Elissa Steamer

元プロスケーターの彼女が今はまっているものとは。

Contributed by anna magazine

People / 2017.11.15



チームプレイのスポーツは苦手だった。

エリッサ・スティーマーを知っていますか?

まだ女性スケーターがあまり登場していなかった時代、男子スケーターに混ざって一緒に滑っていたのが彼女、エリッサ・スティーマー。しかもエド・テンプルトン率いるトイマシーンから他のライダーと同等の扱いでプロスケーターとして所属していた強者。その滑りも他のチームメイトにも負けないスタイリッシュな滑りで、見る人を魅了してきた。彼女は現在サンフランシスコに住みながら、今はサーフィンにはまっているという。そんな彼女に話を聞いてみた。

―スケートボードを始めたきっかけは?

Elissa Steamer(以下ES):たしか4-5歳の時に私がプラスチックのボードをもらったのがきっかけ。10歳くらいになった頃はスケートボードが大ブームで、たくさんの人がやっていた。近所の友達もやっていて、その子のボードを借りて滑っていたわ。

―スケートにハマった理由は?

ES:あの立ったまま速く動いている感じが好き。それに動きがスタイリッシュなところも。それとなにより、スケートボーダーたちのライフスタイルが好きだった。とても反抗的で。

―女性のプロスケートボーダーとしてキャリアを踏み出したときはどんな気持ちだった?

ES:初めは女性だからってあまり考えたことはなかったわ。しばらくして周りから女のプロスケーターだということで注目されるようになったの。悪くなかったわ。スポーツやスケートボードが好きでそこが自分の居場所だと思っていたし。10代の頃はゴルフも好きでよくやっていたの。ゴルフは自分とコースの戦いだったから、私に合っていると思ったわ。けれどチームプレイのスポーツは苦手だった。チームスポーツはいつも落ち着かなかったの。自分のキャリアが始まった頃は注目されることが良いと思う時もあったし、そうでない時もあった。女性だし、目新しいことをやっていて注目されるのはわかっていたんだけれど、自分にとってスケートボードをすることはそんなに新しいことではなかったから。スケートして友達とパーティーがしたかっただけ。



―出身のフロリダからカリフォルニアに移ってきたのはいつ、どうして?

ES:1996年に引っ越してきたわ。プロスケーターになるために。トイマシーンからスポンサードされる事になって、2人のスケート仲間がいるニューポートビーチへ越して来たの。

―サンフランシスコへ越したのは、どうして?

ES:2003年に越して来たわ。ロサンゼルスでの生活からなにか変える必要があると思ったから。それにサンフランシスコにはたくさんの友達も住んでいたから。それからずっと住んでいるわ。

―カリフォルニアに住み続ける理由はなに?

ES:単純に好きだから。サーフィンもするし、このあたりの波は最高なの。私の生活のすべてがココにあるのよ。犬、彼女、友達。とても素敵だと思う。野菜が好きな人も多いし、食べ物もおいしい。とてもいい生活だと感じているわ。

―プロスケーターから今の生活になってどう?

ES:プロスケーターとしてのライフスタイルから離れるという現実はまだ自分にとって受け入れがたいの。プロを離れて3年経つけれどまだそう思っている。でも時間が経つにつれて、だんだんと受け入れられるようになってきたし、今はサーフィンも楽しんでいる。それに自分で立ち上げた新しいブランド「GNARHUNTERS」も楽しくやっているわ。

―今とても落ち着いた生活が送れているように感じるよ。格好とか振る舞いとか。なにか意識的に変えようという決心があったの?

ES:ありがとう(笑)。最近はとても気分がいいの。どんな秘密があったのか自分でもわからないけれど。でも時の流れに身を任せた生活をしてみようと思っているわ。昔ほど自分のことを考え過ぎないようにしている。そうすれば人生はとてもシンプルで楽しいものなのよ。以前は自分が世界の中心にいるような生活をしすぎていたから。今はもっと居心地の良いライフスタイルを学んでいるところなの。



―たとえばどんなライフスタイル?

ES:サーフィンをしているのがとても大きいわ。それと自分のブランド「GNARHUNTERS」に力を入れている。すべてを自分自身でやらないといけないから、やることが多いけどね。でも、もの作りはとても楽しい作業なのよ。今はウェブサイトのデザインを変えているところ。リニューアルしたウェブサイトにも注目していてね。(gnarhunters.com

プロを引退した後も彼女の魅力はさらに増し、スケート以外でもファンを楽しませ続けてくれている。今後も彼女から目が離せない。

Profile
1975年生まれ。女性で初めてプロフェッショナルスケートボーダーとしてToy Machineと契約、シグネーチャーモデルをリリース。その後Bootleg、ZEROへと移籍。現在は自身のブランド「GNARHUNTERS」を立ち上げる。

写真:Ken Goto/文:竹村 卓

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