THE GIRL EXPLORERS vol.02
-Asuka Tsuru-
Photograph : Satoru Nakano
Text : Aika Matsuzaki
People / 2018.12.11
「旅先で、あと1日あったら何をする?」
さまざまなスタイルで暮らす女のコたちの妄想DAY TRIPを紹介する
「THE GIRL EXPLORERS」。
第2回目は繊維関連の商社で営業として忙しく働く、
津留明日香さんの妄想TRIP!
name: Asuka Tsuru
occupation: Office Worker
「旅行は、日々生きるための充電。生きるための活力!」
そう語る今回のエクスプローラーは、繊維関連の商社で営業として忙しく働く、津留明日香さん。仕事柄、海外出張は多いものの「仕事で訪れる海外と、プライベートな旅行で訪れる海外は“色”が違います」という。国内も含めると、年に4.5回は旅行に行く、という彼女。さらに仕事では年に5.6回海外に行くという「海外慣れ」している彼女が妄想する「もう一日」とは? ざっくばらんにお話を伺いました。
———もし旅に出て急に一日余裕ができたら何をしたいですか?
うーん、何をしたいかな? 旅行先にもよるけれど……。
週末休みを使った、食べ歩き・買い物・観光のみっちりスケジュールの旅の場合だったら、
もし一日ぽっかり空くのなら、一日中、美術館にいたいかもしれない。
というのは、美術館って、特にヨーロッパとか有名な美術館がある場所に旅行にいったら、
必ず行くんですけど。
でも、ゆっくりまる一日時間をとって見ることは、なかなかできないじゃないですか。
一日余ったら、思う存分美術館にいられるなぁ、と。ローカルみたいに。
———昔イギリスに住んでいたこともあるとか?
はい。
学生時代にイギリスに住んでいたときは、自宅から歩いてすぐに、
教科書に載っている名画とかがある美術館があって。
なんか今日ちょっとヒマだなぁ、何もすることないなぁ、ってときに、
サンドイッチでも持って、美術館行こう!と、時間を気にせず見られた。
だから、それが恋しいのかも。
そういう時間を取るのは、いまの生活だとなかなか難しいので……。
まず今回の企画を聞いたときに、やりたいなって思い浮かんだのは、それですね。
———“旅行先にもよる”ということは、場所によってしたいことが変わる?
もしヨーロッパにいたとしたら、在来線で他のエリアや国に行くのもいいな。
南国のビーチにいたとしたら、プールで何にもせずに過ごすのもいい。
———どこの国でも共通してやりたいことは?
現地に住んでいる日本人のフリ(笑)。
よく言われる“暮らすように旅をする”っていう感じなのかな。
どっちにしろ、普段の旅行自体もそんな感じではあるのですが、
あと一日あったら、より一層それができるのかな、と。
優先順位が低めの、あまり行かないようなローカルなところに、行きたくなっちゃう。
例えば、朝ごはん食べに、宿泊先近くのきたないカフェに行く。
新聞読んでるオジサンたちの横でコーヒー飲んだり、
つまんなそうにスマホいじったりね(笑)。
時間を無駄に使いたい、あえて。
———時間を無駄に使う?
うん。
私、もう、“旅行する!”となると、とことんリサーチするんです。
だからこそ、一日空いた時間は、ほげーっと無計画に過ごすのがいいなと。
——確かに。それって贅沢ですね。
じつは、昔あったんです。急に、旅が、一日伸びたこと。
高校三年生のとき、友達と2人でホストファミリーに会いに行った帰国の日、
大雪でフライトが飛ばなくて。
で、もう一泊しなきゃってなったのですが、ホストファミリーとなかなか連絡がつかず。
私たち、このまま野宿かも……っていうときに、やっと連絡がついて、
空港にピックアップにしにきてくれた。
その夜、ホストブラザーとボウリングに行ったんです。
その感じが、映画みたいで、超青春で。
ドライブスルーみたいなところでハンバーガー買って、そのあとボウリング行って……って。
そのときのロードムービーも撮ったんですけど、なんかアメリカの青春映画みたいで。
そんな経験もあって、降って湧いた一日は、
リアルな生活感ある過ごし方をしたい、って思うのかも。
自分のいつもの旅のスタイル
———いつもの旅のスタイルを教えてください。
仕事上、休みも十分に取れないので、旅行に行ける日数も限られています。
だからこそ、旅行では行きたいところ、食べたいところ……など、とにかく予定を詰めます。
効率的に動くために、場所は事前に徹底リサーチ。
現地でスムーズに動けるように、事前に頭のなかにいれておきたいんです。
もちろん、実際に行けない場合もあります。
そんなときは「は〜行けなかったなぁ」と落ち込むワケでもない。
きっと、旅行の段取り自体が好きなんです。
旅行に行くのはもちろん大好きなんですけど、
どちらかというと、旅行の準備をするのが好きなんでしょうね。
———それは性格的なものですか?
うーん、心配性なんですかね(笑)。
あと、時間をムダにしたくないんです。
ただでさえ知らない旅行先で変にウロウロすると、トラブルに巻き込まれるような気がするし。
あとは、調べるのが好きっていうのもあるかも。それも、旅行の一部なんですね。
旅行に行くって決めたときから、旅行がスタートする、みたいな。
旅立つその日まで、どこ行こう、何食べよう……って、毎日考えちゃう。
その楽しさがあるからこそ、普段の仕事が辛くてもどうにかやれる。
それがないと、生きて行けないかも(笑)。
———仕事でも海外にいくことが多いんですよね?
年に5〜6回は行きますね。
———仕事とプライベートの旅行は、やっぱり違いますか?
全然違います!
でも、仕事で行くからこそ、経験できるようなこともあるんです。
仕事で行くときは、普通に現地で生活をしている人と会えるので、より生活が見えることも多い。
普通は行かないようなレストランにも連れて行ってもらえたりだとか。
中国のお客さんが多いので、“お客さんをもてなす”文化があるから、
とにかく歓迎されるんですよね。
どこかわからないようなところに連れていかれて、
いきなり家族総動員でBBQが始まる……なんてこともありましたね。
———仕事で行った国で好きになった国はありますか?
香港!
最初は出張で行って、そのあとプライベートの旅行でも行きました。
出張で行ったときは自由時間がなかったから、
あそこ見たかったな、とかここ行きたかったな……とか、いろいろあったんです。
そんな欲求を、旅行では詰め込んだって感じですね。
———完全にプライベートで行く旅行は、どれくらいの日数行くのですか?
会社勤めでカレンダー通りの休みしか取れないので、
お盆休みを含めた5〜6日が、年に一度の一番大きな旅行のチャンス。
そのほかの旅行は、週末の休みプラス一日、とかそんな感じです。
だから、最近は手軽に行けるアジアに行くことが多いです。
———いま行きたい国はどこですか?
ロンドン。やっぱり住んでいた街だから。
あとは、エジプトやトルコ。世界遺産や遺跡を見るのが好きなんです。
詳しくないけど、とりあえず世界遺産に行きたい(笑)。
気になる世界遺産があるから、ここに行こう!って、行き先を決めることもあります。
———世界遺産を中心に行き先を決めるなんて、ユニークですね。
そうですね。
まだ実現してないんですけど、いつか、ベトナムのダナンに行きたくて。
何もしないリゾートステイができつつも、すぐ近くに世界遺産があるんですよ。
だから、昼間はプールとかビーチで何もせずに過ごして、
ちょっと夜涼しくなったら、世界遺産にてくてく行ける。一石二鳥ですよね!
———仕事がある上での旅をしたい派? それとも、ほんとは働かないで旅だけしたい派?
ずっと旅をするのは、そのために目的があるならいいと思うんですけど。
目的もなくバックパッカーとしてただいるだけだったら、あんまり興味ないかもしれないです。
やっぱり、目的があるからそこに行きたいし、調べる。
ただ海外に行きたいっていうだけじゃないし、それなら出張に行っていればいいわけだし。
旅行するために、仕事をしている。仕事が大変だから、旅行に行きたくなる。
そんな循環がちょうどいいのかな。
仕事がなくなったら、その欲は、もしかしたらなくなっちゃうかもしれません。
——旅に必ず持っていくものはありますか?
部屋や機内で履く用の、マイスリッパ。
夜食事に行くとき用の、クラッチバッグ。
あとは、バスタブがあるところには、入浴剤をもって行きますね。
「ジョー マローン」のバスオイルがお気に入りです。
——最後に質問。一番の思い出に残っている旅は、どこに何の目的でいった旅ですか?
8年前に行ったモロッコです。
住んでいたイギリスから日本に帰ってきたときに、またイギリスに戻ろうと思ってたんですが、仕事が見つかって日本に残ることに。
戻るつもりだったので、ロンドン行きの片道チケットだけを持っていたこともあり、
仕事を始める前に、これから忙しくて旅行に行けなくなるからって、モロッコへ行ったんです。当時はブロガーもあまりいないし情報もないなか、ガイドブックも持たず、砂漠に一泊する現地ツアーに参加。それが最高でした……!
山道を走りながら、一日中バンに揺られて砂漠へ。
砂漠に着いたら、いきなりラクダに乗せられて、砂漠のまんなかまで連れていかれて(笑)。
みたいなやつを味わったあとに、夜になって上を見たら、ほんっとに、すごい星!
あんなに空をみあげて爆笑したの、初めてでした。
星が綺麗すぎて、意味がわかんなくて、「何これ!!」みたいな。
参加人数も少なくて日本人なんてもちろんいない。
下手したら命の危険を感じるような状況でしたけど。あれは、思い出に残ってます。
また、行きたい!
「もし一日急に空いたら?」を想像したときにいろいろな答えが出たものの、すべてに共通しているのは、“旅先で、暮らすように過ごすこと”、だった。仕事が忙しく長い休みが取れないから、入念なリサーチのもと、計画的に効率的に旅行しているという現在。だからこそ、海外で暮らしていた若い頃のように、無計画に一日をやり過ごす……。そんな過ごし方に、憧れるのかもしれない。
津留明日香さん/神奈川県出身。繊維専門商社で営業として働く。昔イギリスに住んでいた経験もあり、旅することが大好き。
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anna magazine
「anna magazine」は、ファッションからライフスタイルまで、ビーチを愛する女の子のためのカルチャーマガジン。そして、「anna magazine」はいつでも旅をしています。見知らぬ場所へ行く本当の面白さを、驚きや感動を求めるたくさんの女の子たちに伝えるために。