焼き芋食べよう

えもーしょん 小学生篇 #62

焼き芋食べよう

2003〜2010/カイト・小学生

Contributed by Kaito Fukui

People / nov.17.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#62
「焼き芋食べよう」
(2003〜2010/カイト・小学生)

ボクが今まで見たこともないくらい

究極のミニマリズムの生活を送っているトモ君。

(トモ君の家庭については昨日の「焼き芋」を見てね)

ボクらは、明日学校で焼き芋をするけど

そのサツマイモは、学校が用意するんじゃなくて

ボクらで用意しなくてはならなかった。

大体、ボクがいつも遊んだり学校の班を作る時は

心優しきカビゴンのり君とトモ君とボクの3人。

トモ君にお小遣いがないことは、もうわかりきっているので

ボクとのり君は300円を持って、トモ君の家の一階の八百屋さんに集合することにした。

ボクより家が近いのり君は、やっぱり先に着いていて

1番大きいサツマイモがどれか選んでいるのは

遠くからでもわかった。

自転車に乗って、のり君のもとへ向かう途中

ボクは、のり君の考えていることがテレパシーで伝わって来た。

恐らく、彼はもう大体大きいサツマイモをピックアップし終わり

今彼は「うーーーん、どの形がいいかなぁ」か「軽いけど長いのか、小さいけど重いのか」

どっち? と、考えているに違いない。

彼の声がそのまま聞こえて来る。

ボクは、「のりー」と言い

自転車を止めた。

彼は両手にサツマイモを持って

「どっち?」と言った。

やっぱりボクが考えていた通り

重いか軽いか、長いか短いかで彼は必死に悩んでいたんだ。

そこにボクが現れたことによって

さらに、最近習った「平均」という選択肢が追加された。

のり君は「まじかよー」と笑った。

顔見知りの八百屋さんのおじいちゃんがきっとなにかを察し

「どれでも200円でいいよ」と言ってくれた。

ボクとのり君は一つ200円だとばかり思っていたから

自分たちと、トモ君の分が買えるように300円持って来たけど

ここで初めて、「量り売り」を知った。

そうして、長いか短いかよりも

重いか軽いか問題の方が重要だと知ったボクとのり君は

手当たり次第、測りにサツマイモを乗せ

ベスト3を選び、ドヤ顔でトモ君のもとへ向かった。

「トモー、これで明日焼くぞー」とのり君は一つ渡し

ボクとのり君の放課後ミッションは完了。

このまま、トモ君の家で遊びたいけど

本当に、なーんにもないのでボクらはいつも通り解散した。

続く。


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