あなたがいないと、ジングルベルが鳴りません。

えもーしょん 小学生篇 #6

あなたがいないと、ジングルベルが鳴りません。

2003〜2010/カイト・小学生

Contributed by Kaito Fukui

People / dec.30.2019

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#6 「あなたがいないと、ジングルベルが鳴りません」
(2003〜2010/カイト・小学生)

世の中が、愛に包まれる中

ボクは、静かに布団の中で丸まっている。

今日は12/30。

何枚、手紙を書いても
誰かが読んだ形跡はない。

ベットの横に靴下を置いても
ママが起こって洗濯をするだけ。

遠回しに、欲しいものを
パパとママに伝えても
「試合に勝ったらね。と言われてしまう」

ボク
「あれ、何かおかしいぞ」


そう、12/25を過ぎても
いつまでたっても
ジングルベルが、鳴りません。

トナカイもいません。来ません。

空飛ぶソリも、ありません。来ません。

真っ赤な服を着た、白いひげの
おじさんも、いません、来ません。

クリスマスのケーキもありません。

プレゼントも、ありません。

当然、ジングルベルも

鳴りません。

けれど、決して

パパとママに、なぜ来ないのか

聞いてはいけません。

なぜなら、この寒い冬を

ハッピーに過ごす為に

悪い事をしない事。

サンタを信じる事。

お年玉をもらう事。

この3つが、年末を乗り越える

最低条件だから。

ボクは、頑張った。

とにかく、頑張った。

11月に入ると

突然、ママの買い物についていき

重い荷物を持ってあげたり

ご飯の後、食器を洗ったり

洗濯機に洗濯物を入れたり

靴下を脱ぎっぱなしに、しなかったり

お風呂を洗ったり

ゴミを捨てたり……。

とにかく、家のお手伝いはした。

これでもか!と思わず言ってしまうほどに。

なのに、迎えた

12/25

心臓がドキドキする。

ボクは今、暖かい布団の中で

目をつぶっている。

この目を開けると

ボクの体の中、いっぱいに

ジングルベルの歌が鳴り始め

手紙に書いた、プレゼントを開けるんだ。

まだ、、、まだ、早い。

まだ、目を開けるのは

なんだか、もったいない。

プレゼントに頼んだ

ニンテンドーDS

ああ、この冬休みは

DSで、遊び倒そう。

んふっ

それに、マリオのカセットも…。

はぁぁぁぁぁぁ。

雲に包まれるような

幸せな気持ちだ。

遂に、目を開ける

そこに広がる光景に

ボクは、ひっくり返った。

続く。


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