おるるるるぁぁぁぁぁぁあ

えもーしょん 高校生篇 #28

おるるるるぁぁぁぁぁぁあ

2013〜2016/カイト・高校生

Contributed by Kaito Fukui

People / may.06.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#28
「おるるるるぁぁぁぁぁぁあ」
(2013〜2016/カイト・高校生)

ずっと同じ毎日があることは

とっても幸せなことなのに

なぜか、非日常を求めて

今日も、危ない橋を渡ろうとしている。

朝起きて、歯を磨いて

ご飯を食べて、歯を磨いて

トイレに行って

シャワー浴びて

着替えて、学校へ向かう。

ホームルームだけ、出席したら

早退するわけだけど

それにも、ちゃんと意味はあって

そもそも、ボクの学校は

普通科1クラス

園芸科1クラス

の、1学年2クラスしかないのだ。

ボクは、普通科だけど

本当は、園芸科に行きたかった。

なぜって、植物達のお世話をプロ並みにしたいからだ

それに、野菜の品質改良や

桃の味がする、ぶどうなど

色々、研究したかったからだ。

ある日、園芸科の授業を

覗きに行った。

園芸科は、ほとんど女の子しかいない。

男の子は3人ほどだ。

みんなが、黒板に集中しているのに

君は、机の上の植物の絵を描いていた。

「なにしてるの?」

と、尋ねてみると

「葉っぱにも、指紋みたいにその子にしかないなにかを探しているの」

と、ボクには見向きもせず

答えてくれた。

「へー」

と、ボク

「君は? なにをしに来たの?」

「ボク、園芸科に入りたかったんだ」

「でも、お父さんが普通科のほうが早退しやすいからって…」

「じゃあ、普通科を早退して園芸科にきたら?」

「それ、ありなの?」

「わからない、でも聞いてみて」

冷たい、感じも少しいい。

なにより、植物を愛しているのだから

良い人に決まっている。

でも

もし、もし、もしかしたら

すこし、ヤンキーで

「おるるるるらぁぁぁぁぁぁあ」

って、喧嘩したら

踏んでくれるかもしれない。

結局、家に帰って

海へ行く。

静かに広がるビーチ

押し寄せる波。

ボクの好きな大きなヤシの木。

やはりここがボクの居場所なのかもしれない。


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