「個性」ってなんだ?

What is your color?

「個性」ってなんだ?

Photo&Text:mimi

People / 2022.12.16

Luke magazine special contents #3
今、僕たちが考える「個性」のこと。


多様な価値観に触れる機会が多い今、「個性」という言葉の捉え方もさまざまだ。自分を奮起させるポジティブな言葉にもなれば、時に自分を惑わせる言葉にもなる。今回は服飾専門学校で日々自分らしさと格闘する17名の学生が、「個性」について改めて考えてみた。10代と20代のはざまに生きる学生たちの素直な言葉たち。「個性」ってなんだっけ?




THE KEY
違うからこそ


午前2時、机にはコーヒーとデスクトップを表示しているだけのパソコンと紙とペン。
“個性”ってなんだろう?という大きなテーマに対して金曜日の夜から頭を抱え、土曜日はテクノミュージックに揺られてあっという間に日曜日の深夜になっていた。
紙に自分の個性と思えるところをできるだけ書いた。いつの間にか描いたニコちゃんマークの落書きはこちらを見て微笑んでいる。

ペンの走りが悪くなったので辞書で個性について調べてみた。
こせい【個性】:①[individuality]個人に具わり、他の人とはちがう、その個人にしかない性格・性質。②個物または個体に特有な特徴あるいは性格。

現代で“個性”という言葉を使われるとき、いかにも人と違って胸を張れるところだけを指すように使われるが辞書によれば個人にしかない特徴全てを指すそうだ。
なーんだ、みんなスーパー個性的人間じゃん。褒めてるよ。
だってみんな顔も体も性格も好きになる人も今着ている服だって違う(この記事を読みながら同じ服を着ている人たちはきっと運命だ!)。

生まれ持った顔や体の人目に触れる個性と、ジェンダーや心の形といった人目に触れない個性。社会と関係を築きながら生きている私たちは個性を見せたり見せなかったりして生きている。
最近は“ダイバーシティ”や“フェムテック”など様々な言葉を耳にする。そこから派生してそういった言葉たちで区別すること自体ナンセンスなのでは?と議論されることもしばしば。
みんなが物事を違う視点から見てそれぞれの感じ方をしているということだ。仕事や遊びのせいで(おかげで)忙しくて心に余裕がないとき、マジョリティが正解なのかも?とか、コンプレックスとはどう向き合えばいいのだろう…とか、色々思うよね、わかるわかる。
でもそれってきっとその人にしかない“個性”。似ているところはあってもその人を形作るものは何一つ欠けてはいけない。正解や不正解は存在しない、とここで私は断言する。みんな違うからかわいくて面白くて時に涙するほどに感動する。

自分にしかないものをどれだけ愛してあげられるか、その愛おしい気持ちをみんなにも向けられたらどんなにいいだろう。体重であなたの美しさは変わらないし、誰に恋したっていい、存在そのものが尊い。誰かから評価されようといい子ちゃんにならなくてもいいの。
あなたが健やかで幸せに生きることが大切なんだもん。

いつの間にか外は明るくなっていた。人と違う自分の“個性”を愛してあげることが人の“個性”をリスペクトする小さくて大きな一歩。
22歳の私がぐるぐる考えた“それ”は“自分と他者を愛で繋ぐ鍵”だった。

紙の隅のニコちゃんがさっきより笑っている気がする。








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