コンビニ完全制覇 下

えもーしょん 大人篇 #18

コンビニ完全制覇 下

2016~/カイト・大人

Contributed by Kaito Fukui

People / 2020.03.19

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#18
「コンビニ完全制覇 下」
(2016~/カイト・大人)

それから、時は過ぎた。

ボクは、目が覚めた。

眩しい朝日が

部屋に差し込み

静かな朝を迎えた。

六畳もない、縦長の小さな

アパート。

隣の部屋の人の

歯磨きの音や、うがいの音

夜中の洗濯機の音にも

ずいぶん、慣れていた。

ボーッとしていたボクは。

ゾンビのように、何も考えず

テレビをつけ、もう一度

横になった。

「あぁ、なんか懐かしい夢を見たな」

「結局、最後は制覇したんだっけな」

夢に出てきた、懐かしい記憶。

中学校の頃の学年主任の先生と約束した

コンビニでのアルバイト完全制覇の旅

思い返すと

7から始まるコンビニからスタートし

ファミリー、ケーマート、と

順調であった。

しかし、それは

制覇目前、最後の

コンビニ、そう。

青いコンビニ。

ボクはそこで、人生

初となる。

クビ。を体験することに

ある日、

「あぁ、もうこれで完全制覇か」

と、最後のコンビニの初出勤日。

結局のところ

高校の3年間では制覇できず

一人暮らしを始め

アパートの道路を挟んだ向かいの

ドアtoドア徒歩1分のコンビニ。

初出勤日は

深夜を任されることに。

人がいない時間で

沢山、教えたい。

だ、そうだ。

「おはようございまーす」と

挨拶をし、お店に入ると

「よろしくね!」

と、言って

ボクを面接した

店長は帰り支度をしていた

ボクは、用意された制服に着替え

レジに立つ。

もうすでに沢山のコンビニで

レジを打っていたため

レジに関しては、即戦力であった。

それを見ていなかった

おじいちゃんスタッフは

「よーし、ビシバシいくよー!」

と、言ってきた。

そして

あ、苦手なタイプだこの人。

と、思い。

たまたま、揚げ物を作る場所にあった

唐揚げをつい、パクリ。

「あ」

と、ボク

「あ」

と、店長が言った。

そして、なんと

クビになるボク。

先生との約束は果たせず

このまま、大人になるのかな。

そう、思い我に帰る。

洗濯物しよ。


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