君の指先。

えもーしょん 高校生篇 #20

君の指先。

2013〜2016/カイト・高校生

Contributed by Kaito Fukui

People / 2020.03.13

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#20
「君の指先」
(2013〜2016/カイト・高校生)

ボクは、女の子の小さくて

繊細な指先が好きだ。

出来れば、ボクもあんな指がいいなぁ。

って

よく思う。

きっと、あんなに細くて繊細だったら

ボクが、気づけない

沢山の感覚がわかるんだような。

って、

ハンバーガーの包装紙から

こぼれ落ちそうなキャベツを

拾う、君の指を見て思った。

「ケチャップついてるよ」

と、ボクは言った。

「え、とれた?」

と、指先5センチを使って

小さな口の周りについた

ケチャップを君は拭いた。

そう、

その、指先5センチ。

そんなに、綺麗な

指先で、デコピンされても

痛いより、幸せが勝ってしまうだろうな。

そんなに、綺麗な指先で

乳首をつねられても

へっちゃらだろうな。

女の子の、指先5センチには

その人の、人柄が詰まっている。

美人の指先は

絶対、綺麗だ。

しわくちゃな、おばあちゃんでも

美人な人は、指先が綺麗だ。

ネイルなんて、出来ればしないでほしい。

ハンバーガーの包装紙とこぼれ落ちそうな

小さなキャベツには、綺麗な指先が

1番美味しいって決まっている。

定食屋さんの、生姜焼き定食は

割り箸で食べた方が美味しいように

綺麗な指先にも、相性ってもんがある。

「ねぇ、取れた?」

と、君

「もっと左、あーもうちょい」

と、ボク。


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