What is your color?
「個性」ってなんだ?
Photo&Text:片岡美緒
People / 2022.12.16
Luke magazine special contents #10
今、僕たちが考える「個性」のこと。
多様な価値観に触れる機会が多い今、「個性」という言葉の捉え方もさまざまだ。自分を奮起させるポジティブな言葉にもなれば、時に自分を惑わせる言葉にもなる。今回は服飾専門学校で日々自分らしさと格闘する17名の学生が、「個性」について改めて考えてみた。10代と20代のはざまに生きる学生たちの素直な言葉たち。「個性」ってなんだっけ?
Zero to Start
未完成な私たち
あなたにとってプリンセスとはどういう存在ですか??
私にとってのプリンセスとは憧れであり、理想の⼥性像です。
常に強く⽣きる彼⼥たちの芯の強さや、思いなどが私の理想です。
プリンセスとは、実際には王族や皇族などの⼥性に⽤いられる⾔葉なのですが、私はそうは
思いません。強い芯を持った⼥性、勇気あふれる優しい⼥性、⾃分を⽣きる⼈、もちろんプ
リンセスに憧れてなろうと努⼒している⼈もです。
私は、⾃分の意思を強く持ち、⽬標を叶えようとする姿や、どんな時も笑顔を絶やさない彼
⼥たちに⼩さい頃から憧れを抱いていました。
例えば、魔法にかけられてのジゼルは愛する王⼦様と結婚しようとする絵本の世界から、現
代のニューヨークに⾶ばされてしまい、⾟い思いをしてしまうのですが、めげることなくこ
の世界でも⾃分らしく⽣きていくのです。
そんな姿が私にはとても輝いて⾒えました。新しい環境でのことは慣れないことも多く、⾃
分らしく⽣きるということも忘れてしまいます。ですが彼⼥はそんなことは決してなく、⾃
分の⽣きてきた環境から物事を捉え、持ち前の明るさで困難を乗り越えていくのです。
⾃分の置かれている環境は変わることはないけれど、その環境も⾒⽅を変えてみる。⼀歩引
いて⾒てみると楽しいことが起こるかもしれないと彼⼥は教えてくれました。
その考え⽅も⾃分の個性につながっていくのではないでしょうか。もし、ジゼルが絵本の世
界で⽣まれていなかったら、もし⾃分が今のお⺟さんのもとで⽣まれていなかったら、世界
は変わっていたことでしょう。
個性とは死ぬまで完成しないパズルだと私は思うのです。環境の要因となる⾃分の家族、地
元、学校、友達などの環境や、好きなもの、住んでいるところ、好きな⼈。⼈はその環境を
少しずつ変えながら⽣きていて決して今の⾃分が全てというわけではないのです。今、こう
思っていても、住む場所が、仕事が、結婚したら、⼦供が⽣まれたら、全ての要因で変わっ
ていくのです。
でも変わっていくことを恐れないでください。変わっていくことが私たちの当たり前なの
です。まだまだ未完成な私たち、永遠に完成しない私たちをこれからも楽しみましょう。
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⽚岡 美緒(カタオカ ミオ)
愛知県出⾝。東京都在住。 将来の⽬標は結婚式で⾃分の作ったドレスを着ること。可愛いものをとにかく愛していて、ブライス⼈形になるのが夢だった。前世はロココ時代の貴族だと信じて疑わない。