日替わりランチ。

えもーしょん 中学生篇 #20

日替わりランチ。

2010〜2013/カイト・中学生

Contributed by Kaito Fukui

People / 2020.03.06

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#20 「日替わりランチ」
(2010〜2013/カイト・中学生)

何もない日が好きだ。

雲ひとつない、空高く

青空の日も。

どんより、真っ暗な

曇りの日も

一歩歩けば、バケツをひっくり返したような

雨の日も

寒くて、凍えそうな

雪の日も

特に、何もない日が好きだ。

今日だって、そうさ。

朝起きて、学校へ行かなかった。

バローズの散歩で、少し遠い

公園まで、歩いた。

途中、まだ公園に着いても居ないのに

バローズがリタイヤ。

仕方なく

12kgのフレンチブルドッグを

抱っこして

結局、半分以上歩いた。

まったく…。

公園に着くと

大はしゃぎ。

もう…。

芝生で、フルダッシュして

タマタマを、ブラブラさせては

相変わらず、よだれを撒き散らしていた。

帰りは、やっぱり

歩けない様子。

公園から家まで、3キロ。

抱っこして帰った。

家に着いて、洗ってあげると

彼は、爆睡。

幸せそうだ。

ボクは、まだなんだか

物足りないから

家の前で

少し、スケボーをする。

ひと汗かいたら

シャワーを浴びて

ママが作ってくれていた

朝ごはんを食べる。

きっと、この後も

なにもしない。

特に、なにも。

けれど、なにもしないが

日替わりでやってくる。

明日は、明日のなにもしない1日が。

今、この瞬間の

なにもしない日は

2度とやってこないのだ。

打ち寄せる、波と同じよう。

だから

今日という日を

思い出に残そうと。

ボクは、日替わりランチを食べた

「日替わりランチ」


本日は、ハンバーグ。


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