NYC – TOKYO.
Contributed by LUKE magazine
People / 2017.11.15
ディレクターのTSUMIとデザイナーのTOYA HORIUCHIが2013年に立ち上げたブランド「HELLRAZOR」。彼らが表現するアイテムには、スケート、アート、音楽といったカルチャーに精通するカラーがあり、それはストリートに身を置くスケーターのTSUMIと、アートに造詣が深いTOYAのパーソナルな部分がバランスよくデザインに反映されているからだと感じる。TSUMIの地元の後輩で、現在ニューヨークに住むTOYAは当時LAでアートを学びながら生活し、東京でショップスタッフをやっていたTSUMIは、時間を見つけては年に数回LAへと足を運んで互いの時間を共有してきた。頻繁に会うなかで仲良くなり、Tシャツ作りからブランドを始めた彼らだが、「セレクトショップをやりたかった」というTSUMIの夢も大きなきっかけだった。
「仕事をやめたとき、お金もないからすぐに自分のショップを始められなかったし、今の時代ウェブを使えないと始まらないので、まず半年間はウェブのノウハウを学ぶために学校へ通ったんです。手探りながらもウェブサイトを作って、まず30枚くらいのTシャツを売ることから始めたら、思っていた以上に反応があって」
Tシャツが即完したことが口火となり、定期的にアイテムをリリースしながらブランドを成長させていったふたり。3年目に、ロンドンの気鋭スケートカンパニー「PALACE」に所属するライダー、ショーン・パワーズとのコラボレートアイテムを発表したことで、日本のストリートに「HELLRAZOR」の存在が一気に広がった。
「ブランドを始めた2013年から毎年ニューヨークに行っているんですが、ショーンにだけは必ず会うんです。会おうって連絡したことは一度もないのになぜか自然と会える、そんな奴で。パークで会ったり、彼の仲間と遊んだり、会う回数を重ねるたびに心を許してくれるようになって。ちょうどコラボレートの話をしたとき、彼がアーティストとしても活動をスタートした時期だったから、日本に招待して、松濤にあったSO gallery(現SO1)で彼のアートエキシビジョンを開いたんです。初来日だったこともあったし、すごい反響をもらって。ブランドにとってのターニングポイントでしたね」
そして昨年、TSUMIは念願のセレクトショップ「Waveystore」を三軒茶屋にオープンした。TOYAと共にブランドとしてやらなければならないことの意識を高めながら、アメリカに限らずヨーロッパへも足を運び、ボーダレスに仲間を増やしている。
「先日TOYAと一緒にロンドンとパリに行ったんですが、ブランドをやっている以上、実際に会いに行ってきちんと向き合ってから、一緒にやりたい奴と何かを始めることが大切だと思うんです。前まではニューヨークに住んでいるTOYAが羨ましくも見えたし、自分もそこで暮らしたいと思ったんですけど、最近は海外の奴を日本に呼んでフックアップできる土壌を作っていた方が自分に向いている気がして。夢だった自分のショップがそういう場所になればいいですね」
TSUMI
HELLRAZORディレクター。2016年に三軒茶屋に自身のセレクトショップ「Waveystore」をオープン。独自の審美眼で国内外の注目ブランドをセレクトしている。
http://www.hellrazor-online.com
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