恐怖のドロップイン

えもーしょん 小学生篇 #12

恐怖のドロップイン

2003〜2010/カイト・小学生

Contributed by Kaito Fukui

People / jan.28.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#12 「恐怖のドロップイン」
(2003〜2010/カイト・小学生)

突然だけど

ボクは半ば無理矢理

パパに連れられ、久々に

パークへ来た。

そこは、海の目の前にあり

ボクは、砂浜越しに

海の中から

毎日、パークの中の彼らの様子を

覗いていた。

波があって、沢山練習出来る日もあれば

全くない日もある、自然相手のサーフィン。

それに比べて

いつも、同じ環境で

スケートしている、パークの中の

彼らが、少し

羨ましかった。

そして、少し

嫉妬していた。

毎日、毎日

見ているせいか

目が麻痺してきて

スケーターがこけるたびに

「なんで、出来ないんだよ!!!」と

思わず呟いてしまう。

パークに着くと

パパは、中くらいのサイズの

ランプを指差し

「あれ、行って来い」とボクに言う

ボクは、スケートはするが

基本、小学校の裏の

大きな坂を、Z-FLEXで

ダウンヒルくらい。

「ボク、ドロップイン出来ないから
こっちで滑るよ」

と、伝えるも

当然、返事は

「逃げるな、行け」

出たー。

言うと思った。

しぶしぶ、ランプへ向かうが

全然、中くらいじゃない

むしろ大。

「海の中から見るよりも、結構デカイね」

パパに伝えると

パパも、行け。と言ったはいいが

実際、本当にデカかったのだろう

ぎこちなく、「そうか?」と

言うが、ボクは知っている

嘘だ。

いやぁ、真ん中から始めたい。

そう、思ったところで

もう、ここまで来たら

逃げられない。

ランプへ登り、順番待つ…

やばい、やばいぞ。

心臓が、変な動き方をしている

やばい。その言葉を言うたびに

ドゥオックゥン!ドゥオックゥン!

オーノー。

ネクストターンはミー。

ついに、順番になってしまった

ランプの向こう側の人達は

「なんだ、こいつ…どこのやつだよ。」

そう、思ってるに違いない。

ボクがどれくらい出来るのか

きっと、伺っているのだ。

コーピングにボードをかける。

このまま、踏み込めばいいんだよね…?

いいんだよね…?と

目で、パパに合図するも

ケタケタ笑っている。

クソジジイめ。

早くしろよ。そんな声が聞こえそうで

ボクは、覚悟を決め

いざ!

勢いよく、右足を踏み込む。

すると、突然のことすぎて

体が、勝手にバランスを取ることなく

逃げてしまった。

ビュューーーーーーン!!!と

ボードはロケットのように飛んで行き

ボクはそのまま後ろに転ぶ

後頭部をコーピングに強打。

ヘルメットが割れた……。

「大丈夫か!!!!!」と

ランプの上のお兄ちゃん達が寄ってくる。

「パパ、もう帰ろう」

すると

「新しい、ヘルメット借りてくる」

この、クソジジイ!!!!!!!

みんなが笑い、頑張れ。とボクの肩を叩く。

まじか…

続く

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