インフルエンザウルス。

えもーしょん 小学生篇 #17

インフルエンザウルス。

2003〜2010/カイト・小学生

Contributed by Kaito Fukui

People / feb.26.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#17 「インフルエンザウルス」
(2003〜2010/カイト・小学生)

素敵な、夏休みになる!

ハズだった…。


次の日の、朝

「海行くぞー!」

と、パパが起こしに来た

「はーい」

と、寝ぼけながら

ベッドを出る

ん?????

なんか、腰に違和感が

変な寝方をしたのか。

と、それほど

気にはしていない。

海パンに着替え

ボードを持って

家を出る

朝から、物凄く暑い日だ

道路の、マンホールで

目玉焼きが作れそうな、ほど。

海には、海水浴に来ている

家族が、沢山

波打ち際からは、

「きゃー!きゃー!」と

夏の音がする。

砂浜には、沢山のテントが

BBQを楽しむ人も

ビーサンを置いて

ストレッチをしていると

やっぱり、違和感がある。

暑い、暑い、物凄く暑い

けれど、ずっと寒い。

鳥肌が止まらない。

なんだこれ

海の水が冷たいせいで

冷気が、こっちに

吹いている。

それしか、ボクには

考えられない。

リーシュをつけて、海に入る

が、やっぱり

風邪っぽい。

なんか、熱?

うっそ、熱???

夏休みに???

熱!!!???

「ちょっと、むり」

そう言って、ボクは1人

家に帰る。

海から上がり

キャッキャキャッキャ

キラキラ、光る。

海と、ビキニの女の子を横目に

歩く…

BBQと、酔っ払いを横目に

歩く…

浮き輪をはめて

海なのにゴーグルをつけ

楽しそうに向かう、同級生を

無視して、とにかく


歩く…


ボクは


歩く…


早く…


歩く…


とにかく…


歩く…


テクテク…


歩く…


家に着く頃には、死んでいるかもしれない。


そう、思ったのは

家の駐車場

50m 手前

ここで、死ぬのか…

犬のうんこの前で

死ぬのか…

死ぬもんか…!


!!!!!!!!


記憶はない。

何も、ない。

冷たい、シャワー

高く、青い空

それに

冷たい、シャワー

ここは、滝か…?

ぶはぁ!!!

ちげーわ。

どうやら

家には着いたようだ。

それにしても

具合が悪い。

腰が、痛い…?

わけじゃない。

肘とか、膝とか

背骨とか

痛い、わけじゃない。

寒い、わけじゃない。

本当に、ボクは

死んでしまうかもしれない。

走馬灯を編集しなくちゃ

良い思い出だけ

良い思い出だけ。

好きな子と、手も繋いでないし

キスもしてないけれど

した事にする。

エッチもまだだけど

した事にする。

それから、学校では

スーパースターだった。

なぜって

空を飛べたし

壁も通り抜けられたから

それに、魔法も使えた。

たまたま、校庭に落ちていた

枝を振ってみた

そうしたら、緑色の

ビームが飛び出して

友達が、カエルになったりもした。

もう、無理だ。

頑張った。

頭が、クラクラする

とにかく、着替えて

ママに言おう。

とにかく…

とにかく…

と、力を振り絞り

階段を登る。

途中のカーブで

ひと休み。

眠ってしまいそうだ。

眠って、そのまま

死んでしまいそうだ。

ダメだ。

頑張れ

と、登る。

一段、

また

一段、登る。

ついに

リビングまで、やってきた。

「お帰り〜」

と、ママが言った。

ボクは、何も言わずに

ソファに倒れ込んだ。

天井が見える。

ゆっくり、動いている。

凄い。

遂に、空間までも

操作できるようになったのか

このタイミングで…?

と、思った。

しかし、息をしている感覚がない。

物凄く、浅い。

虫の息。

とは、この事か。

「ちょっと!!!大丈夫!!!!???」

よかった…

と、深い眠りにつく。

続く。

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