えもーしょん 中学生篇 #7
旅は、いつでもシュプリーム
2010〜2013/カイト・中学生
Contributed by Kaito Fukui
People / 2020.01.07
小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!
#7 「旅は、いつでもシュプリーム」
(2010〜2013/カイト・中学生)
旅は、慣れっこだ。
サーフィンを始めてから
気がつくと、日本の海のある県は
ほとんど、制覇したのではないか。
そのせいか、旅を重ねるごとに
荷物の量が減っていく……。
旅に出る前のある日。
いつものように、ボードケースにボードを入れ
リュックには、じゃがりこ
海パン、ビーサン、Tシャツ2枚
すでにここまで来た。
今回、向かう先は
ハワイ。
しかし
海外だからと言って、荷物を増やすのは邪道だ。
ハワイの少し田舎、オアフ島の西側
マカハへ向かう。
マカハは、オアフ島の中でも
トップクラスに、海岸線が長く
約600mもあるらしい。
ザ・観光地の
ワイキキとは違い
まだ、手付かずのハワイを感じられる。
いい意味で、田舎だし
いい意味で、自然で地球。
いい意味で、緊張する場所だ。
年に一度の大きな、大会があるから
ボクらはそれに向け、ハワイへ向かう。
AM 6:00
先輩が、迎えに来る
15分前には家の玄関で待つのが
福井家のルール。
忘れ物をするほど、荷物もないから
特に、チェックもせず
玄関で待つ。
プップ!!っとクラクションを鳴らし
5人乗りの、車にすでに6人乗って
みんなが現れた。
車の上に、ボードを巻きつけ
ボクは、みんなの膝の上に乗り
いざっ、成田空港へ…………………。
海沿いを走り、街を抜け、山を越え
高速道路に乗り
いつもの、パーキングへ。
すると、なんと!!!
パパと、ママがいるではないか!!!
ボク「何してるの! こんなところで!」
パパ「何してるのじゃねーよ! ばか!」
ボク「へ!???」
ママ「いや、本当よ!」
ボク「へ!!?????」
ボク「まさか!!!!!!!!」
パパ・ママ「まさかだよ!!!!!!!!!!!」
ポケットから、パスポートとチケットを取り出すパパ。
ボク「ぎょええええええええええええええ!!!!!!」
ボク「まじナイス!!」
怒りを超えて、爆笑するパパとママ。
ボクはついにここまで身軽になったと
自分を褒めた。
後ろから、先輩にひっぱたかれ
みんなで、ラーメンを食べる。
ボクは、売店で
オレンジジュースとエクレアを買ってもらい
パパとママに手を振り
ギュウギュウの車に乗り込む
みんなの膝の上
エクレアを食べる
段差で、車が跳ねるたび
みんなのジーパンにクリームがダイブ…。
見慣れた、トンネルを抜けると
ターミナルが見えてくる
先に、ボクは降ろされ
カートを取りに行く
みんなは、車から
ボードを下ろしている
この光景を見ると
旅の始まりをいつも感じる。
ボードをカートに立てかけ
チェックインへ向かい
パパとママに感謝しながら、ボードを預ける。
今回は、受付のお姉さんが優しく
みんなで重さを分散してくれたから
誰も、オーバーすることなく
スルー。
荷物検査を抜け
椅子に座り、搭乗を待つ………。
続く
アーカイブはこちら。
小学生篇
中学生篇
高校生篇
大人篇
Tag
Writer
-
Kaito Fukui
1997年 東京都出身 幼少期から波と戯れ、サーフィン、スケートボード、恋に青春。 あの時、あの頃の機微を紡ぐように幾層ものレイヤー重ね描き、未来を視る。 美化されたり、湾曲、誇張される記憶を優しく繊細な浮遊感で!