靴下が濡れているから今日は休みます

えもーしょん 中学生篇 #41

靴下が濡れているから今日は休みます

2010〜2013/カイト・中学生

Contributed by Kaito Fukui

People / aug.03.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#41
「靴下が濡れているから今日は休みます」
(2010〜2013/カイト・中学生)

夜中のスコールは凄かった。

バケツをひっくり返したかのように

もし、外に出たら

息が出来ないんじゃないか?

そう、思うほど

凄まじい、雨が降っていた。

「そんな、大袈裟な…」

きっと君はそう言うだろうけど

本当に、凄かったんだから。

「え? じゃあどのくらい」

と、また君は言うだろう

「どのくらいって、だからバケツをひっくり返したような」

「そんなに、大きなバケツなんかないよ」

「いや、だから…」

「ふふふ」

と、きっと君は笑ってこっちを見る。

ボクは、寝ぼけたまま

夢なのか、妄想なのかわからないが

君の姿が、目に浮かんでいる。

ミーンミーンミンミー

と、1匹のセミが鳴き始めた。

すると、続くように次から次へと

他のセミが遠くで鳴き始めた。

「あぁ、もう朝か」

すっかり、ご機嫌な空模様。

雲ひとつなく、晴れている。

「どうせだったらなぁ」

「あのまま、雨が降っていたらなぁ」

「学校行かない理由になったのに」

「あぁ、朝から憂鬱」

蒸し暑い、部屋を出て

お風呂へ向かう。

寝ぼけているのか、気がつくと

お風呂でシャワーを浴びている。

「あー学校かよー」

「もう、あと4日しかないし」

「授業ないし」

「大掃除なんて、人多すぎてボク暇だし」

「暑いし!」

「行きたくないし!」

「行かなくていいだろぅ〜」

「もぅ、あぁ〜」

「これなぁ、お風呂出たら暑いんだろうなぁ」

「せっかく、シャワー浴びたのになぁ」

「学校着く頃には、汗だくだくだよなぁ」

「あぁ、学校かよ…」

「海行きたいなぁ…波あがんないかなぁ」

お風呂でうなだれること30分

気づかぬ間にのぼせてしまい

軽くブラックアウトするが

体幹トレーニングのおかげか

ふらつくことはなく、びくともしない。

「あぁ…」

小さくため息をつきながら

リビングへと向かう。

ソファに座り

ボーッとテレビを見ていると

いつもとは、違うチャンネルだったせいで

遅刻していることに気づかなかった。

「もう、30分も遅刻かぁ」

「今から出ても、もう無意味だな…」

そうは、言っても

ここまで頑張ったんだ。

少しくらいは、行く姿勢を続けたい。

ワイシャツが濡れてたら、もう行かない。

と、心に決め

ベランダに干してあるワイシャツを取る。

くまなく、湿っていそうな部分を探すが

残念なことに、しっかり乾いていた。

「うーん」

「シャツのしたのインナーが…」

今度は、インナーが濡れていたらと心に決め

手に取る

が、やはり乾いている。

「そりゃそうか」

と、この夏の日に…なんて思ったが

そういえば、昨日は物凄い雨だった。

雨が止んだのは、恐らく朝5時ごろ

寝ぼけながらも、新聞配達のお兄さん

濡れずにラッキーね。と思った事を覚えている。

乾いているはずがないのに…。

「おかしいなぁ」

もう、流石に靴下が濡れていたら行かない!

「だよなぁ」

やっぱり、靴下も乾いていた…。

これは、もう学校へ行きなさいと

神のお告げと信じ

ボクは、諦め学校へ行くことに。

しかし、もう足掻き用のないほど

遅刻しているので、この際

もっと遅刻しても変わりはない。

そう思ったボクは

洗濯したばかりの制服のまま

ソファに倒れ込み

2度寝を決める。

続く。

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