プールサイド

えもーしょん 高校生篇 #44

プールサイド

2013〜2016/カイト・高校生

Contributed by Kaito Fukui

People / aug.14.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#44
「プールサイド」
(2013〜2016/カイト・高校生)

ポコ、ポコポコ、ポコポコポコ

ブクブク、ブク、ブクブクブク

ぶはぁ

ミーンミーンミンミー

ミーンミーンミンミー

キラキラに光る水

反射して、さらに光る君

フリーコースで、もう30分も歩いている。

「そろそろ、泳がないの?」

「うーん、まだかな」

「ちょっと、泳いでくるよ?」

「はぁい」

そして、また後ろ向きに歩いて行った

50m プールを3往復して

フリーコースを覗くと

まだ、永遠と歩いていた

こっちに気づいて、手を振る君

「あいつ、歩きすぎじゃないか?」

と、だんだん周りの目線が気になり始めたところで

ピーーーーーー!!!!!

休憩の笛が鳴った

みんなが、一斉にプールサイドへ上がる

これ、これを待っていたのだ

プールといえばボクの好きなおばちゃんが見れる

普段、海にしかいないせいか

スク水姿のおばちゃんを見る機会がないボクは

小さい頃から、プールでおばちゃんを見るのが好きだった。

おばちゃんなら、誰でもいいわけではない。

「プール久々〜!」と言って

楽しんでいるおばちゃんではなく

「週3、1回1km!」と、ガチなおばちゃんが好きだ。

やはり、水泳をすると全身の筋肉を使うのだろうか

たるんだお腹が、妙に締まっているし

あの、キュートな二の腕がたまらない。

ボクは1番先に上がり

タイプのおばちゃん達が

ヨイショ…!

と、プールから上がって来るのを楽しみにしていた。

反対側から、やってくる君に気づかれないように

プールサイドのベンチに座り

疲れて、呆然とするフリをして

じーっと、見ていた。

「あー!また、おばちゃん見てる!」

「見てないよ!」

「いや、絶対見てた」

「おばちゃん達、言ってたよ?」

「なんて?」

「さっきから、あの子ずっと見てるって」

「嬉しそうだったけど…」

売店の方へ向かうと

おばちゃん達が、寝ながら日焼けしていた

かわいい…

「あの、帽子がやっぱりかわいいよね」

「あぁ、プール行かないと見ることないしね」

「そう!」

「そうだね、確かに」

「ヒョウ柄の水着なんてどこに売ってたのかな」

「似合っちゃうから羨ましいわ」

「何食べる?」

「かいとは?」

「ボクは、ラーメンとフランクフルト」

「うーん、私もラーメン…」

「あ、焼きそば!」

プールサイドのベンチ

久しぶりの具ありラーメン

大好きな、おばちゃんと君

真夏の、プールで食べるラーメンは

砂も入っていないし

鳥に食べられる心配もない

風が吹いても、隠す必要もない

仰向けで寝ながら食べたって安心。

最高だ。

プールサイドで焼きそばを食べる君が

「私も、これくらい日焼けしたい」

と、言った。

日焼けのために、泳がず歩いていたらしい。

「どう?焼けた?」

「いやぁ、全然」

「全然かぁ…」

「あと、2時間くらい歩こうかな」

「いや、倒れちゃうよ」

「うーん」

「海に行って、寝てればいいじゃん」

「はぁ、わかってないね」

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