アロハ派か、ハロー派か。

えもーしょん 中学生篇 #8

アロハ派か、ハロー派か。

2010〜2013/カイト・中学生

Contributed by Kaito Fukui

People / 2020.01.08

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#8 「アロハ派か、ハロー派か」
(2010〜2013/カイト・中学生)

ボクは今日から、先輩6人と

1ヶ月間ハワイへ行く。

途中、ボクがパスポートを忘れる

ハプニングがあったけれど

無事、チェックインも終わり

後は、搭乗を待つのみだ。

ボク、入れて7人もいると

もう、修学旅行に近い。

小学生の頃から、ボクの見守り役は

はぎさんかケンちゃん。

ケンちゃんは、20代後半で

はぎさんの後輩。

はぎさんは、ボクの師匠の後輩だから

ほぼ、兄弟子。

大体の旅は、この2人のどちらかが

いてくれるお陰で

ボクは、なんの不安もなく

旅ができている。

飛行機を待っていると

ケンちゃんがそわそわしていた。

ボク「ハワイ、初めてなの?」

ケンちゃん「そうだよ!」

ボク「おおおおおお」

ケンちゃん「どうなの? 暑いの? 夜は寒いの?」

ボク「いや、それは日によって違うんじゃない?」

ケンちゃん「女の子、可愛いの?」

ボク「あーどうかなあ。ボクは細い子好きだから」

ケンちゃん「ご飯は美味しいの?」

ボク「あ、ボクね。サイミンってご飯好き」

ケンちゃん「何それ!?」

ボク「なんだろう、らーめんみたいなんだけど……………」

ケンちゃん「とんこつ?」

ボク「いやあ、どちらかというと醤油に近いかなあ」

ケンちゃん「アメリカの醤油かあ………」

2人で会話が盛り上がっていると

喫煙所から、はぎさんが戻ってきた。

はぎさん「んだよ、何話してたんだよー」

ボク「なんか、ケンちゃんがねハワイの女の子は可愛いのかって」

はぎさん「お前じゃモテないなあ」

ケンちゃん「え、ちょなんでですか!?」

はぎさん「やっぱ、ジェントルじゃないと」

ケンちゃん「ジェ、ジェントル………」

ケンちゃん「かいと、何それ?」

ボク「ケンちゃん、ハワイはねバニラの香りがするよ」

ふふふ



ボクとはぎさんは笑い

ケンちゃんは、初めての飛行機

初めての海外に、心からワクワクしている。

ケンちゃん「ところで、ハワイの挨拶はアロハでいいの? それともハロー?」

続く……。


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