時差ぼけと朝焼け

the UNKNOWN #2

時差ぼけと朝焼け

Contributed by Miyu Fukada

People / 2023.12.21

心の片隅でずっと恋焦がれていた場所、南米。その地に惹かれ続けた理由を確かめるべく、写真家Miyu Fukadaさんが再び当てもない旅に出た。はじめて訪れる地で過ごす、まだ誰も予測できない出来事をリアルタイムでお届け。

#2


12/11



7:30くらいに目が覚める。
今日は彼の誕生日。
バルセロナに、お互いが好きなカタラン料理のレストランがあり
2人で一緒にはまだ行けていなかったので誕生日はそこにしようと予約していた。
一つ食べてみて欲しいメニューがあった。
それはカタツムリ。
私が最初にカタツムリを食べたのはモロッコ。
それはすごくスパイスが効いていて美味しくて、
それから抵抗がなくなり
3年前このお店でカタラン料理として味付けされたカタツムリを食べていた。
モロッコのには負けるけど美味しい。
彼の初カタツムリは今年の夏に一緒に行ったマジョルカ島。
そこのは生臭いというかカタツムリ感が強めだった。
不味くはないけどそこまでおいしくはなかった。
そんな彼のカタツムリのイメージを払拭したくて。

予約時間20時ピッタリにお店に着くと月曜なのかガラガラ。私たちが着席し、ワインを頼み待っていると別の予約客が五月雨に現れて席は埋まっていった。

ここのカタツムリは一皿15ユーロ 50個盛られてくるので2人だとお腹いっぱいになってしまう。
以前来た時はかなりの量残してしまった。
今回はダメもとでハーフサイズにできるか聞いてみるとOKとのこと。

頼んだのは
豚足のカルパッチョ
アスパラグリルとイベリコハム
カタツムリ
オックステールの煮込み
コルタド(コーヒー)とデザート(私はクレマカタラナというカタランデザート クレームブリュレみたいなもの。彼はmato y miel マトと呼ばれるチーズにはちみつがかかったもの)

ここのカタツムリは美味しいと彼。
イメージ払拭できた!
よかった!





12/12



7時すぎに目が覚める。ベッドでうだうだしているとまた空がピンクになってきた。

いつものように急いでテラスへ行って朝焼けを眺める。
夕方、買い物して友人のミオさんの家に行く途中にまたこれすごい夕焼けを見た。
最近のバルセロナ 日本の秋のよう。
クリスマスイルミネーションと夕焼けのコラボレーションだった。
ミオさんの家へキャッチアップしに行って近況報告。
買い物した食材を家に起きに行って、
ナチャの家へと彼と向かった。

私、彼、ナチャ、ナチャの彼のポル
なんと全員射手座。誕生日も近いのでみんなでご飯をしようということになっていた。
朝 ナチャから献立の相談の電話があった。
話を聞くとポルは魚介類が食べられないらしい。
私の家にベーコンとほうれん草があるからそれでパスタにしようということになった。

ナチャはannaでも取材した友達。写真を撮っている。
夏ぶりに家に行くと見覚えのある機械が。
暗室でよく見るエンラージャーだった。
元々ソファがあった場所には大きなテーブルが置かれ
現像液やトレイなど色々雑多に置いてあった。
遮光カーテンを買えば家で白黒写真を焼けるらしい。
すごい!

醤油を入れた日本風アレンジパスタは
初めてだったけどお気に召してくれたようで、
4人で500gゆでたパスタはすぐなくなった。
ナチャとポルはポルの誕生日祝いで金曜からカナリア諸島の島に行くらしい。
火山のある島でナチャが写真を見せてくれた。
どっか他の星みたいな大地が広がっていた。





12/13



8:20に目が覚める。
もう日の出はとっくだというのに薄暗い。
窓の隙間から、ヒューヒュー、ガタガタ音がする。
曇りだ。

さて今日は何をしよう。
昨日買った食材で朝食用のミネストローネを作りたいなあ。
でもまだビーツのスープが残っている。
これを食べ終わってからにしよう。
アーティチョークがまだあるのでキッシュにしようかな。

郵便局にも行かないといけないし、
annaを渡しに友達と水曜に会おうなんてことも話していたのにすっかり忘れてた。
月、火とある仕事を終わらせるのに日中はズーっっと家で作業していた。
来月から旅するのにこんなの成立するのか?
旅は旅に集中したい。事務作業みたいな超日常的仕事みたいのに時間を取られるのは困るなあ。
考えないと。

あまりにも風がヒューヒューいうので隣のテラスに出てみた。
風で紅葉した葉っぱが散っている。遠くの方には雲の隙間から青い空。
昨日、一昨日と20度くらいあって生暖かい感じだったのに
小嵐が吹いてバルセロナにも冬が来たのか?

バルセロナの家は作りがよくないので基本夏は暑いし冬は寒い。外観が石造というのも関係しているのかも。
幸い、今回の家にはオーブンがあってそれで少しばかり暖かくなるからよかった。

オーブンにはアーティチョークのキッシュが入っている。

夕方annaを渡しにボルネまでメーガンに会いに行った。
途中通ったジャウメ広場で大きなクリスマスツリーを見つけた。
ここは観光客が多いので普段は通らない場所だけど家から目的地までの最短距離を歩いていたら
たまたま通りかかったのだった。
帰り道。
日も落ちて辺りは夜の装いになりさっきのクリスマスツリーも光っていた。

今晩の献立は、バルセロナで一番美味しいかもしれないロティサリーチキンのお店
クイニーズの丸焼きチキンに合わせるため
クミンとニンニク、生姜をバターで炒め、洗ったお米を投入して少し炒めて炊いた
バスマティライス。 スープはスパイシーミネストローネ。
美味しかった。





12/14



全然寝れなかった。
風ビュンビュンは夜中まで続き、
時よりさらに突風が吹いた様子で
建て付けのよくないこの家の窓がガタガタ、
ジブリ映画で風がふくと揺れて今にも建物から離れていきそうな具合の音を立てていて
何度も目が覚めてしまった。

夕方私の大好きな友達 マリアナの家へ行った。
裏表なく内も外も本当に綺麗な友達。褐色の肌で髪は腰くらいまで長く
生まれ変わったら彼女になりたいと思うくらい本当に綺麗で可愛いマリアナだ。
めちゃくちゃ可愛い、それでいて自然体すぎて本当に面白い彼女。
かねてから何か一緒にやろうと話していたのにこの3年間一度も実現していなかったのだが
バルセロナに私が次帰ったら絶対やろうと話していたのだ。
家にはリタと名付けられた猫がいた。
一通り話終わってブラジルの話になった。彼女はブラジル人なのだ。
私が来年ブラジルに行くというとカーニバルはどこで見たらいいとか色々と
話をしてくれた。
ちなみに彼女の故郷はど田舎にあるらしくサンパウロまで20時間かかるらしい。
一番近くの空港まで車で10時間。規模が大きすぎる(笑)。
ブラジルは気が遠くなるくらい大きそうだ。
彼女が初めてサンパウロに行った時のことを教えてくれた。
「サンパウロの空港に着いた瞬間泣いたんだよね。感動と色々で。全てが大きくて人も沢山で自分が米粒より小さいキヌアの一粒くらいちっぽけに感じたの。」
例えの仕方が面白すぎるのと表現したいことがすごくよくわかって笑ってしまった。
私もサンパウロに行ったら自分がキヌアの一粒くらいちっぽけに感じるのかな?
帰りに買い物をしにスーパーへ。
パンコーナーに行くと中学生くらいの女の子2人が
何やらチョコクロワッサンの前で小銭を数えながら話をしている。
「私20円持ってるよ」
「私50円あるよ
合わせたらこのチョコクロワッサン買えるよ
だって65円だよ!」
10円単位の話をしている彼女たちが可愛すぎたのと
日本では百円以下では絶対に買えないパンの中ならかなり贅沢品のクロワッサンを買うために
四苦八苦しているのが面白かった。





12/15



今日はパウロに会いに行った。
これまたブラジル人の友達でたまに撮影して作品撮りをする友達だ。
ブラジルにいくと伝えると
「美佑は絶対気にいるよ!」と。
食もビーチもパーティーも
全部気に入ると思うと言われた。
移動はバスがおすすめだという。
日本のようにブラジルの国内線航空券は高め。
そんな感じで結局バルセロナで出会ったブラジル人の友達に
ブラジル旅の豆知識を集めている日々。
一つ不思議なのは、ブラジル人だけに限らずこっちの友達に
ブラジルに行くというと
絶対気にいるよ 楽しんで! とか
いいね! とか
ごく普通に他の国に行くのと変わらない反応なこと。
日本でブラジルに行くと話すと 
えー気をつけてね とか
危なくないの? とか
そういう反応なが多かった。
この差はなんなんだろうか。

今晩の献立はボンゴレ。





12/16



今日は8時起き
洗濯機を回して朝の買い物へ出かけた。
良い天気。すっきり晴れてそこまで寒くもない。
土曜の9時過ぎは流石に人通りも少なめだ。
鯖を買おうと市場へ言って番号までとって並んでみたけど
時期のはずなのに一件の魚屋にしか鯖がなくてなんかその気にならず
牛乳とほうれん草だけ買って帰ってきてしまった。
その後洗濯物を干して
フレンチトーストを作って
彼はスケートへ行った。
天気がいいから家でダラダラしているのももったいないと感じ
シャワーを浴びて外に出ることにした。
友達のことえにメールをすると共通の友人のダグの家で預かっている犬を散歩しにいくという。
犬! 犬が大好きな私
美佑も行くとダグに一報をいれて向かった。
玄関を開けると夏に一度だけ会ったバーニーズドッグの可愛い子が待っていた。大きい。
ことえがようやくきて一緒に散歩に出かけた。
可愛い
ふさふさ
幼稚園の頃から犬を飼いたいという夢があったけどまだ一度も叶っていなくて
友達の家の犬を散歩したりおばあちゃん、
おじさんの家の犬と遊んだことはあった。
大型犬を散歩するなんて夢のよう。
バーニーズマウンテンドッグは大きいけどすごいおっとりしている。
散歩に連れて行ったら3回も道端にあるよくわからないものを
目を離したすきに食べちゃった。
犬と暮らすのが夢の私はすかさずダグに、散歩必要だったら教えてというと
じゃあ明日の夕方お願いと言われてOKした。





12/17



今日は日曜日
いつもより遅く起きた。

数日前に約束した通りおばちゃんの家でのランチの予定。
先月箱根に行ったときにおばちゃんのお土産の緑茶を買ってあって
そのお土産を持っておばちゃんの家へ向かった。
一年半ぶりにおばちゃんに会う。
今回は彼も一緒だ。
去年の夏おばちゃんの誕生日に撮った写真もあげようと近くのプリントショップに寄ってから行った。

ランチは前からリクエストしていた Arroz Negro(アロスネグロ)
イカスミを使ったパエリアだ。
いつも通りムール貝とベルベレチョと呼ばれる貝の前菜的なもの
オリーブ そしてヴェルムット
いつもと変わらない安定の食卓
久しぶりのおばちゃんの家
3年半前 私はここに住んでいてコロナの外出禁止令の最中
毎朝おばちゃんとGoogle翻訳片手にコミュニケーションを取ろうとしていたんだなと
懐かしくなった。

おばちゃんには私と同い年の息子がいてドミニカ共和国に住んでいる。
その息子夫婦には昨年双子が産まれたらしい
おばちゃんの部屋にはその双子の写真を元に書いた素敵な絵があった。 
おばちゃんはアーティストで絵がすごく上手
色の使い方がとても綺麗なのだ。

イカスミのアロスネグロの味もバッチリ決まっていて
添えるアリオリもおばちゃんの自家製
オリーブオイルの値段が高くなったわねとか
そんな世間話もした。

近況報告かねて色々と3時間近く話して
コーヒーとデザートのアイスケーキ(これもいつもアイスケーキ)
を食べて家を後にし
ダグの家へと向かった

ゴロフスキー
ゾロフスキー
それとも違うのか
イタリア人夫婦のわんこは
なぜかロシア風な名をつけられ
預かっているダグ以外ちゃんと名前を理解しておらず
なんとなく
〜スキーと呼んでいるらしい。

私たちがおばちゃんの家に長居したので
ダグに伝えてあった時間から1時間近く遅れていた。
ダグの家の下でその
ゾロフスキーとダグに会って散歩を代わりにしに行こうとすると
ゾロフスキーがわんわん吠え始めた。
どうしたのかと聞くとダグ曰く

友達たちが来ていてしかも犬連れで
ゾロフスキーに構ってあげられなかったそうで
(図体はでかいのに意外とシャイで傷心もの)
玄関に1人でひっそりとおとなしくしていたらしい。
ダグじゃない私に散歩を託そうとしたら
溜まっていたものを吐き出し始めたそうだ
ダグは完全にゾロフスキーに怒られていた(笑)。

結局みんなで一緒に散歩をして
家に帰ると機嫌良さそうに私たちの前に座ってもっと撫でろと言ってくる。
大きいけどまだ2歳
バーニーズマウンテンドッグのゾロフスキーは
まだまだ赤ちゃんみたいでかわいいのだ。





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