「個性」ってなんだ?

What is your color?

「個性」ってなんだ?

Photo&Text:鐵本夢結

People / 2022.12.16

Luke magazine special contents #7
今、僕たちが考える「個性」のこと。


多様な価値観に触れる機会が多い今、「個性」という言葉の捉え方もさまざまだ。自分を奮起させるポジティブな言葉にもなれば、時に自分を惑わせる言葉にもなる。今回は服飾専門学校で日々自分らしさと格闘する17名の学生が、「個性」について改めて考えてみた。10代と20代のはざまに生きる学生たちの素直な言葉たち。「個性」ってなんだっけ?




What dose love look like
愛するならばまず目を合わせて


個性的って何だろう、と思う。

派手な髪色、極彩色の服、服飾学生は個性的と言われがちだけれど、その実内面を見てみれば一見ギョッとするような意見やアイデアにも、その根拠たる源があるものだ。

じゃあ私の個性って何だろう。

結論に至ってしまえば、私の個性は時に面倒くさいほどの好奇心にあるように感じた。勉強は好きだ。けれど勉強を好きになったのは高校を卒業し、服についての知識しか取り入れなくなってからだった。今更になって学ぶことが好きになって、今更になってもっと学んでおけばよかったと後悔した。きっと私が好きな勉強とやらは「これを覚えなさい」と提示される呪文ではなく、興味関心に沿って行う研究なのだと思う。

1つを提示され、その背景にある10を考察するのが好きなのだ。

考察することが好きな私にとって、歴史や骨董というのはとても心の揺さぶられるものだった。だって、壺についた小さな傷一つに対してすら、何時間考察しても結局答えになんてありつけないからだ。どうしてついたのか、人為的なのか事故なのか、人為的なら何故つけたのか。

これを延々考える。

歴史もそうだ。頭の中で色々考えて、答えの出ない問いをまるで哲学のように自分に問いかける。この時間が好きなのだ。

これを好きじゃない面倒くさいと考える人もいる。実際、理解されないことの方が多かった。だからこれは私の個性と言えるだろう。私はいわゆるソシャゲが好きなオタクだが、その世界観にある気候や歴史を考察しても、正直何かの役に立ったりはしない。私が日常生活を送る上で、亜寒帯気候や地中海性気候を意識することはほとんどないからだ。けれど背景を知っていれば、スマホの中の彼らをもっと親身に愛せるだろう。歴史を教科書の上の昔話ではなく、キリスト教を招き入れた“魔王”とも呼ばれるあの武将が、なにに激情を向けたのか、お酒の飲み方1つでもいい、柔らかい人間的な部分を知りたいと思う。そうすれば、文章上の想像1つだけでなく、もっと熱を持った人間として愛せるだろう。

和歌などはそれの最たるものだ。対象の価値観、見ている情景、抱いていた感情が透けて見えるからこそ最も人間らしい。文字だけでは感じられない生きた人物像だ。私はもっと多くを愛したい。

それこそが私の好奇心の本質であり個性なのだ。



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