What is your color?
「個性」ってなんだ?
Photo&Text:真智子
People / 2022.12.16
Luke magazine special contents #13
今、僕たちが考える「個性」のこと。
多様な価値観に触れる機会が多い今、「個性」という言葉の捉え方もさまざまだ。自分を奮起させるポジティブな言葉にもなれば、時に自分を惑わせる言葉にもなる。今回は服飾専門学校で日々自分らしさと格闘する17名の学生が、「個性」について改めて考えてみた。10代と20代のはざまに生きる学生たちの素直な言葉たち。「個性」ってなんだっけ?
love your self
自問自答から広がる未来
どきっ。
個性。
こういう、自分と向き合って考えるような質問は苦手だ。
私の個性って何だろう。
個性とは…内側から出てくるもの。私はそう考える。
そうすると「個性=性格」になるのかな。
だったら私の個性は「自分の好きを貫けること」なのかもしれない。私は服が好きで、その中でも派手な服が昔から好き。小さい頃から人と被ることが嫌いだった私は“服”という武器を手に入れ、服で自身を表現してきた。
それが「山田真智子」という人間の土台を形作し、その後の服飾の道を志すきっかけに繋がったのかもしれない。
ファッションアイコンは特にいないが、日常での“かわいい”と感じる瞬間を大切にしている。そして、それを毎日のコーディネートを考える際のヒントにしている。
ただ真似をするわけではない。必ずそこに自分らしさをプラスする。誰にも真似できない、唯一無二の私でいるために。
そして私の「好き」を探す視点は現在から過去へと幅を広げていく。私は一瞬にして“レトロ”に心を奪われたのだ。厳密に言うと“レトロ”よりも“古い”の方が合っているような気もするが。まぁいいだろう。
喫茶店や食堂にはどこか懐かしい雰囲気と、自分自身と向き合える静かな空間が存在している。誰かのために発信している、SNS用の“作りあげられた嘘の自分”の姿はどこにもない。それが居心地の良さに繋がっているのかもしれない。
私が“レトロ”にハマってから5年は経つが、今でも喫茶店や食堂には足繁く通っているし、歴史が刻まれていそうな見た目のお店を見つけると何だかワクワクする。
“レトロ”は年齢の違うもの同士を繋いだり、新たな興味の入り口に導いたりしてくれる架け橋だと思う。私はこの架け橋を行き来する。今だけを見るのではなく、過去の歴史や出来事にも目を向けることで、何かを感じ取れることもある。
だから私は、これからもレトロな場所を探す。まだ見たことも、聞いたこともない未知なるものと出会うために。たくさんの人から愛されている、その理由を探るために。
好きなことを貫けば、きっと自分の力になる日がやってくる。私が“服”を仕事として関われるチャンスを掴んだように。
「私の個性は何だろう」
このたった10文字の質問が、私の「好き」を考えるきっかけになった。
人の良いとこや悪いとこには気づきがちだが、自分に関しては意外にも疎かったりする。だからこそ、自分と向き合う時間を作ってあげることはとても重要なのかもしれない。
未来の選択肢を広げるために、私は今日も自分に問いかける。
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真智子
2002年生まれ。福岡県出身。散歩が大好きで、特に路地裏を探検するのが好き。休日は目的地を決めずブラブラ散歩している。好きな食べ物はカレー。辛いのは苦手だからスパイシーカレーには挑戦したことがない。