何とか

Emotion 第9話

何とか

Contributed by Kite Fukui

People / 2023.07.24

「唯一無二の存在になりたい」オワリと「計画的に前へ進み続ける」カイト。ありふれた日々、ふわふわと彷徨う「ふさわしい光」を探して、青少年の健全な迷いと青年未満の不健全な想いが交錯する、ふたりの物語。


第9話

未だ自分の人生が進んでいるとは思えない。1日も1週間も1ヶ月も、時間だけは過ぎて僕だけが置いて行かれているようだ。

Instagramのアカウントはそのまま、画面から消した。友人の輝かしい姿を見るたびに胃に剣を刺されているようだったからだ。

小さな画面の世界から抜け出して、もっと自分はこの世界で生きているんだ。と自分で実感しないと。このままだと本当に生きているけどいない。そんな人間になってしまいそうな気がする。

かと言って今すぐ何か出来るわけでもない。
けれど、これまでとは違う。今は何も出来ないけれど、何か出来そうな気がする。そして僕ならなんとかなる。気がする。

テスト前の不思議な自信とは少し違う。

自分のテイストも何なのか知らないし、だから武器が何かもわからないし。何が向いてるかなんてそんなの知らないし、何なら教えて欲しいし。

でも、誰かに教えてもらってもそれは違うな。とかすぐ反抗するし。結局、時間が経った後にあの時あれやってればよかったとか思うことが目に見えるし。たらればオッサンになりたくないから意地でも最初から聞かないけど。それは良いかもね。くらいは誰かに言ってもらいたいな。


続く



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