マジックアワー

えもーしょん 小学生篇 #33

マジックアワー

2003〜2010/カイト・小学生

Contributed by Kaito Fukui

People / may.20.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#33 「マジックアワー」
(2003〜2010/カイト・小学生)

あの、ビーチを歩けば

いつだって、君の姿。

波打ち際の、足跡を辿って

君を追いかける。

どんなときも、君の後を

追いかけているのに

砂に書いた、君の文字も

足跡も

波が、さらってゆく。

「大丈夫?」

ビーチに合わない

白く、綺麗な肌の君が

立ち止まって

こちらを向いている。

「うん、少し待って」

いつだって、君を追いかけていた。

「待たないよー」

君は先をゆく。

何度も、繰り返す

波を越えて

消えゆく

君の足跡を辿って

辿り着く頃には

地平線の彼方。

空と、海の

朝と、夜の間

「言わなくていいよ」

水色のスカート

白いTシャツ

麦わら帽子の君が

言った。

「いつも、ごめんね」

「ううん。いいの」

「今までも、そうだったでしょう?」

「うん、そうだね」

「足りないこともあるけど」

「素直に、なれないね」

「からっぽだよ」

「一緒だね。」

「また、不安なまま朝がやって来るよ」

「うん、私は夜が」

肩を寄せれば

マジックアワーが訪れる。

「光の方へ、そうでしょう?」

「そうだね」

君の、キックで

太陽が登る

「きっと、大丈夫」

と、こちらを見つめる君。

「君を連れて…」

「言わなくていいよ」

ブルーな空と

オレンジの空

深い、藍色の中に

進んでゆく君

「そんな、不安な顔しないの」

「大丈夫、大丈夫だよ」

光の方へ。

いつだって。

夢の中の、君が

深い海のほうへ行ってしまうと

眩しい太陽がやって来て

ボクは、目が覚める。

だから、今日も

ボードを抱えて、海のほうへ

光の方へ。


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