えもい、青春。

えもーしょん 高校生篇 #1

えもい、青春。

2013〜2016/カイト・高校生

Contributed by Kaito Fukui

People / dec.16.2019

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#1
「えもい、青春」
(2013〜2016/カイト・高校生)

トゥートゥートゥー
トゥートゥートゥトゥトゥトゥ
トゥートゥートゥー
トゥートゥートゥートゥトゥトゥトゥ

12月にしては少し暖かい、昼下がり。
それでも
太陽の温もりは、無いけれど
君ががくれた、マフラーに包まれながら
君と手を繋いで歌い歩く
期末テスト後の帰り道。

期末テストからの、解放感。

揺れるポニーテール
イソップのハンドクリームの香り
真っ白で、整った顔
スカートから見える綺麗な脚
ボクは
パンツ見えるかな。何て
歌いながら、考えていた。

ボクが、脚ばかり見ているから

「テスト、どうだった?」と
突然、君が言う

「いい絵が描けたよ。」と
ボク。

「公式あんなに教えたのに……。」

高校に入学して、すぐに付き合った
彼女のアンナ。
彼女は、同い年で部活は美術部。
絵は勿論、クラスで1番頭が良いし
学校で1番可愛くて、女の子の中心的
存在だった。

高校に入学して初めての期末テスト。
留年なんて言葉はまだ知らない。

毎日、登校前にサーフィンして
下校後、海へ直行。
帰宅しても、絵を描いて勉強をしないボクを見かねて
彼女はよく、数学の公式だけでも
覚えておいて。と
暗記帳を作ってくれた。

期末テスト、2週間前
なんだか
今回ばかりは、彼女が焦っているのを
感じた。

ボクは、数学や物理、生物が大の苦手で高校入学後、すぐに勉強する事を諦めた。

宿題は、その日の夕方に
アンナが終わらせてくれるから
ボクは半分写して、半分デタラメなことを書いて何とかやり過ごしていた。
けれど、テストからはどうしても
逃げられない。
下手に点数が悪いと
宿題を写していることも
バレてしまうし、かといって
将来使わないであろう教科を
勉強をするつもりもない。

最低、45点を取れば
赤点は回避出来るから、とにかく
カンニングの技術を日々ネットで
調べては勉強していた。

テスト当日。
カンニングの準備は万端。
消しゴムには、公式を
ズボンのチャックを開けて
その中に他の公式を書いた紙を乗せ
うつむいたふりをして
よく見ていた。

仕上げは、右斜め前の親友に
マックをご馳走するから
書き終わったら
机の隅にテスト用紙を
置いて欲しいと、頼んであるから
心配はいらない。

こんな、事をして
テストは大体、40点〜50点くらいは
取れてた。

アンナも少しホッとした様子で
後は、アンナの宿題を写して
毎回提出しているから
赤点は、ほぼないらしい。

今回の、テスト用紙の余白は
ペイズリーの総柄を描いて
綺麗に埋めた。

終了のチャイムが鳴って
先生が、テスト用紙を回収に
周って来る。

この時、ボクの絵を見て
びっくりする、先生達の顔が
大好きだ。

「今回も、凄いな」と地理の先生が言う。

嬉しいのに、自慢げに格好つけて
「まぁね。」とボク。

後ろでアンナが笑った。

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