資本主義によって変わりゆく最中にいた星野さんの描写が
これから変わろうとしている沖縄の北部の状況と重なった。

私たちの幸せってなんなんだろう。
お金があれば自由が手にできる。
お金がなくても自由を感じることができる。
お金があっても感じられない幸せはある。

そんなことが頭をぐるぐるし、
私はとりあえず今の私の結論に達した。

今はお金が欲しい。
お金をもっと稼いで移動の自由が必要だ。

本の一番最後に、
星野道夫が大好きだったと言う沖縄の昔から伝わる歌を歌う人の話が書いてあった。

読み終わる頃、タイミングを合わせるかのように飛行機が着陸した。
一つの旅が終わった。


南の島で私がふと手に取ったアラスカの物語に
まさか沖縄の文字が出てくるとは思ってもいなかった。

星野道夫は沖縄の海で潜るのが好きだったらしい。
また戻ってくると心に決めて北の大地へと旅に出た後、熊に食べられて一生を終えた。

アラスカなんて行ったこともないし、星野道夫にも会ったことはないけれど
何か見えない繋がりを感じた。

沖縄に来てよかった。

沖縄に行ったら、ぜひ波羅蜜へ行ってみて欲しい。
https://www.instagram.com/paramitajunji/

あなたに必要な一冊が見つかるかも?!
っていっても、図書館ではないw 素敵な時間が流れる美味しいお店です。
ぜひに。

次は写真展で戻ってくるね!
ありがとう、沖縄!


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