Go for it! キムケイのスケートボード初心者日記。#2
Contributed by kimura kei
People / 2018.05.31
30歳を境にスケートボードに挑戦しようと思い立ち、
都立大にあるスケボーショップ辰巳屋文具店に向かった僕。
初めての体験にドキドキする中、スケートボードを手に入れる時が遂にきた!
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初心者用はありません!?
店長とお客さんとのやりとりが終わるのを待つ間、店内のスケボーグッズを眺める。目の前に何百枚と並んだボード。「こんなにたくさんあるなかでどうやって選べばいいのだろう」。僕はとにかく「初心者でも乗れる」をキーワードに何でも聞いてみようと決心した。
「初心者でも乗りやすいボードってどれですか?」と僕。そこで店長からショッキングな一言が。
「スケートボードって初心者向けっていうのがないんですよ」。ギターや釣竿のように初心者セットっていうのがあるのかと思ってた僕は焦る。
そんな僕の不安そうな顔を見て「スケートボードはとにかく色んな板に乗ってみて、自分に合うものを見つけるしかないんです。まずはボードに乗ってみましょうか」と、ビニールに包まれた新品の板を出してくれた。恐る恐る乗ってみるけど、何せ初心者なので感覚がわからない。「踏んでみた感覚の良し悪し、まだわからないですよね。デッキの両側が反っているのはわかりますか? 乗っているとその反り具合に好みが出てくるんですよ」。なるほど、乗るまで知らなかったが確かにボードは微妙に反っている。僕もいつか自分にマッチする反り具合がわかる男になれるのだろうか。
そのあとも丁寧に説明を受け、ようやく購入するボードを決定。 僕が選んだのはチキチキマシン猛レースの犬のキャラクター、ケンケンのイラストが全面に描いてあるもの。ロドニー・ミューレンというレジェンドスケーターのモデルとのことだった。今風の写真が使われたオシャレな板も気になったけど、最初から調子に乗りすぎかなと思い可愛いイラストのものに落ち着いた。そのあとはトラック、タイヤ、ボルト、ベアリングなど様々なパーツの説明を受けながら、店長のおすすめに沿ってデッキを組んでいってもらった。
トラックだけは軽いものを!!
「パーツは自分の好みで」が基本らしいが、店長が、唯一強くおすすめしてくれたのが“トラック”というパーツ。トラックとはデッキの裏につけてホイールを固定する部分の金属のこと。自動車でいう車軸部分。「トラックは予算が許すならなるべく軽いものを選ぶ!」ということらしい。ジャンプするトリックのときや持ち運ぶときにも軽い方が楽なのと、トラックは長い年月使うものだからいいものを、ということだった。「板はまともに練習すれば、3ヶ月か半年くらいでダメになるし、タイヤは一年くらいで買い換えるもの。でも、トラックは2〜3年は使うものなので、多少高くても軽いものを選んだ方が後悔しないんです」。
以下、店長からの各パーツアドバイスを簡単にまとめてみた。
<トラック>
・ いま人気なのはインディペンデント、ベンチャー、エースというメーカー。
・ 重さは重い順にノーマル・ライト・フォローライト・チタニウムなどがある。
・ それぞれのメーカーによって、若干の重さの違いはあるが、最低でもライト、できればフォローライトを使うのがおすすめ。
<タイヤ>
・ ソフトとハードの2種類がある。
・ ソフトは舗装の悪い道路などでも滑る音があまり気にならないが、柔らかいために摩擦が起きやすく、トリックをするときに板を滑らせるのが難しい。
・ ハードは舗装の悪い道路などでは、滑る音がけっこう大きい。ただし、スケートパークなどではとても滑りやすく、乗り慣れた人はみんなハードで滑る。
・ ソフトではじめて、ハードに途中で変えていくのがおすすめ。
<シューズ>
・ これじゃなきゃだめという決まりはないが、板の感覚がつかみやすい底がフラットで、クッションがあまりないスニーカーが好まれる。
・ 板と擦れることの多いつま先周辺が丈夫なものがベスト。
・ 普通のスニーカーでも滑れるがメッシュ素材だと擦れてすぐに破れてしまう。
憧れのMyスケートボードついに完成!
選んだパーツを店長に託し、デッキを組んでもらう。ボードにデッキテープを貼る作業が職人技っぽくて、見ていて惚れ惚れする。「スケートボードの前後が分からなくなることがあるので、デッキテープに隙間を作ってラインを入れ、前後の目印にすることもあります」。という店長の言葉に、僕も格好をつけてラインを入れてもらうことにした。
ようやく出来たスケートボードにかかった値段は以下の通り。
・ デッキ「almostロドニーミューレンモデル(8インチ)」8400円
・ トラック「インディペンデント(ライト)」7600円
・ タイヤ「メーカーなし」2500円
・ ボルト1260円
計19,760円。遊び道具にはちょっと高いかな? でも、自分のスケートボードを持つことが長年の夢だった僕にとっては安いものだと思った。本当はいち早く滑りたかったけど、購入したデッキを袋に入れてもらい持って帰った。なんだかとんでもないものを手にしてしまったようなドキドキが止まらない。これから僕のスケボーライフがはじまる!
<SHOP INFO>
辰巳屋文具店
(住)〒152-0023 東京都目黒区八雲1-11-18
(営)月—土:14時〜19時
(休)日曜
(HP)http://r-fskate.com
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kimura kei
LUKE magazine編集長。 制作会社Mo-Greenで広告制作などの仕事に精を出す傍ら、“anna magazine”編集としてアメリカ国内を取材。いまは男性向け情報誌“LUKE magazine”創刊へ向けて、企画作業の日々。