テキトー

えもーしょん 小学生篇 #56

テキトー

2003〜2010/カイト・小学生

Contributed by Kaito Fukui

People / oct.19.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#56
「テキトー」
(2003〜2010/カイト・小学生)

小学生の頃はどこか遠くへトリップへ行ったとしても

ほとんど、何も気にせず1番後ろで爆睡し

「着いたよー」と言われれば起き上がり

ここが、普段生活しているところからどれくらい

遠いのかなんて、考えもせずに

とりあえず、波がよければいいや。

と、旅はすべて大人任せ。

だからか、学校もろくに行かずほとんど毎日どこかへ行っていると

隣の県、または隣の隣くらいはもう何度も行ったことが

ある場所なので、だんだんと飽きてくる。

しまいには、「えええええーーーーーまた車かよーーー」

と、今こんなことを言ったらぶっ飛ばされることも

平気で言っちゃう。

「そろそろ、飛行機乗りたいなぁ」と贅沢まで言い出し始めた。

しかし、飽きていたのは案外ボクだけではなかった。

いつも行動する4人組グループがあって、1番最年長が50歳。

次に45歳、38歳、23歳、ボク(11歳)となっている。

1番最年長のハギさんが大体、旅の行き先を決めて

次の、45歳ケンジ君が運転する。

しかし、最近はハギさんの腰痛が日に日に悪化していることから

長旅は、厳しいとされていた。

が、おそらくみんなも限界が来ていた。

先陣を切ったのは、23歳しょーたくん。彼はついに先輩に向かって

牙を剥いたのだ。

「おれ、もう千葉飽きたっす!」

この言葉を、ボクらはヒヤヒヤしながらも

心の中では「よく言った!!!」と彼を称えていた。

ブチ切れるかと思ったハギさんが

「おぉ、じゃどこがいいんだよ」と、意外と受け入れ態勢だった。

「そ、そうっすね、沖縄とか宮古とかどうっすか?」

と、しょーたくん

「沖縄かぁ…」とハギさんが言った。

「沖縄!!!」ボクはこの時久しぶりにドキドキした。

なぜなら、今まで宮崎より南に行ったことがなかったからだ。

「きたーーーーーーーーーーー!」

と、心の中ではガッツポーズを決め

さっさと帰って支度をしようと、お店を後にする。

次の日、いつものように朝4時ごろ家の前で待っていると

みんなが乗った、バンがやってきた。

「おーし、行くぞー」

車内は、ちょっと重い空気だけど朝だからね。

と、何も気にしなかった。

空港に着き、飛行機に乗った。

「沖縄までどれくらいかかるの?」

「1時間くらいかな」

「そうかぁ」と一眠りをし起きるとちょうど飛行機が着陸するところだ。

「ん?」

「ん?」

みんなが、笑ってボクを見る。

「ようこそ、宮崎へ」

ハギさんが言った…

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