ハワイは、バニラの香り!???

えもーしょん 中学生篇 #9

ハワイは、バニラの香り!???

2010〜2013/カイト・中学生

Contributed by Kaito Fukui

People / jan.09.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#9 「ハワイは、バニラの香り!???」
(2010〜2013/カイト・中学生)

やっと、ボクら7人は

飛行機に乗り込む

夏休みだからなのか

飛行機はパンパンだ。

席順は、ボクが窓側。

ケンちゃんが通路側。

通路を挟んで、隣にはぎさんが。

お土産や機内食のパンフレットを見るボク。

横では、真剣に避難パンフレットを見るケンちゃん。

思わず、笑う。

ちょっと照れながらも、少し緊張しているみたいだ。

ボク「大丈夫?」

ケンちゃん「まだ、飛ばないの?」

ボク「うん、まだまだ飛ばないよ」

ボクは、CAさんからブランケットを3枚もらい

1枚は、ケンちゃんに

もう1枚は枕がわりに

もう1枚はお腹に。

ケンちゃん「まだ飛ばないの?」

ボク「まだ飛ばん!!!」

すると、ゆっくり飛行機がバックする。

ゆっくりゆっくり

滑走路へ向かう飛行機

ケンちゃん「飛ぶ? 飛ぶ?」

ボク「飛ばん」

飛行機のエンジンが動き出す

ケンちゃん「飛ぶ? 飛ぶ」

ボク「……………………」

CAさん達の避難パフォーマンスが始まる。

真剣に、パンフレット片手に

聞き入るケンちゃんに

思わず笑うCAさん。

ボク「ケンちゃん! 大丈夫だから!」

ケンちゃん「ごめんごめん」

横で、はぎさんが笑っているのが見えた。

旅ってこうでなくっちゃね。

ボク「ケンちゃん、そろそろじゃない?」

と言った瞬間

ういいいいいいいいいいいいいいん!!!

と、背中がシートに張り付く

ケンちゃん「やばい!!!!!」と

横の肘掛をしっかり握りしめるケンちゃん…………

ケンちゃん「うおおおおおおおおお………………」

ボク「大丈夫?」

ケンちゃん「すごいね………………」

ボク「もう少ししたら、ジュースもらえるよ」

ボク「映画は、ここで見れるよ」

ケンちゃん「え! めっちゃあんじゃん!」

はあ、やっと落ち着いた。

しばらくすると

CAさんが、「お飲物は?」と

来てくれた。

ボク「りんごジュースください」

ケンちゃん「ボクも」

またしばらくして

ボク「お茶ください」

ケンちゃん「ボクも」

CAさん「ご飯はどちらにされますか?」

ボク「こっち!」

ケンちゃん「ボクも!」

ボク「ケンちゃん! ここは違うのにしてよ!」

ケンちゃん「そ、そう?」

ボク「もう!」

それからボクは、寝てしまった。

「かいと、かいと、かいと!」

ケンちゃんが、ボクを起こす。

ケンちゃん「と、トイレがすごい!」

ボク「何が」

ケンちゃん「すごいから、行ってきて!」

もう……………………と

トイレへ向かう。

別に、特に何も変わらない

飛行機のトイレだ。

席に戻る。

ケンちゃん「どうだった?」

ボク「普通だったよ?」

ケンちゃん「ええええええええ?」

ケンちゃん「流した時、飛ばされそうにならなかった???」

ボク「あーーーーーー! 新幹線的なね!」

ケンちゃん「新幹線もそうなの???」

ボク「ケンちゃん、ハワイはバニラの香りがするからねっ」


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