OKINAWA

えもーしょん 大人篇 #42

OKINAWA

2016~/カイト・大人

Contributed by Kaito Fukui

People / jul.14.2020

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#42
「OKINAWA」
(2016~/カイト・大人)

バスを待つ、炎天下の中で

思い立って、沖縄へのチケットと

ホテルを予約してしまった。

思えば、沖縄は行ったことがない。

沖縄の知っている事といえば

ゴーヤチャンプルー、オレンジレンジ、モンゴル800、HY、

これくらいだろうか。

あぁ、

ボクの青春、オレンジレンジ

何度、古いと同級生に馬鹿にされたことか。

上海ハニーは、永遠だろう?

君のこと、沖縄のこと、よく知らないけど

ときめいているんだ。

チケットを取ったら、なんだか

安心してしまって、満足してしまって

特に、調べる気にならない。

明日の便なのに、荷造りもする気にならない。

きっと荷物は、シャツ3枚、パンツ2枚、靴下3足、シャツ1つ。

大きめのトートバッグ1つで事足りる。

心配な事といえば…天気くらい。

これくらいは…。

と、天気予報の検索欄に初めて

「沖縄 那覇」の文字が入る。

どれどれ。

なんと、向こう1週間晴れではないか。

呼んでいる、夏が、沖縄がボクを呼んでいる。

「行った人から夏です」

はい、そうです。

その通りです。

なんだか、ワクワクしてきた。

サーフィンは、しない。(予定)

せっかくだから、シュノーケルを買おう。

Amazonでシュノーケルと

珍しく、ラッシュガードをカートにイン。

さらには、テンションが上がってしまって

iPhoneの防水ケースまで

カートにイン。

「お急ぎ便、お急ぎ便」

本日中のお届け

が、目に入る。

「そんな? 本当?」

「届かなかったら、泣くよ」

「いい? いいの?」

少し、お金を払って

本日中のお届け。を選択。

嬉しそうなボクの指先

気持ち良さそうなポチポチと

好きなものを買って行く。

これで準備は終わった。

10:00

嵐の後の、炎天下。

忙しかった、寝起きから一変

突然、暇になってしまった。

「そうだ、沖縄は美女の町?」

心の方から声がした。

「どうだろう」

「そもそも、人いるのかな?」

「夏休み前だから、いないんじゃないか?」

「確かに、そうだ」

「どうする?どこ行く?」

「行ってから決めてもいいんじゃないかな?」

「本当に、そうかい?」

「どうして?」

「離島が面白い。と聞いたことがあるぞ」

「なに」

「離島…」

「いいね」

汗をかいたTシャツのまま

再び、炎天下空の下へ。

自転車に乗って、汗をかかないように

ゆっくり、そおぉっと

近くの本屋さんへ向かう。

しかし、暑いな。

濡れたアスファルトが太陽光で温められ

地面から、熱気と湿気が湧いている。

入り口に並ぶ大量の自転車。

「結構、人いるなぁ今日」

1階のアートコーナーは今日はスルーして

3階の旅コーナーへ

涼しい、店内。

階段を上り、並ぶ棚の

「旅行」のプレートが目に入る。

ハワイ、グアム、ニューヨーク

伊豆、箱根、鎌倉

宮崎、鹿児島、沖縄

「沖縄!」

一冊の本を手に取ろうとした時

向かいの人影から、沖縄に向かって

手が伸びる。

「あれ」

「あ」

顔を上げると、わがままボディの

サラリーマン。

「この人も、夏…?なのか」

向こうも、そう思っているだろう。

少し、恥ずかしいが

沖縄の本は一冊しかない。

さて、どうするか。

続く。


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