「個性」ってなんだ?

What is your color?

「個性」ってなんだ?

Photo&Text:簑島かなで

People / 2022.12.16

Luke magazine special contents #15
今、僕たちが考える「個性」のこと。


多様な価値観に触れる機会が多い今、「個性」という言葉の捉え方もさまざまだ。自分を奮起させるポジティブな言葉にもなれば、時に自分を惑わせる言葉にもなる。今回は服飾専門学校で日々自分らしさと格闘する17名の学生が、「個性」について改めて考えてみた。10代と20代のはざまに生きる学生たちの素直な言葉たち。「個性」ってなんだっけ?




It’s a common word.
「個性」が分からない


近年、ジェンダーレスなどが社会的に取り上げられ、様々な人がお互いを認め合う世の中になっていく中で、「個性」と言う言葉を耳にすることが増えてきました。

私は、世界的に有名なファッションの専門学校に通っている学生です。この学校には、様々なファッションをしている人がたくさんいます。見るたびに髪型が違う子や、カラフルな服しか身に付けない子。はたまた、その逆であったり。そんな世界で生活している私たちは、外の人から「個性的」と言われます。私も最初はそう思っていました。ですが、生活に慣れていくうちに「個性的」と言う言葉がどんどん分からなくなっていきました。毎日カラフルな子も、毎日モノトーンな子も沢山いるのです。私は「個性」と言うものは、その人にしかない特別なものや性質だと解釈していました。

ですが、自分ではそう思っていても他の人から見たら違うのかもしれない。自分の周りにはいないだけで、誰かの周りには似ている人がいるのかも。そう考え始めたら、「個性」と言う本当の意味が分からなくなっていました。私はどうやって個性を出していけば良いのか。そう考えている時点で個性ではないのか。どんどん、自分がどういう人なのかも分からなくなってしまいました。そこで、個性について調べたところ、私の考え方は大きく変わりました。

ただ、「個性」の言葉の意味を調べると、過去の私の解釈と同様に個人の持つ、特有の性質・特徴と出てきました。ですが、哲学的に考えると。個性とは、端的に言うと『1人の人として存在していることこそが、個性である』と言うことなのです。

ここでの存在していると言うことは、バラバラで多様なものが、何らかの働きによって一つに統一されると言うことです。そして、分裂のないような状態。「個性」と聞くと、「性」の方の字に理解が持っていかれすぎて、性格や性質のことばかりが解釈されていますが、それ以前に「個」であること。それだけで「個性」を持っているのです。私は、この解釈をしてから悩んでたことから一気に解放されました。人からの評価も気にならなくなりましたし、何より自分に対する良い評価をつけることができる様になりました。

よくある人は生きているだけで皆んな違うといった言葉も、以前は綺麗すぎて、あまり好きじゃなかったのですが、あながち間違っていなかったのか。と思いました。今なら、自分の様に「個性」を見失っている人にその様な言葉をかけると思います。それが正解かはわかりませんが。

今回、「個性」と言う言葉を本質的に理解したことで、これからの生き方も変わってしまいそうです。良い方向に。これを読んで、もし同じ様に悩んでいる人がいるなら、この考え方で少しでも明るい気持ちになって欲しいです。

人によっては、逆に何かが開花してしまうかも。




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