the UNKNOWN #6
未知の旅の始まり ブラジル上陸!!!
Contributed by Miyu Fukada
People / 2024.01.17
#6
1/8
朝起きてシャワーを浴びて
昨日作ったアップルパイを温めて
コーヒーを淹れる。
食べ終わったら
昨晩の残りのクミンと一緒に炊いたご飯に
まだあるツナ缶をマヨネーズ、醤油、ブラックペッパーと混ぜておにぎりに。
そう今日はいよいよブラジルへ出発の日
彼の散髪をし、
1ヶ月ほどお世話になった家を綺麗にして
パッキングを終えた。
その後は家の近くの海洋博物館隣接のレストランでランチ
今日のバルセロナはまたこれとっても
バルセロナらしい晴れの日だった。
現在 ポルトガル、リスボンで乗り換え中
搭乗時間は30分前なのに全然進んでいない様子。
周りからちらほら聞こえるポルトガル語
まだ耳も口も慣れていなくて無意識に
Graciasと言ってしまう。
それにしても
バルセロナの空港で、今朝握ったおにぎりを食べただけでちゃんとした夜ご飯を食べていない。
お腹空いたなあ。
ここからのフライトは10時間。
機内で目が覚める
赤い光がきになり窓に目をやると真っ赤な朝焼け
地上らしきところには雲だかジャングルだかわからない ところどころごく僅かに光が見えた
ブラジルか?!
到着まではどうやらあと2時間らしい。
日本では見たことないような完全なる上弦の月も見えた。
真下から太陽が当たっているのだ。
歯を出さずに笑うシャム猫みたいのニンマリとした月だった。
進めど進めど地上は黒く多分ジャングル上空なんだと思う。
ブ、ブ、ブラジル 大きい!!!!!!!
上空から見てこんなに大きく感じるなら
地上ではどうなってしまうのだろうか
朝焼けを逃すまいとフィルムカメラで写真を撮った
ISOが低くて多分ブレてそう
もっと高いISOのフィルムを別のカメラに入れて
写真を切った
現像が楽しみだ
1/9 DAY 1
到着
機内を出るとなんとなく暖かい
空港から市内のエアビーまでは電車で1.5時間かとか
思っていると彼からuberしようよとの提案
あ、そっか
こっちのUberは安いんだっけ
調べてみると1時間26kmくらいの距離で
88BRL
日本円にして2600円程度
やすっ!!!
ブラジルは初めてだけど南国特有のコンクリ作りの建物
看板はドミニカ共和国みたいにそのコンクリの壁に書いてあったりした
ブラジルでレンタカーは絶対無理だなと思わせるくらい混んでいるし交通ルールと信号が謎すぎ
そしてプップーと
鳴らしながら猛スピードで隙間を抜けていくバイクが怖い
宿に着き
シャワーを浴びてとりあえず町へ繰り出した
昼前朝10:30頃だった
泊まっているのはLiberdadeと言うブラジルで1番日系ブラジル人が多い場所
マップでみると日本食レストランがズラッと並んでいた。
とりあえずせっかくブラジルに着いたのだから
まだ日本食を食べずに現地で何か食べようと
歩いていると
カフェのようなバーのような場所
ショーケースには
Pão de queijoやcoxinhaが並んでいる
入ると
店員、紅一点のお姉さんに
ポルトガル語で話しかけられ
全然聞き取れない
とりあえず席につきメニューと店内を見渡す
うーん
全然わかんない
ふと壁に目をやるとアサイーのポスター
アサイーを頼んだ
すると
なんとかとビタミンどっち?
とか
バナナはいれる?
とか
ところどころ単語がわからず
わかる方を選択して
オーダーしてみた。
カウンター内には5人、有り余るほどのおじさん店員がいる
どうやらその奥のキッチンにも誰かいるみたいだ
店の名前が背中に書かれたサッカーのユニフォームのようなシャツを着たおじさんたちがそれぞれに動く
アサイーが来た
なぜか大きなグラスと小さなグラス2つ
私と彼の分、計4つ運ばれてきて
大きいグラスに入らずおまけなのか?
と思っていると別のお客さんにも
コップが2つだった。
1/10 DAY 2
目覚めたらまだ6時前
昨日は夕方から豪雨と雷が続き
雨宿りに入ったモールからなかなか出れなくて
Uberして帰った
夜ご飯らしいものも食べられず
そのまま寝たのだった。
朝8時前には宿を出た
NYのウォール・ストリートのような場所を通り抜ける途中
調子の良さそうな朝ごはん屋さんを発見
オフィスで働く人たちが入れ替わり立ち替わりビュッフェタイプの朝食をとっていた。
看板にはR$5.49 (100G)と書いてあった
とりあえず入ると先にビュッフェで好きなものを取ってとのこと
そうすると重さを計るところに行き
何を飲みたいか聞かれ
値段の書いてある紙を渡された
なるほど
量り売りのビュッフェなのか
まだまだブラジルのポルトガル語になれず
単語は拾えても動詞がなんて言っているのかわからない
一回聞き直してみるもののわからない
スケートスポットについてしばらくすると
彼の友達がやってきた
英語が喋れるのでポルトガル語を交えながら
コミュニケーションを取る
太陽はギラギラ
日陰を探しながらみんなで移動する
バルセロナの冬からいきなり夏になったので
肌がびっくりしているみたいだ
その友達たちにサンパウロ市内の
別のスケートスポットにも連れて行ってもらった。
もうブラジルに来てから全てが新鮮すぎて
全部書き記したいのだが
すごい情報量で一日経つとなかなか難しい。
昨日のように夕方18時頃
ゴロゴロピカーンと
雷が何回か鳴りまた豪雨
みんなで橋の下で雨宿りをして止んだタイミングで家へ向かった。
お昼ご飯でまだまだお腹がいっぱいな気はしたけれど
また夜ご飯を食べずに寝るのは……となって
帰り道にある中華料理屋で
豚バラの皮がカリカリに焼かれたスパイス焼きと
炒飯を持ち帰りに。
スペインの中華もポルトガルの中華も
イマイチだったからブラジルの中華はどうだろう?!
という好奇心があったのだけど、
とりあえず店内には見渡す限り華僑の人ばかりで
これなら絶対美味しいだろう! と安心できた。
家に帰りシャワーを浴び、
一息ついてから食べてみると、美味しい!
疲れてまもなく寝てしまった。
1/11 DAY 3
どうやらサンパウロのビジネス街では
ビュッフェが多いらしい
朝もビュッフェだし
昼ごはん用にビュッフェをやっているところもある
今日は昨日より遅く家を出たので
ランチビュッフェのお店があいていて
たまたま前を通りかかったのでそこに入ることに
色んな野菜で作られた
色彩豊かな料理がてんこ盛り
ここもグラムで量るお店
久しぶりに野菜らしい野菜を食べたな
それからいつものスポットへ行ってスケートを眺めた
ここで朝11時頃
雲の流れが早い。広場から見える空の間を雲がスイスイ
流れていく
風が強くなると雨が降る
ところどころ黒い雲がやってきて雨は降っていないが
どうやら怪しい。
昨日の疲れもあるので今日は早めに帰ることにした
ブラジルに来て感じたのは
街中にある木が巨木なこと。
そして現地の人はサンパウロを
コンクリートジャングルと呼ぶのだが
私はコンクリート × ジャングルだと思う。
それくらい緑が思った以上に多いのだ。
あと、サーフィンでもスケートでもサッカーでも
金メダルやチャンピオンに輝くのは
ブラジル人の食生活にあるのではないかと
こっちに来てからつくづく思う。
米と豆、そしてファロファと呼ばれる
キャッサバが原料の粉(見た目はパン粉のよう)
が、友達曰くジャンプ力の源らしい。
ブラジル人スケーターは確かにオーリーが高い。
サーファーのイタロもものすごい力があり波にうまく当てこんで
高く飛ぶ。
YOU ARE WHAT YOU EAT
1/12 DAY 4
夜明け前から降っていた雨は止んだようだ
朝起きてまだ連日の疲れが溜まっている
太陽にあたって疲れただけじゃなく
慣れないポルトガル語を聞き取ろうと
コミュニケーションを取ろうと
頭をフル回転させたので頭も疲れてるみたい
外には一回だけ出てずっと宿でダラダラした
スケートしに彼が宿を出るとまもなく雨が降ってきた
あらら
それから午後も横殴りの雨
夜も雨
1日雨の日だった
1/13 DAY 5
天気は曇り 今日はとても涼しい。気温は25度前後。
ブラジルはSIMカードをアクティベーションするのが
難しいと話には聞いていたが本当にそうだった。
数日前に街中いろんなところにある雑誌やガムなどを売っている売店で
彼がSIMカードを買ったが、未だ開通していない。
スケーターの友達に手伝ってもらい、
やってみたもののできなかった。
ブラジルにきてすごく面倒だなと思うのは
オンラインで何か購入する時
例えばバスのチケットや、今泊まっているエアビーの
公共ランドリー専用のアプリに登録するなど
とりあえずオンライン関係のアカウントには
日本でいうマイナンバーのようなCPFの番号が必ず必要で
それに手を焼いていた。
というわけで彼はまだネットがなく、
昨日土砂降りの中通りすがりの人にインターネットを借りて
Uberを呼んで帰ってきたらしい。
という、経緯があり今日はなんとしてでも
ネットを開通させようというミッションがあった。
家(エアビーのこと)から歩いて20分くらいのモールで
先日買ったSIMの開通を手伝ってもらおうといくと
街中の売店で売っているSIMはCPF必須らしく
その番号を持っていない(=ブラジルに住民票がない人)
いわゆる観光客には違うプランがあるらしい
その辺でSIMは30BRL(1000円弱)で買えるのに
CPFを持たない外国人には100BRLで30GB 使えるプランだそうだ。
なんで外国人というだけで値段が3倍にもなるのか
なんとも腑に落ちない。
もう一つのキャリアに行ってみてプリペイドSIMをゲットしたいというと
ここの店舗では扱ってないからこっちに行ってみてと
紙に筆記体で書かれた住所を渡された。
どうにか解読して場所を調べると電車で5駅ほど、歩いて45分。
でもその前に行ってみたかった市場のある方へ行ってみることにした。
市場自体はそれほどではないが、その周りが数年前に行った
ドミニカ共和国の町中の市場みたいだった。
残念ながらケータイで撮った写真はない。
あんなところでケータイを出して写真を撮れば
取られてしまうかもしれない。
そんなわけでフィルムカメラで写真を撮っていたので
ケータイには一枚も写真がないのだが
道路の両脇にはテキ屋(と言っても服とか、下着とかを売っている)のが
立ち並び、値段は言い値だ。
向こうは客を判断して値段を言ってくる。
ここで多分本物であろうhavaianasの店舗を見つけ
セールセクションで私はビーサンを600円くらいでゲット!
もっと珍しい色のがよかったけど、セールセクションには売れ残りの
小さいサイズかバカでかいのしかなくて、日本ではみたことのない色の
ビーサンは買うことができなかった。
なので無難に黒。
久しぶりに旅らしい人でごった返したカオスのような場所に来て
ワクワクした。
さて、本題のSIMカードゲットのため
モールへ向かった。
歩いては45分だったので、初めて地下鉄を利用してみることにした。
この駅は有人のチケットカウンターがあった。
15分ほど乗って、目的地で降り
指定されたモールの方へ歩くと
なんか雰囲気が違う。
モールに入ると一目瞭然。
ここはリッチなエリアだということがすぐわかった。
最初に行ったモールは庶民的で、雨が降れば屋根に打ち付ける
雨粒の音がバチバチしていたけど
ここはしっかりとした建物のようで、
置いてある商品の値段も桁が違う。
いる人も白いブラジル人ばかり。
ブラジルに来てから常に警戒心をもち気を張っていたので
そのモールの中では少しばかりリラックスできた。
さて、安いプランがあるとネットで見たキャリア「VIVO」へいくと
行くと今プリペイドのシステムがダウンしてて開通できないという。
じゃあ明日来るかと去ろうとしたが、私がネットで見たプランが
あるのか尋ねると、
「それはCPFオンリーのやつだね、外国人用は200BRLからのプランだよ」
なんだって!それじゃあさっきのキャリアの2倍じゃないか。
6000円は高すぎる。そして彼はあと10日くらいしかいない。
それは流石に無駄に感じたので、違うモールで聞いた
100BRLのプランのある「claro」というキャリアへ。
話を聞くとここは直営じゃないので120BRLで32GB。
もうさっきのモールに戻って開通するのも馬鹿馬鹿しいので
20BRL=600円ほどの差額には目を瞑ることにした。
しかし費用は現金のみだという!
モール内のATMでお金をおろし、やっと開通。
ふう。
SIMカード開通にこんなに手間がかかるとは。
夕方15時頃
いつものスケートスポットへ。
サンパウロでは彼のスケートに一緒についていき
現地のスケーター友達たちと一緒に一日過ごすスタイル
いつも行くスポット(VALE do anhangabaú)
略してVALE(バレ)にの近くに
サンパウロのスケーター御用達のアサイスポットがある。
アサイスポットといってもアサイ以外にもご飯も食べれるんだけど
そこで今日はタピオカを食べてみた。
ブラジルに来てからいろんなところでタピオカの文字を目にするんだが
なんだか白いオムレツみたいな写真をみて
気になっていた。
頼んでみるとタコスみたいな二つにおられたタピオカ粉でで作られた
生地に具材が挟まっている。
これは甘いのもあるし、しょっぱい系もある。
日本でのタピオカのイメージと全く違った。
タピオカらしい独特のもちっとした食感で
腹持ちが良い。
1/14 DAY 6
昨日とは一変、快晴!
でも当の私は生理中で腰が重め。
とりあえず洗濯をしてからみんなのいるVALEへ向かった。
今日は日曜日でいつも見かける屋台や、薬局もやっていないみたいだ。
毎日通るサンパウロのウォール・ストリートは昨日より閑散としていて
ホームレスばかりが目立つ。
サンパウロはバルセロナよりはるかにホームレスの人口が多い。
街の至る所からは風向きによってはぷ〜〜〜んと臭いといったら失礼かもしれないが
キツイ匂いが漂う。
ホームレスには子供もいて、いつものバレにはそんなホームレスらしき子供が
スケートボードを貸してと言って一緒に遊びたがったりする。
でもみんな毛嫌いする様子もなく、快く板を貸して
撮影していたら、今撮影しているから気をつけてと注意をしたりしている。
スポットは誰でも座れる公共ベンチみたいなところなんだけど
座ろうとした人がいたら、ごめん 今撮影していて というと
あ、そうなんだ 頑張ってね と言った感じでさっと場所を移動してくれる。
ホームレスが話しかけても普通に会話している光景は日常茶飯事だし
なんだか生きている状況や環境、外見は違っても対人として
コミュニケーションをする。
今日のランチはまたもやビュッフェスタイルのランチ
(こちらではMaromitaと呼ぶ)
好きなものを持ち帰り容器に入れて
またすぐにスポットに戻った。
いつも一緒に滑ってくれている友達のスケーターのタリスは
食べきれなかったのか、あえてなのかわからないが
食べ残しの入った容器ごとスポットの目の前にいたホームレスのおじさんたちに
渡していた。
ブラジルに来て1週間
今となってはバルセロナがずっと安全に感じる
ブラジルでは友達が口を揃えて、暗くなったらuberで帰れと勧めてくる。
こっちの日暮は19時頃
20時前くらいだったら20分くらいVALEから家まで歩いて
帰っても多分大丈夫なんだろうけど
uberも雨が降ってなければ11BRL=400円弱
安いので大体uberに乗っている。
サンパウロも残り4日ほど。
今日はこっちに来てから初めて夕焼けを見た。
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Writer
-
Miyu Fukada
横浜生まれ、バルセロナ在住。NYへ留学中、ガラクタ市でみつけた10$のフィルムカメラで写真を 撮り始める。写真、雑誌でのコラム執筆、モデル、コーディネーター、通訳/翻訳など多岐に渡って活動中。